502  他人の身になって  2010年06月30日(水)
 今日から期末考査が始まりました。
 関西福祉科学大学の先生が来られて、30分ほどお話をしたときにおもしろい話をしていただきました。それは会話の相手の態度なのですが、まず二人の生徒を向かい合って座らせて、一人に何か好きなことをしゃべらせる。その時、聞く側は@やや前傾姿勢になって相手の目を見てしっかり聞く。A腕組みをして聞く。Bふんぞり返って聞く。という動作で相手の話を聞きます。どの動作が話し手にとって一番話しやすいかを試してみる体験授業なのだそうです。もちろん@が最も話しやすいと感じるそうです。それは体験してみるまでもなく答えはわかります。
次に話し手のほうがC座っている相手の後ろへまわって話す。D座っている相手の傍で立って話す。という実験をしてみるそうです。相手に後ろから喋られると、とても気持ち悪く感じる生徒が多く、立って話しをされると威圧感を感じる生徒が多いそうです。ところが、車いすを押しながら後ろから話しかけるというのは、Cにあたります。車いすに乗っている人にとっては後ろから話をされるのはとても気持ち悪いことなのかもしれません。また、病院のベッドの横で立って話すというのはDにあたります。これも病気でベッドで寝ている方や、寝たきりの方にとってはとても威圧感があるのかもしれません。
相手の身になって考えてみる。ということがこの授業でよくわかるのだそうです。もちろん車椅子を押しながら会話をしてはいけないということではないし、病院にいってベッドの横で話してはいけないということでもありません。しかし、自分の行動を相手の身になってもう一度振り返るというのは大変重要なことなのだと思います。


501  寝屋川市民会館で学校説明会がありました  2010年06月29日(火)
 先週の金曜日に、寝屋川市の中学校主催の学校説明会がありました。各校20分程度で、舞台上で学校の説明をします。保護者の方が中心で、広い寝屋川市民会館大ホールがかなり埋まっていました。多くの学校がパワーポイントを使って、画像で説明されるようですが、私は昨年からパワーポイントを使わないことにしています。画面というのはその時はよくわかるのですがすぐに忘れてしまうからです。今年も喋りだけで20分、学校の説明をしました。20分ですからあまり詳しいことは話さずに、芦間高校に興味を持っていただけるように話したつもりです。
 必ず私が話しをするのは、@芦間高校がどこにあるか、A総合学科って何?の2点です。@については、「芦間」という校名に地名が入っていないのでわからない方も多いようです。守口市にあって地下鉄守口から5分、緑道が学校まで続いている気持ちのよい環境にある学校だという話をします。京阪守口市からも10分、とても便利なところにある学校です。Aについては、専門学科(理数科、国際教養科、英語科など)の高校は、受検のときにすでに自分の進路を決めなければなりません。例えば中学校では英語の成績がよかったので、英語科に進学した。しかし、高校へ入学してみると英語よりもっと他のことに興味をもつようになった。という人でも一度英語科へ入学すると転学することは簡単なことではありません。ところが総合学科は、1年生の間に「産業社会と人間」の授業で自分の将来像を考え、約半年かけて、2年生からの科目選択をします。英語科と同じようなカリキュラムを選択することもできるし、高校で興味を持ったことを中心にしたカリキュラムも組むことができます。自分の興味や関心、進路に応じて柔軟に対応できるのが総合学科だという話をしました。
 最後に話したのは、芦間の学校行事は生徒が中心になって運営し、生徒は大変楽しんでいることと、発表したりプレゼンテーションをしたり、自分の考えや意見を述べる機会が多く、プレゼンテーションの力のある生徒が多いことなどについて話しました。伝わりましたか?
なお、パワーポイントを使った芦間高校の説明はこのホームページの一番下「バーチャル学校説明会」でご覧いただけます。こちらもぜひご覧ください。


500  明後日から期末考査  2010年06月28日(月)
 いよいよ1学期も大詰めになって来ました。水曜日から1学期末考査が始まります。3年生はこの考査の成績が大学への進学のための評定の基準になります。高等学校の最終の成績は2学期、3学期の成績も入るのは当然ですが、秋に入試のある推薦入試やAO入試の成績は1学期までの成績が重要になります。この考査が来年の春に自分の目標とする進路を達成できるかの大きな山場になります。よい成績でクリアしてもらいたいものです。1、2年生にとっては、このテストは直接入試には関係ないようですが、最終的な評定平均値は3学年すべての成績から算出されますから、決して関係ないとはいえません。
 テストというものは本来、「毎日の学習」の到達度を測るものです。だからテスト前に一夜漬けの学習をする必要はないのですが、たいていの人は「毎日の学習」に不安があるもので、その不安を取り除くために一夜漬けで勉強をしてしまいます。ほとんど徹夜でテストに臨んで、結局よい点数が取れなかったということはよくあることです。朝まで一夜漬け勉強して、明け方に少しうとうとして、そのまま寝てしまって肝心のテストを休んでしまったという本末転倒の人も何人も知っています。「毎日の勉強」が重要なことがわかっていても、なかなかできないというのが人間の常ですが、「なかなかできない」を「なんとかしよう」にいつ転換できるかが高校での成績の大きな鍵になります。「毎日の学習」で覚えたことと、「一夜漬け」で覚えたことの差は、忘れる早さです。一夜漬けで覚えたものはほとんどテストが終わると忘れています。
 「何のためにこんな勉強するのかわからん」「こんな勉強はなんの役に立つネン」ということをいう人もよくいます。その答えはすぐには出ません。ずっと後になってわかることです。自分の人生の中で「あの時もっと勉強しておけばよかった」と思うときが必ずあります。仕事をし始めてからまた学習を始める人が多いのも、「あの時に・・・・・」と思う人が多いからでしょう。「大学合格のための勉強」とか「テスト勉強」いう目標設定をはっきりする方がモチベーションを上げやすいので「勉強」をする人が多いのですが、この勉強は「必要ないものはしない」という勉強方法です。不必要だと思っている勉強の中に、何かもっと大事なものがあるような気がするのですが・・・・・・。


499  宮古島へ持っていった壁画  2010年06月25日(金)
 昨年12月に芦間高校の7期生が修学旅行で宮古島を訪問しました。その時に農家に分宿して泊めていただいたのですが、本校からはお礼の意味もこめて、巨大なドット壁画を持参しました。この壁画はこの校長だよりでも紹介しましたし、宮古島の新聞やテレビでも紹介されました。芦間生を受け入れていただいたサルカの会の方々もこの壁画を大変喜んでいただいたそうです。壁画を作って昨年9月の文化祭で学校の壁面に掲示し、そのあと宮古島でお披露目し、担任団もそのあとは廃棄しようと考えていたようですが、宮古島の方々が大事に保管していただいていたようです。
 今年の4月に宮古島では、よく知られているトライアスロン大会(第26回)が開催されました。その際に本校の持参した壁画を応援用にサルカの会の方々が再度掲示していただいたようです。先日、連絡があり、この壁画が応援幕コンテストに賞を受賞したという連絡がありました。そのときの写真と賞状も送っていただきました。「ワイドー大賞 第26回全日本トライアスロン宮古島大会応援幕コンテストにおいてストロングマンに感動を与えました。よってこれを賞します」と記載してあります。廃棄にならないで、宮古島の方々に大切に保管していただいて、また日の目を見て応援部門で受賞したというのは大変光栄なことだと思います。大きなものなのに、大切に保管していただいたサルカの会の方々に感謝したいと思います。生徒たちが一生懸命作った甲斐がありました。ありがとうございます。


498  学習塾対象説明会を開催しました  2010年06月24日(木)
一昨日書き込んだこの欄の記事を修正したら、全部??????となって文字化けしてしまいましたので、ほぼ同じ文章を書きます。
 一昨日は進学塾対象の説明会を開催しました。京阪沿線や大阪市内などから約30人近くの方に来ていただきました。学校の教育内容の説明、これまでの進路実績、入試の方法、そして入試で課せられる小論文の書き方について説明した後、希望される方に授業を見学していただきました。
 特に小論文は100満点で、入試の総合点に非常に大きな割合を占めることや作文ではないことに注意して書くことなどを説明しました。作文はエッセイ風に表題に合わせて自分の思いや感想を縷々綴ればよいのですが、小論文は必ず明確な結論があること、またその結論を導くための論旨が一貫していることなどが重要なポイントであることなどを説明しました。入試の小論文の答案を見ていると、表題から論旨が外れている、論旨が一貫せず最初と最後で述べていることが矛盾する、ヤマをはって予め自分で考えてきた内容に無理やり持ち込もうとするなどの例が見られます。しっかりした小論文を書くためには新聞やテレビ、ネットなどから現代の社会のあり方に常に注意を払って、自分ではどのように考えるかを考えておく必要があると思います。もちろん、文章を書く練習を十分しておくことも必要です。総合学科の入試において小論文は意外に難しいし配点上も重要な位置を占めるので注意が必要です。
また昨年の3年学年主任からは今年の入試結果と、結果にいたる学校の取り組みについて説明しました。講習だけでなくチューター制度などによって今年卒業した6期生もよい結果を残してくれました。不況の影響で、たくさんの大学を受験するのがむずかしい人も多いと思います。大学で「これを勉強したい」という明確な目標をもって受験に臨んでほしいと思います。
塾の先生はかなりよく高等学校の内容についての情報を収集されておられるので、さすがに「総合学科とは何」という質問はありませんでした。総合学科の中身はかなり知られるようになって来ましたが、総合学科であっても学校によって中身はそれぞれ違っているので、学校の特徴についてはかなり詳しく、科目選択の方法や選択科目の表なども示して説明しました。
公立高校の広報活動は、特に入試については一般的なことしか話ができませんが、できるだけわかりやすく説明したつもりです。「成績が芦間につりあっている」という選び方ではなくて「学校の中身が気に入ったから芦間を受験する」という人にたくさん来てほしいと思います。帰りにアンケートをとらせていただいたのですが、本校のことをよくわかっていただいた方が多かったようでした。


497  今日は夏至です  2010年06月21日(月)
 今日は夏至です。太陽の南中高度が最も高い日ですが、今日は太陽が見えません。九州南部は大雨で、沖縄はもう梅雨があけました。大阪は梅雨に入って、蒸し暑い天気が続いています。晴れ間もありますが、どんよりした曇り空が続くので何かスカッとした気分にならない今日この頃です。また、晴れると非常に暑くて、どうしてもエアコンのお世話になってしまいます。日本の南岸に梅雨前線が停滞して、この前線が北上すると雨が降り、南下すると晴れ間も見られるというこの時期の天気予報は非常にむずかしいそうです。微妙な前線の動きを予想するのは確かに難しそうです。今日の天気図は南岸に梅雨前線が停滞する典型的な梅雨の天気図です。今はまだ前線が南岸にあるので、エアコンをかけ続けても暑い熱帯夜やがまんできないような夏の暑さにはなっていません。しかし、前線の南側にはあの暑い暑い太平洋高気圧がいますので、梅雨があけるとあの暑い夏がやってきます。昔に比べて最近は地球温暖化の影響かどうかわかりませんが、夏の暑さが異常で、しかも長く続くような気がします。むかしは夏休みの終わりには夜がやや涼しくなったような気がするのですが、今は9月の下旬になっても熱帯夜が続くこともしばしばです。暑いからエアコンをかけると、そのエアコンの排熱で周囲の気温が上昇するという悪循環が9月の末、ひどいときには10月になっても繰り返される有様です。むかしは暑い夏は好きだったのですが、最近は夏の暑さが少し身体にこたえるようになりました。天気図を見ながら太平洋高気圧に、そんなに勢力を強めるなよと言っています。
 この梅雨の天気図を見ると3回行って3回とも雨が降っていた三重県の尾鷲や、よく雨に降られた吉野の山村を思い出します。


496  庭窪中学校へ行ってきました  2010年06月18日(金)
 中学校からの訪問があったり、こちらが中学校へ呼ばれての説明会があったり、6月になって芦間高校を広報する機会が増えました。先週には枚方市立中宮中学校からの訪問があり、これ以後も6月中に2校ほど本校へ来られます。共生推進教室(本校ではBreeze(そよ風)と呼んでいます)の見学に来られる方もあります。こちらから出かけていく説明会は、本日守口市立庭窪中学校、6月25日が寝屋川市立中学校の合同説明会と続き、7月になってからももう2校予定が入っています。
 今日は守口市立庭窪中学校(写真、庭窪中ホームページからお借りしました)で3年生の生徒と保護者の方の前でお話をしてきました。私が芦間高校の説明をするときに必ず説明する点は@芦間高校の場所(芦間という名前からでは、どこにあるかわからない人も多いので、必ず地下鉄と京阪からの行き方を説明します。時間があれば、緑道が近くにありとてもよい環境にある学校であることを話します)、A芦間総合学科の特徴(大学進学をめざした総合学科であるという点と、自分の興味、関心、進路などに応じてたくさんの選択科目から授業を選ぶことができるというメリット)、B総合学科は自分の進路や将来像がはっきり決まっていない人が入学すると苦労するという誤解(芦間総合学科は2年生から科目選択をするので、自分の進路や将来像を1年生の間に考える時間的余裕があります。中学校で英語が得意で、高校でも英語を中心に勉強しようと思っていたが、もっとちがう新しいものに興味が移ってきた。2年生からの選択は英語に偏らない選択をしようと思う。ということが総合学科ならできるのです。)の3点です。
 総合学科という学科は、まだ中学生に、中学生の保護者の方々に、中学校の先生方にしっかり認知されているといえません。できるだけわかりやすく説明に行きますので、芦間高校に声をかけてください。 


495  奨学金申請入力中  2010年06月17日(木)
 昨日から明日まで、3年生の大学予約奨学金(日本学生支援機構 スカラネット)の入力をしています。LAN教室に生徒を集めて、それぞれ自分でインターネットから入力をします。三日間も日を取っているのは人数が多いためです。予め別の用紙に記入した内容をスカラネットの書式に入力していくのですが、なかなか進まない生徒もあります。入力を忘れている箇所があったり、家族の人数が合わなかったり、またあまり長く繋いだままにしておくと自動的に接続が切れて、また最初から入力することになってしまいます。何とか苦労して、先ほど今日の分は終わりました。また明日の放課後も入力に来る生徒が50人近くいます。担当の先生も大変ですが、とにかく期限までに入力しなくてはいけません。
 このごろ奨学金の申請者がどんどん増えています。不景気ということもあるのですが、大学の入学金や授業料が高いということも大きな要因でしょう。私が大学生のときの授業料は年間12,000円でしたから月1,000円の計算です。今から考えるとうそみたいな金額です。それが徐々に値上げされ、現在は国公立大学でも年額約60万円が必要です。私学は学校によって異なりますが、安くても年間100万円は必要でしょう。また、奨学金に対する意識も変化してきています。お金がないから奨学金を受給するのではなく、親に大学へ行かせてもらわずに自分の力で大学へいくという意識になって、たくさんの人が奨学金を申請するのはいいことだと思います。しかし、日本には返還しなくてもいい奨学金はほとんどありません。学生支援機構も無利子の第1種奨学金にはなかなか採用されません。そこで多くの生徒が有利子の第2種奨学金を利用することになります。大学の数が増え、大学への進学率も上昇している今日、返還のいらない奨学金制度がぜひとも必要になってきています。高校の授業料無償化はこの4月から始まりましたが、大学の奨学金制度の整備も必要です。大学進学というのは検定料(受験代)も含めてかなりお金がかかるので、そのための準備がかなり早くから必要です。


494  総合学科をもっとアピール  2010年06月16日(水)
 今年の4月に府立高校の校長を退職されて、今年から大学に勤務しておられる先生とお話しする機会がありました。その先生のお話によると、大学の先生は「総合学科」という学科の中身をあまり詳しくご存じないことが多いようです。総合学科というのは文部科学省の施策によって生まれた学科で、生徒は自分の興味関心に応じた科目を比較的自由に選択することができる学科です。しかし、「総合」というネーミングがわかりにくく、「工業高校」「商業高校」「農業高校」「水産高校」というような、名前から生徒が何を学んでいるのかがわかる学校に比べてやや不利といえます。中学校の先生方だけでなく、大学の先生方にも総合学科をアピールしなければならないようです。大学がほしい人材、コミュニケーション能力が高い、プレゼンテーション能力が高い、自分の大学で学びたいことが明確であるというような人材は、むしろ総合学科から生まれてくるのではないかと思います。
 総合学科も設置されて15年が過ぎ、認知度も少しずつ上がってはきていますが、まだ将来の目的がない人は受験できない学科である、普通科に比べて大学入試には適していない学科であるというような誤解が残っています。
 芦間高校に限っていうならば、将来の目的がはっきり決まっていない人であっても、芦間総合学科へ入学することは何の不利もありません。1年生の間に「産業社会と人間」という科目できっちりキャリア教育に取り組むので、将来の自分像を考える時間的余裕があるため専門学科へ入学するよりいいのかもしれません。普通科に比べて入試には不利だという誤解も、選択の方法によって十分センターテストを受験できますし、現実に3年生の約40%の生徒はセンターテストに出願しています。プレゼンテーションや論文指導、面接指導なども細かくするので、AO入試などには有利に働く場合もあります。芦間の今年3月の卒業生のデータでも、4年制大学の合格者数が210、短期大学31、看護専門学校19となっており、十分入試に対応しています。
 今年もまず中学校訪問をして、芦間総合学科をアピールしようと思っています。


493  懇談週間です  2010年06月15日(火)
 今日は午前中、今年の大学入試の分析についての話を聞いてきました。大学の偏差値の一覧表の90年代の初めのものと今年のものを比較すると、偏差値50のラインはずっと上に上がりました。どういうことかというと、90年代初めには偏差値50以下の大学はかなり少なく、四年制大学に合格するのは難しかったのですが、現在は偏差値50以下の大学の数がかなり増えているということです。それだけ大学の数が増えた反面、受験者数が減少している、大学に合格しやすくなっているということです。しかし一方で、有名大学は難易度を上げています。やはり大学は簡単には合格できないということです。
 私立大学は受験生そのものが減少しているので、生き残り策を考えています。推薦やAO入試での合格者はすでに一般入試での合格者を上回っています。しかし、AOで入学する学生が期待はずれの場合も多く、AOの方法を見直したり,AOを廃止する大学もみられます。本校にもAOで大学に合格する生徒がいます。いわゆる筆答による入試はなくても、論文を書いたり面接を受けたり、それほど簡単ではないのですが、AOのほうが向いている生徒も多いようです。また、最近は新しい学部の新設や改組も頻繁に行われています。関大の社会安全、人間健康、外国語、近大の総合社会、立命館のスポーツ健康、京産大の総合生命科学、関学の国際などは最初からかなりたくさんの受験者があったようです。今の受験生は大学の数や学部の数が増えて、選択肢が広くなっていますが、大学で何がしたいのかをきっちり考えないといけない時代になっています。
昨日から本校では午後に懇談会を設定しています。保護者の方も交えて三者懇談を行っています。3年生はどの大学を受けるのかをもう決めなければなりません。2年生は大学で何をするのかを考えるときです。1年生は来年度からの科目選択も含めて、自分の将来を考えはじめなければなりません。


492  教育実習生の授業見学をしています  2010年06月14日(月)
 教育実習生の授業見学を先週と今日とで5時間しました。情報、保健、生物、英語の実習授業を見ましたが、どの実習生も非常にまじめに取り組んでいます。もちろん、まだ授業がうまくできているとはいえませんが、何とか決められた時間内で授業内容をわかりやすくまとめようと努力している様子が見られます。それぞれ見学のあとは、簡単にコメントをしますが、どの実習生もしっかり私の話に耳を傾けてくれています。
 授業の上手下手は慣れることである程度解決できますが、授業に対する姿勢、生徒に向かう姿勢は慣れではなく、本人の意識です。また、授業の内容は事前の教材研究の質と量で決まります。授業に対する姿勢と、生徒に向かう姿勢はどの実習生も評価できますが、授業内容についてはもう少し準備をしてほしかった授業もありました。初めての単元を50分授業するには、準備はその倍ほどの時間が必要です。二回目からはそれほど時間は必要ではないですが、最初の授業の反省によってノートやメモを改良することも必要です。
 高校の先生方が忙しくなって、だんだん教材研究に充てる時間が減ってきているのが心配です。どうも「教師は楽をしている」という思い込みがあるようなのですが、これだけ生徒が変化してきている現在、決して楽な仕事ではないのですが、あまり世の中にはわかってもらえていないようです。


491  大阪の教科書  2010年06月11日(金)
 「大阪の教科書」という本が昨年創元社から発行されました。今年は第二版が出ています。大阪検定の公式テキストになっているのですが、大阪の歴史や文化がよくわかっておもしろい本です。国語、社会、体育、芸術・娯楽、生活、遠足、資料という章立てになっていて、国語では大阪ことば、大阪を扱った古典、近代以降の文学が扱われています。もちろん、ごく一部の紹介だけですが、興味があれば読んでみる読書ガイドとして役立ちます。藤沢桓夫「女の旅路」、織田作之助「夫婦善哉」、宇野浩二「枯木のある風景」、宮本輝「道頓堀川」、他にも山崎豊子、田辺聖子、町田康、柴崎友香などが紹介されています。
文体が変わっているので好き嫌いがあると思いますが、町田康はなかなかおもしろい作家です。特に「告白」は明治の初めに金剛山のふもと赤坂村で起き、河内音頭にもなっている河内十人斬りを扱った小説で、殺人犯の一人城戸熊太郎の行動と心象風景を中心に全編ほとんど河内弁で書き下ろしたものです。「殺人」という重いテーマですが、文体が変わっていて、しかも会話はすべて河内弁なので、あまり重く感じないで読むことができます。おそらく南河内の河内弁の考証も綿密にできているのではないかと思います。城戸熊太郎のように頭はちゃんと考えているのだけれどことばがそれに伴わない、コミュニケーションができない人は現代にもたくさんいる、時代は明治の初めだけれど現代の状況に置き換えても読める小説です。かなり分厚い本なので、少し時間はかかりますがぜひご一読を。


490  企業訪問をしています  2010年06月09日(水)
 本校の就職希望者はあまり多くなく、毎年十数名です。就職先を探すために、進路指導部を中心に企業訪問をしています。進路指導部の先生と校長、教頭等で手分けしてこれまで本校の生徒を採用していただいた企業を中心に訪問しています。私も3社訪問させていただきました。どの企業も筆答テスト、面接というのが採用試験の科目で、これ以外に適正検査などを課される場合もあります。
 企業の場合はやはり面接が重要だろうと思います。社会に出るということは人と人とのコミュニケーションの場が拡大し、同年代の人以外ともコミュニケーションをとっていくこが必要になります。サービス業の場合は不特定多数のお客さんとのコミュニケーションも必要になります。その時にどれだけ他人の話をきっちり聞くことができるかという能力、どれだけわかりやすく自分のことを話せるかというプレゼンテーション能力が問われます。質問を考えて、それに対する答えを暗記してその通りしか喋れないようでは面接はとてもクリアできません。しっかり質問を聞いて、その質問を頭の中で整理して、すぐにわかりやすく答えるという力が重要です。就職を考えている人はそういう力を磨く練習をぜひともしておいてほしいと思います。私も毎年面接練習をしますが、予想していないような質問を必ず一つ挿入します。その時にその質問にどう答えるかということで、その人の話を聞く力、話す内容を頭の中でまとめる力がわかるように思います。もちろん筆答試験の勉強も必要です。就職するためには勉強はいらんと思っている人があるようですが、今企業が求めているのは、しっかりとした基礎学力があり、きっちりコミュニケーションができる人です。授業もおろそかにしないようにしてください。


489  天満天神繁盛亭に行きました  2010年06月07日(月)
 昨日はPTA文化行事で、PTAの方々と一緒に、天満天神繁盛亭で上方落語を聞いてきました。10時半にナビオに集合して、まず昼食です。天満天神繁盛亭の昼席が始まるのは13時ですので、12時半には会場にいないと席がとれないということで、11時から昼食ができ、しかも40人以上のバイキング形式という条件の下、かなり苦労して探していただいたようです。ヘルシーな和食の昼食でなかなかおいしい昼食でした。
 昼食後谷町線で移動して、繁盛亭には12時40分ごろに到着しました。しかし、全員がかたまって座ることはできずに、2階席も含めてばらばらに座ることになりました。私はむかしはしょっちゅう落語を聞きにいって、もうなくなった角座やABCホール、サンケイホールで米朝、春団治をはじめ、もう亡くなって今では生で聞けなくなった6代目松鶴、5代目文枝、先代の春蝶らの落語を聞きいてきました。先代の森乃福郎(笑福亭福郎)の落語も聞いたことがあります。昨日の昼席の最初は森乃石松、まだ若い人でよく知らなかったのですが、私が聞いた森乃福郎の孫弟子にあたるのだそうです。笑福亭喬若、桂団朝、マジックが入って、桂楽珍、桂枝女太で仲入り、あとは百面相露の団四郎、笑福亭三喬、桂坊枝、露の都というプログラムでした。久しぶりの落語で楽しい時間でした。私は先代の春蝶の「悋気の独楽」に出てくるような女性が好きなのですが、残念ながら昨日の演者の中にはそういう女性は出てきませんでした。有明夏夫の「大浪花諸人往来」の海坊主の源蔵親方をむかし桂枝雀師匠が演じたことがありますが、桂楽珍で再演ができるなと思いながら、豪快な落語で笑っていました。繁盛亭ができて上方落語の噺家も増えているのだそうです。また行こうとおもいます。写真は繁盛亭の前で参加者全員で撮ったのですが、一番左端に桂坊枝さんが入ってくれはりました。



488  今日は体育祭  2010年06月04日(金)
 体育祭が無事終わりました。暑い日でしたが、天気がよく、風もあって乾燥していたので砂ぼこりはかなり多かったですが、熱中症などもなく無事に終わりました。体育祭実行委員やクラブ員がよく働いてくれたおかげでスムーズに運営でき、各団の団長も最後に並んであいさつして爽やかに終了しました。総合優勝は紫団(3組)、2位は黄団(1組)、応援パフォーマンスの優勝は緑団(4組)でした。どの生徒も大きなイベントが一つ終わって、達成感で満足しているような顔でした。保護者の方もたくさん見に来ていただいて、保護者テントも来賓テントも満杯でした。
 芦間高校の行事は基本的には「生徒がつくる」ことを原則にしています。もちろん教員がアドバイスしますが企画、運営は生徒です。この体育祭も体育祭実行委員長を中心によくまとまって動いてくれました。次は秋の文化祭に向けて、文化祭実行委員の本格的な動きが始まります。楽しくするところは思い切り楽しむ、がんばって競技するところは真剣にするというメリハリの利いた大変よい体育祭だったとおもいます。文化祭もこの調子で思い出に残るものにしてほしいものです。
写真は左上黒団、右上黄団、左下赤団、右下青団、中央左紫団、中央右優勝した緑団の応援です。小さくて見にくくてすみません。


487  明日は体育祭  2010年06月03日(木)
 明日は体育祭です。気温は平年並みになってきましたが、いつもの年より乾燥しているので過しやすい気候です。乾燥してやや風が強いほうが熱中症も起こりにくいので、この爽やかさが明日も続いてくれることを期待しています。
 今日は昼から授業をカットして、予行演習と準備です。生徒は朝から校内のあちこちに団ごとに集まって応援パフォーマンスの練習をしています。明日の本番でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、あっと驚くようなものがあってほしいと期待しています。応援パフォーマンスは昨年も一昨年も見ましたが、どれも振り付けがよく似ています。もちろんそれぞれに工夫を凝らしているのはわかるのですが、決まった器の中で工夫している気がするのです。例えばサラダボウルがあってあるチームはその中にレタスと、コーンとポテトを入れて醤油風味のドレッシングをかける、あるチームはレタスと、アスパラガスとコーンとオイルサーディンを入れて、ゴマ風味のドレッシングを使うというぐらいの違いしかない気がします。あっと驚くサラダを出してくれるチームがないものか期待しているのですが、どうでしょう?
 最近テレビを見ていても、すべての情報が東京発信になっているのが気になります。お笑い芸人には大阪の人間は多いのに、テレビを見ているとすべて画一化された東京のフィルターがかかって飽きてしまいます。キングコングなんかがその一番の例でしょう。大阪でマイナーな時代はとてもおもしろかったのに、東京へ行ってメジャーになるにつれてどんどんおもしろくなくなってきた。大阪の人というのは誰も考えなかったことを始めることが特徴なのですが、日本の人すべてが東京発信の同じものを見て安心している気がして何か心配なのです。
 生徒の応援パフォーマンスで、何かいつもと違うものが見つけられないかなと、期待しているのですが・・・・・・。芦間の生徒ならできると思うのですが。


486  障がい者の就労について  2010年06月02日(水)
 今年は梅雨前線が北上せず、前線より北の高気圧に覆われて爽やかな6月です。昨年と違ってインフルエンザの流行もなく、今週末の体育祭もよい天気で実施できそうです。やや暑くなるようですが、熱中症のことを考えると、暑くても乾燥していてほしいものです。明日の午後からは予行と準備で、予定通り本番を迎えられそうで一安心です。
 一昨日ハローワーク門真(写真はハローワーク門真HPからお借りしました)で行われた「障がい者雇用連絡会議」に出席してきました。大阪府商工労働部、門真職安、労働基準監督署、守口、四條畷保健所、北河内各市の障がい者就労担当部署といった公的機関の担当者、北河内西、北河内東障がい者就業・生活支援センター、精神障がい者就労支援ネットワーク(JSN)といった障がい者支援の団体、そして守口、交野支援学校と芦間高校の担当者が集まりました。
大阪府からは今年の4月1日から施行されたハートフル条例について説明がありました。
大阪府は障がい者雇用の率が低く全国でも最低クラスなのですが、その率を高めるために障がい者の職業訓練の充実や、雇用企業の支援のための優遇税制、逆に雇用しない企業に対する罰則などを定めた条例です。またハローワーク門真からは障がい者雇用の現状報告がありました。大阪府は障がい者雇用そのものが少ない上に、知的障がい者の雇用が身体障がい者の雇用よりかなり少ないことも問題です。本校に今年から入学した共生推進教室の生徒たちが卒業するまでに、就労訓練や企業実習、そして就職まで対応できる体制をつくることが必要ですが、そこに至るまでのハードルはかなり高そうです。様々な機会を捉えて、公的機関、障がい者支援団体、企業などに芦間高校の名前をアピールして、芦間には「障がいはあるけれど、しっかりと就労できる生徒がいる」ことをアピールしていこうと思います。人と人のつながりの中から、生徒の就労につながるルートが見えてくるかもしれません。


485  今日から6月  2010年06月01日(火)
 今日から6月です。今年は涼しいというより寒い6月ですが、上着やネクタイの必要がなくなって開放された感じです。桜が咲いてから雪が降ったところがあったり、5月下旬に霜が降りたところがあったり、今年の天候は少し異常です。6月は中旬からエアコンを稼動することができますが、それまでに試運転を一度する必要があります。いつもの年なら少し暑い日に試運転をするのですが、今年は気温が低いので試運転すると寒くて風邪をひいてしまいそうです。多くの学校では6月は衣替えの季節ですが、本校は制服にバリエーションが多いので、特に衣替えの日を定めていません。少しずつ夏服で登校する生徒が増えてきていますが、半袖の夏服のときだけ、男子のネクタイや女子のリボンが必要でなくなるので、朝正門で「ネクタイつけや」「リボン忘れてるで」と注意をすることが減る季節でもあります。これからどんどん暑くなっていくのでしょうが、暑くなって、半袖の制服を着ているのにベストを着用している女子を何人か見かけます。「こんなに暑いのに、何でベスト?」と思ってしまうことが毎年あります。
 今日は短縮授業で、放課後に体育祭の合同練習がありました。どの団も応援パフォーマンスのダンスの振り付けをみんなで合わすのに余念がありません。朝、8時前から毎日している練習を今日で一気に仕上げたいということなのでしょう。たぶん私は今年も応援の審査をすることになると思うので、今日の練習は見ないようにしました。体育祭本番でどんなパフォーマンスが見られるか楽しみです。
 この写真を見ても、まだ長袖、紺、白のセーターや紺のベストを着ている生徒がたくさんいます。この服でダンスの練習をしたら暑いのではないかと思うのですが、どうなんでしょうか?






大阪府立
芦間高等学校
歴代校長だより