416 芸文祭で芦間の作品を見てきました 2010年01月30日(土)
今日と明日、大阪城ホールの中の城見ホールで、第30回芸文祭が開催されています。高校生の絵画、彫刻、工芸などの作品が多数展示されています。そのうち絵画の作品は150点余り、芦間高校の生徒の絵画の作品も7点展示されています。その中の1点は優秀賞に選ばれました。優秀賞は絵画部門で10点しかありませんからすごいですね。港南造形、帝塚山学院、金光八尾の3校の絵画作品がたくさん選ばれて展示されていますが、次に多いのが芦間の7点です。今日は10時半からPTAの1年生の保護者集会があり、その帰りに城見ホールでの展示を見学してきました。さすがに選ばれた作品なので、どの学校の作品もよくできた優れた作品でしたが、何か「あっ!」と思う作品がなかったように思いました。うまいとか下手ではなく、ある作品に目が釘付けになるというのが数点あるのですが、今日はそれを感じませんでした。この感覚は私の感覚ですが、この感覚が正しいのかどうかはわかりません。明日も午前9時から午後3時まで開催されていますので、ぜひ芦間の作品を見に行ってください。
今日は天気がよく暖かかったので、大阪城公園を歩くのも気持ちがよく、帰りはそのまま大阪城公園駅から乗らずに、大坂橋、川崎橋を渡って天満橋方面まで歩いて帰ってきました。川崎橋から見る大川はもう春が近い感じがしました。
415 今日は「達人に聞く」 2010年01月28日(木)
1年生の木曜5限は「産業社会と人間」の時間で、これは総合学科の高校では必修科目です。本校は2時間連続にはしていませんが、自分の進路を考える重要な科目です。もちろん、来年からの授業選択を間違いなくするための講座や、自分の将来の職業を考えるキャリア講座も行っています。今日は外部から9名の先生方に来ていただいて、「達人に聞く」と題してお話をしていただきました。玄米カフェを経営者、大阪に限定したツアープランナー、フェミニスト・カウンセラー、製菓会社のスタッフ、漫画家、看護師、ケアマネージャー、美容師、住宅のリフォーム会社経営の9名の方々です。それぞれの職業の現場で、むずかしいこと、楽しいこと、やりがい、職業への誇りなどについて、50分間お話していただきました。私も廊下から少し授業を見学しましたが、生徒はとても熱心に聴いていたようです。自分の将来を考えるために大変参考になったのではないかと思います。最近、キャリア学習は様々なかたちで行われていますが、最終的には「自分で、自分の未来図を具体的に描くことができるか?」ということだろうと思います。もっと小さいときには「大きくなったらプロ野球選手になりたい。花屋さんになりたい。ケーキ屋さんになりたい。」というような夢をもっていた人もいると思いますが、高校生になって、もっと具体的に自分の未来図を考え始める時期になってきました。高校を卒業したら進学するのか、就職するのか、進学するなら何のために進学するのか、就職するならどういう職場で働くのか、これから具体的な未来図を考えていかなければいけません。その助けをするのがキャリア学習だと思っています。今日のお話を聴いて、それぞれの先生方の職業に対する姿勢や生き方を学んでほしいものです。
414 高校書道展に行きました 2010年01月27日(水)
昨日は少し早い目に学校を出て、天王寺の市立美術館で行われている、高校書道展を見学してきました。本校からも出展しており、書道部の作品、書道の授業中の作品などが多数展示されていました。それぞれの学校の書道の先生の指導によって作品がかなり違います。大きな作品を展示している学校、非常に繊細な作品が多い学校など、学校の個性が非常によく出ている展覧会です。その中で芦間の作品はその中間かな?まとまった作品が多いように感じました。他の学校にはあまりないものとして、篆刻の展示がたくさんあって、なかなかよくできている作品もありました。落款の印を自分で作るのはおもしろい作業だと思います。自分で作る落款を書道の作品だけでなく、自分の本などにも押したら楽しいだろうなと思います。作品を見ていると自分もこれだけの字が書ければいいのにと思うような、美しい字もあります。でも高校生の字を見ていると、うまい字より、元気があって力強い作品がすばらしいと思いました。近頃書道が少しブームになっていて、テレビでも書道の高校選手権やドラマも放送されています。字を書いていると、集中できて楽しいだろうと思います。この高校書道展は1月31日の日曜日まで、天王寺公園内の市立美術館地下の展示室で開催されています。ぜひ見学に行ってください。ついでに、慶沢園や茶臼山、河底池なども見学してみてください。なお、美術部も1月30日(土)、31日(日)の2日間、大阪城ホールの中の城見ホールで行われるコンクール展に7作品を出展しています。こちらにもぜひ、足を運んでください。お天気がよければ、今週の土日は芦間の生徒の作品を見ながら、天王寺公園と大阪城公園を散策するというのも楽しいでしょうね。私は土曜日の1年生保護者集会の帰りに、大阪城ホールに行こうと思っています。
413 大阪を歩きました 2010年01月25日(月)
土曜日に、PTAのOBの方々や有志の方々と大阪の町を歩いてきました。住友浜、空堀、真田山、玉造、大阪城方面を歩きました。前回の天王寺−上本町コースに比べるとアップダウンが少ないので少し楽ですが、それでも距離にして約5~6kmあります。大阪は空襲で町のほとんどが焼けてしまいましたが、幸い空堀のあたりは空襲を免れた民家も多く、戦前の大阪の風情がまだ残っています。キタのように生活感の薄い繁華街や、道頓堀のような「コテコテの大阪らしく造られた」繁華街よりもずっと大阪らしい雰囲気を持っているところが空堀かもしれません。冠木門のある長屋や小さい神社なども残っており、その町屋を改造した複合ショップの「連」「惣」を見学しました。残念ながらショップはまだ開店前で、買い物はできませんでした。もう一つの複合ショップ「萌」には直木三十五資料館もあります(御祓筋を北へ上がったところに直木三十五の文学碑があります)。
玉造方面にも見学地点はいくつかあるのですが、私は真田山にある「真田の抜け穴」というのが大好きです。真田幸村はアンチ徳川のシンボルとして様々なところに登場しますが、その一つとして大阪城の本丸から続く抜け穴を掘ったという、いかにも嘘くさい伝説が現物として残っているのです。それらしく真田の六文銭の紋が入り口の扉にあります。史実は別にしてこういう嘘くささというのが大阪らしくておもしろいと思います。城の南約2kmですから、当時の技術力として抜け穴を掘ることは可能かもしれませんが、多分この穴は城まで続いていないと思います。
最後は歴史博物館、大阪城まで見学しましたが、他にも釣鐘屋敷、太閤下水見学施設など見残したところもあります。大阪城港から淀屋橋まで船に乗るコースも考えられたのですがまた別の機会にしたいと思います。
来年も「大阪を歩く」シリーズは続けたいと思います。生徒にも声をかけたいと思っていますので、興味のある人はぜひ芦間高校を受検してください。
412 洋楽入門の発表会がありました 2010年01月22日(金)
洋楽入門の発表会が放課後にありました。場所は音楽室なのであまり広くないのですが、たくさんお客さんも入って、演奏している人はかなり緊張しているようでしたが、楽しそうでした。私はあまり時間がなかったので3曲ぐらいしか聴くことができませんでしたが、プログラムを見るとミスチルが多いようです。Signとか箒星とか。洋楽といってもJ−popが中心で9曲中8曲はJ−popです。このごろの高校生はみんな歌がうまいので感心してしまいます。私は近頃ほとんどカラオケに行かなくなりましたが、前にカラオケでミスチルを歌ったことがあります。上と下の音域が広すぎて、声が出ません。上の音は高すぎてもうほとんどヨーデル状態でした。おじさんは無理をしないで、歌いやすい演歌を歌っていればいいのかもしれません。ところで、私はもう「大阪の歌」を集めだして20年近くになります。レコード、CD、カセットテープ、エアチェック(懐かしいことばです)などを含めると多分音源だけで600曲以上あると思います。大阪の歌を聴いていると、大阪という町に似合うのはブルース系の曲だと思います。例えば上田正樹、憂歌団など。東京のような洗練されたイメージがなくて、松任谷由美の「中央フリーウエイ」のような曲は大阪には似合いません。ブルースとはいえませんが、亡くなったフランク永井の大阪の歌「大阪そだち」「大阪ロマン」「大阪野郎」「水のように」「こいさんのラブコール」も大阪らしくていいものです。大阪の歌を集めだしたのは、20年以上前に中古レコード屋で坂本スミ子の「たそがれの御堂筋」を見つけたことがきっかけです。カラオケでもあまり歌われることもなくなった歌ですが、私は大阪の歌の中で最も好きな歌のひとつです。時間ができたら大阪の歌の歌詞に出てくる大阪の地名をカウントしていって、どこが最も多いか調べてみようと思っています。たぶん「御堂筋」だと思うのですが、どうでしょう。ほとんど知られていませんが「上六」や「西田辺」が出てくる歌もあるんですよ。
411 3年生を送る会がありました 2010年01月21日(木)
今日は午後から生徒会主催の3年生を送る会がありました。1、2年の各クラスが一言ずつしゃべった後、「ありがとうございました」の大合唱でした。3年生に贈る歌はKiroroの「未来へ」です。「ほら 足元を見てごらん これがあなたの歩む道。ほら 前を見てごらん あれがあなたの未来。」 私はこの歌が大好きです。このわずか2行で、自分の歩く道を示しています。しっかり足元を見ないと、自分の歩く道は見えません。前を見れば確かに未来が見えます。未来なんか見えないという人は多分、前を見ているようで実は見ていないのだろうと思います。自分の未来が見えないから不安で占いや霊能などに頼る人もありますが、占いで見えた未来は本当の自分の未来なのかどうか誰にもわかりません。自分を信じて前を見るしかないのだと思います。というようなことをわずか2行で言い尽くしている気がするのです。もう10年以上前の曲ですが、CDが発売される2ヶ月ほど前にFMのオンエアを聴いて、いい歌詞だなと思いました。CDが発売されてすぐに買いに行きました。3年生のお返しの歌はゆずの「またあえる日まで」でした。この曲の歌詞のいいところは「少し夢を大きくして 君は一人じゃないから」の部分です。一人ではないのです。見える見えないにかかわらず、誰かが助けてくれているのだということを忘れないでください。3年生の思い出のアルバムのスライドショーを上映した後、みんなで花道をつくって3年生を送り出しました。3年生は来週の水曜から学年末考査が始まります。それが終わると、卒業式まで学校に来る日が少しあるだけです。この時期になると、いつも時間は早いなと感じます。3年という期間はあっという間なのです。でも、そのあっという間に生徒はものすごく成長しているのです。
410 茶道部の初釜 2010年01月20日(水)
先週の木曜日に茶道部の初釜がありました。私も作法室でお点前をいただきました。お茶というのは普通にリラックスして頂いたらいいのだろうと思いますが、私は普段からあまり茶道に親しんでいないので、お茶席になると何となく緊張してしまいます。以前に生国魂神社であった、高校生の茶道のつどいに出席したときもやっぱり緊張してしまいました。ただ、お茶碗や掛け軸などの道具を鑑賞するのは結構好きなので、「このお茶碗は何焼きだろう」とか考えながらお茶を頂いています。10年近く前、社会科研究会で見学会の担当をしていたときには、兵庫県の今田町(丹波焼)や岡山県の備前市(備前焼)、三重県の伊賀上野(伊賀焼)などの焼き物産地の見学もしたことがあります。焼き物というのは地場産業としてかなり重要な産業で、例えば瀬戸や多治見、常滑など窯業がかなりのシェアを占めている自治体もあります。例えば愛知県の常滑は土管で有名な町ですが、トイレの便器などで有名なINAXの本社があり、伊賀上野にはINAXのタイル工場があります。常滑市は窯業・土石工業で35%(出荷額ベース)のシェアがあります。焼き物が町の産業のベースになっているのです。
私はあまり骨董品を買うことに興味はなく、美術館で陶磁器や掛け軸などを見ることが好きなので、安上がりの趣味といえます。大阪にも陶磁器に関しては東洋陶磁美術館とか藤田美術館のような優れた陶磁器類を展示している美術館もあるので、ぜひ見学してほしいと思います。
409 昨日は学校説明会を開催しました 2010年01月18日(月)
昨日は今年度最後の学校説明会を開催しました。一般入試が54組77名、共生推進入試が13組22名とたくさんの方にお越しいただきました。一般入試はこの時期になると、ほぼ受検校が芦間に決まっていて、もう一度学校の中身や雰囲気の確認のために参加される方、受検校はまだ決まっていないけれど本校を候補として考えていて、2〜3校で迷っている方に分かれます。どちらの方にとっても1時間20分にわたる説明で、本校の内容をよくわかっていただけたのではないかと思います。特に、教員がしゃべるのではなく、最後の20分は3年生の生徒が3人、学校生活について話をしてくれました。授業やチューター、講習のこと、自分の進路のこと、部活動のこと、委員会活動のこと、生徒会のこと、体育祭や文化祭のことなど、生徒が話してくれるほうが学校の中身がよくわかります。3人ともとても熱心に話してくれました。共生推進教室の説明会にもたくさん集まっていただきました。まだ誰も入学した生徒がいないので、こちらも不安な部分がありますが、入試のこと、入学してからの授業や学校生活などについて、こちらが考えていることを話しました。たまがわ高等支援本校のような職業訓練はできませんが、障がいのある生徒もない生徒も一緒に学ぶという点で、たまがわとは少し違ったカリキュラムが組めるのではないかと考えています。
入学した生徒がみんな楽しく、有意義な高校生活を送ることができるというのが目標です。
12月と1月の説明会は、秋のオープンスクールに来ることができなかった方々のために昨年度から始めたのですが、かなり盛況です。特に今年は公立志向が強いので、たくさん来ていたがいたのかもしれません。見て、感じて、学校が楽しそうだと思った方はぜひ受検して下さい。よろしくお願いします。
なお、説明会としては昨日が最後ですが、個別に見学したいという方があれば電話してください。個別の見学はまだ受け付けています。
408 明日からセンターテスト 2010年01月15日(金)
一昨日紹介した「ぼくはこう生きている 君はどうか」(潮出版社 2010)という鶴見俊輔、重松清の対談本におもしろい話が出ています。「柳田国男(民俗学者)と中野重治(小説家・詩人)の対談の中で、柳田国男が『(江戸時代の)幕藩体制の時代は社会が狭いから、村の中のことがよくわかる。だから頼りになる人間と頼りにならない人間がわかる。意見がくるくる変わるやつと、貫き通すやつがわかる。ところが明治維新後は社会が広がって、それがわからなくなる。学校の成績というのは、誰が成績がいいかはわかるけれど、誰が人間として頼りになるかわからない。それが問題だ』という発言をし、中野重治もその意見に共鳴している。」というのです。確かにそのとおりで、成績がいいということと、人として優れているということは全く別物です。高校入試でも大学入試でも、人として優れている人材を求めていることは確かなのですが、「人として優れている」ことを何を指標にして選べばよいのかがむずかしいことなのです。例えば、本校の入試の出願には自分で書く「自己申告書」というものがあります。これを読むことでその人がわかるか?と聞かれると、「少しはわかる」としか答えざるを得ません。またその自己申告書をもとにした「面接」もありますが、15分ほどの集団面接でその人を確実に把握できるかといえば、それも「一つの指標にはなるが、確実に把握するのはむずかしい」と答えざるを得ません。総合学科の入試にはもう一つ「小論文」があって、これは前二者に比べると少しは受検生の人となりを判断できる要素が高いと思います。そこでどうしても客観的に判断できる「学力検査」と「中学校での評価」が必要になります。私は三年間指導してこられた中学校の先生が記述される「調査書の評定」が受検生を選抜するのに、最も有効な指標だと思っています。大学でもAO入試で論文や面接などの様々な課題を課しますが、それでその受験生が「人として優れているか」を見極めることはむずかしいだろうと思います。
明日からセンターテストが始まります。明日は9時半から公民、地歴、国語、外国語の順にテストがあります。この期に及んでもうじたばたしてもしかたがありません。肩の力を抜いて、リラックスして受験してください。
407 学校保健研究発表大会に参加しました 2010年01月14日(木)
今日は、午後から天満橋のエル大阪で大阪府学校保健研究大会が開催されました。これまで毎年、生徒保健委員会で研究発表をしてきた内容が認められて、表彰されることになりました。小中高からそれぞれ1校ずつ表彰され、羽曳野市立埴生小学校、藤井寺市立道明寺中学校と芦間高校が府立高校の代表として研究発表を行いました。小中学校の発表もそれぞれおもしろい内容で、両校とも「食」に関する発表でした。本校は毎年環境についてテーマを決めて発表しており、一昨年が「ごみの分別」、昨年が「水」、今年は「照度」について発表をしました。発表の題は「生徒保健委員による照度調査〜Light Up! Make Up! やる気 Up!〜」。暗いと感じる教室があったり、黒板の暗い教室があったり、廊下やトイレが暗いなどの生徒の意見があり、照度について調べてみようということになったようです。教室の照度分布、教室内の照度分布以外にも教室内のコントラストや黒板のコントラストなどについても調べ、教室の明るさと黒板の明るさなどで、どの教室がベストなのかを調べた発表でした。学校薬剤師の先生にもアドバイスをいただきながら、2学期に照度測定をし、パワーポイントを使ってなかなかうまくまとめていました。発表の最後は芦間恒例の「歌と踊り」、羞恥心とpaboの合体ユニットの「陽は、また昇る」にのって、楽しく元気に発表を締めくくりました。
研究発表の後は表彰式、大阪府学校保健会から記念の楯をいただきました。表彰式に出たのは今年の保健委員ですが、すでに卒業した保健委員の発表の功績も認められての表彰ですから、これまでの先輩の業績にも感謝したいと思います。また来年からも、芦間らしくよくわかる、楽しい、元気な発表を続けられればいいなと思います。
406 マーク問題補足 2010年01月13日(水)
昨日のマークシート問題についての補足。今朝たまたま電車の中で「ぼくはこう生きている、君はどうか」という鶴見俊輔・重松清の対談(潮出版社2010)を読んでいると、重松清氏が「マークシートというのは途中点がない。合っているか間違っているかだけで。論述式だったら、満点はあげられないけれども何点かはあげられる、という加点がある。」という評価をしています。それに対して鶴見俊輔氏も「途中点を与えるということは、最後の答えは合っていなくていい、問題に直面したときの構想力を評価するということでしょう。」と答えています。確かに、このようなマークシート問題に対する批判は正当な批判だと思います。昨日も書いたように、マークシート問題の最大の欠点は「必ず選択肢の中に正解があること」だろうと思います。だから「正解を導く技術」に優れた生徒がセンターテストでよい成績を残すことになるのですが、私は「それが大学へ入るための技術」ならばそれでいいのだろうと割り切っています。むしろ、大学へ入ってから何を学ぶのかが重要なのでしょう。私は高校生の間に「学びの構え」を身につけさせることが高校の責任だと思っています。どんなスポーツにもそれぞれ基本の構えがあるように、学ぶことにも基本の構えがあります。その構えを高校で身につけることができたら、大学で「何かを学び取る」ことができるのではないかと思います。ただの受験技術だけを学んでセンターテストでよい成績を残して大学へ入学する生徒より、芦間の生徒は高校生活の中で「学びの構え」を身につけてくれているだろうと自負しています。
「こんな面白いことを考えている学生がいるんだ」と大学の先生が驚くような学生が、芦間の卒業生から出てくれるのではないかと期待しています。
(グラフの説明:横軸は左から国語、世界史、日本史、地理、現社、倫理、政経、数T・数A、数U・数B、生物、化学、物理、英語(筆答)、英語(リスニング)の順に並んでいます。縦軸は40点から5点刻みの目盛りです。過去4年間の主な科目の平均点の推移を示しました。英語のリスニングがどんどん難しくなっています。英語筆答は昨年の平均点がやや低かったので、今年はやや易しくなるかもしれません。国語は易しい年と難しい年が交互です。)
405 センターテストが近づきました 2010年01月12日(火)
三連休が終わって、3学期が軌道に乗り始めました。3年生は今週末いよいよ大学入試センターテストです。本校からも76名が受験します。総合学科はいわゆる国公立型の5教科7科目受験だけでなく、2、3年での選択科目をうまく組み合わせることで、私学型の受験教科を絞った方法でも対応しやすくなっています。最近は私学もセンターテスト利用の入試をする大学が増加しています。できるだけたくさんの人がセンターテストを受験し、大学を目指す形をとっていきたいと思っています。センターテストはそれぞれの教科・科目でかなりの時間をかけて、高校の教科書をベースにして作られているので、大学独自の難しい問題や変わった問題がなく、よく練られた良問が多いように思います。マークシート方式では本当の学力はわからないという批判もありますが、マークシート問題も作り方によってはかなりよい問題ができると私は思っています。私もまだ授業をしていた7年前までは、必ずセンター前に地理Bのマークシート型のセンター対策問題をオリジナルで作成していました。今もその問題の一部が家のパソコンのファイルに残っていますが、我ながらうまくできたと自画自賛できる問題も数題あります。覚えていることを単純にマークさせるのではなく、論理的に考えないと解答を得られないマーク問題が理想です。単純な穴埋め型記述問題や正誤問題よりは、よく練られたマーク問題の方が力をはかるにはずっといいと思いますが、マークシート問題の最大の欠点は、選択肢の中に必ず正解があるということなのだろうと思います。
受験生の学力は論述問題によってのみ正確にはかられるという人もいるのですが、論述問題というのはどれだけきっちりした基準をつくっても、必ず採点者の主観が入ってしまいます。また、文章の上手下手も影響します。設問に対して論理的にしっかり考えて書かれているが、読みづらい文章の解答と、内容的にはあまり感心しないが、非常に上手な文章表現でまとめているという解答にどのように差をつけるのかというのも難しい問題です。当然前者の方が得点は高いはずですが、大量に採点していると、うまい文章に得点が高くなりがちになるだろうと思うし、採点基準も微妙にずれていくこともあるだろうと思います。
センターテストを受験する人はがんばってください。「がんばっているあなたに、がんばれとはいえない」と北乃きいさんのお母さんはキットカットのコマーシャルで言いますが、いつもの力を出せるように、あせらずに、あわてずに・・・・・。
404 宵戎へ 2010年01月09日(土)
今日は午後からPTAの役員会、実行委員会があるので、少し早く家を出て今宮のエベッサンに行ってきました。宵戎の午前中は比較的空いているので、まだあの狭い境内を歩くことができました。しかしお参りをして大国町の駅まで歩き出した頃にはたくさんの人が神社へ向かっておられました。ちょうど宝恵駕籠が昼ごろ神社へ到着するので、それをめざしてお参りに来られた人も多いのだろうと思います。エベッサンの参道や境内はいつもと同じように笹や吉兆を売る店や、屋台がたくさん並んでにぎやかです。大阪は新年の初詣と同じで、十日戎に行かないと年が明けた気がしないという人も多く、毎年100万人を超えるお参りの方があるそうです。十日戎の信仰は豊臣時代から盛んになったようで、江戸時代になると大阪は商業の町として発展し、商売繁盛のエベッサンの信仰は江戸時代になるとますます盛んになります。エベッサンの笹に吉兆をつける習慣もその頃からあったようで、笹は冬でも緑で生命力が強くそれが繁栄につながるのだろうと思います。大阪の祭の最後を飾る道修町の神農さんの虎も笹にぶら下がっています。
今年は景気もよくなって、商売繁盛でよい年になりますようにというお願いが飛び交っているのだろうと思います。エベッサンは烏帽子をかぶって鯛を持って笑っていますが、もともとは漁業の神様であったのが後に商売繁盛の神になったのだそうです。あのでっぷり太って満面の笑みをたたえたエベッサンさんを見ていると、今年は良い年になりそうだなという気がしてきます。
403 今日は始業式 2010年01月08日(金)
今日は朝から始業式でした。最初の話では、一つは「一年の計は元旦にあり」という使い古されたことばですが、年が明けて気持ちが改まったところで「今年はこうしたい」という計画を自分の心の中で立てることが重要なことだという話をしました。その計画が守れるかどうかということよりも、計画を立てるということで今年一年の自分の課題が見えてくるということが重要なのです。例えば「今年は遅刻をしないようにしよう」という計画を新年に立てたとします。その計画を立てた時点で「遅刻をしない」という自分自身の課題が確認できたわけです。これが重要なところです。その計画は守れずに、残念ながら遅刻をしてしまった。計画が守れなかったということであまり悩んだり落ち込んだりしないことです。しかし、「遅刻をしない」という課題は見えている、ここがポイントなのです。一度遅刻をしたからもうその計画は全くなかったものと考えて、あとはダラダラ、ズルズルと遅刻を続けないように、もう一度、新年の新しい気持ちに帰って課題を確認してみる。それが大事なことなのだと思います。伝達表彰も簿記検定合格4名、吹奏楽部、JICAの高校生エッセイコンクール佳作2点の他に、パソコン部の1年生でプログラミングの全国大会へ出場する生徒がいるので表彰しました。
午後からは、センターテストを受験する3年生を集めて、諸注意や激励をしました。センターテストまではまだあと1週間ありますが、できるだけ明日からの三連休の間に受験会場である摂南大学を下見できるように今日集めました。当日道に迷って遅刻したというようなことがないように、ぜひ下見をしておいてください。センターテストはマーク問題ですから必ず選択肢の中に正解があります。だからわからなくても空欄にしないことが重要です。また、テストが近づくと「あれもできていない、ここもわからない」と悲観的に心配する人がいます。どんなによくできる人でも不安はあります。空元気でもいいから「何とかなる」と気楽に構えるほうがきっとよい結果が得られます。あがらないで、あわてないで、平常心でテストに望んでほしいと思います。
402 明日から3学期スタート 2010年01月07日(木)
正月休みも終わって、あすからの3学期に向けて、今日は朝から分掌会議、担任会、運営委員会、職員会議、教科会議と会議が続いています。人によっては会議が5連続の場合もあります。今日の運営委員会、職員会議では来年度からの共生推進教室の担当者の時間数、授業のもち方等についても検討しました。色々な意見があって、すぐには決まりませんが、入学してくる生徒をしっかり受け入れようという方向はどの先生方も同じです。生徒会では新しく2階フロアーにできる共生推進のための教室の名称を公募するそうです。
明日から生徒が登校してきます。2学期までは朝は正門、通用門、自転車置き場の3箇所に分かれて先生方に立ってもらっていましたが、3学期からは正門に人数を増やします。生徒がたくさん登校してくる時間帯にお隣の御幸幼稚園の通園バスが本校の前でターンします。本校の正門前は三叉路で、しかもそのうち二方向は自動車通行止めになっているので、バスも狭い駐車場を使ってのターンになります。高校生はたくさん通るし、バスをバックさせねばならないし、運転手の方も大変です。事故が起きないように本校の教員も協力して、生徒の交通整理をすることになりました。
さて、1月から高校生にも新型インフルエンザワクチンの接種が始まりました。今インフルエンザに罹患している生徒はいないようですが、3年生は特に入試の前の生徒も多いので、ワクチンを接種しておくほうがよいのではないかと思います。3学期もけがや病気のないように過したいものです。
401 本を読みましょう 2010年01月06日(水)
3学期が1月8日に始まります。学校年度では3月までは21年度ですが、教育課程や入試など新年度の準備が始まっています。平成22年になって、気分も新たにスタートです。昨年を振り返ってみて、朝夕の通勤電車の中でよく本を読んだという気がします。片道1時間少々かかるのですが、朝の地下鉄谷町線は座れないことが多いので、本を読めるのは近鉄の往復と帰りの谷町線になります。毎日1時間程度は読んだ計算になります。もともと今売れているベストセラー、ハウツー本は読まないことに決めているので「1Q84」も「思考の整理学」も「巻くだけダイエット」も読んでいません。昨年はあまり読まれなくなった小説を読むことに決めて、特に大阪にゆかりのある小説家の小説をかなりたくさん読みました。織田作之助、宮本輝、田辺聖子、谷崎潤一郎、江戸川乱歩、東野圭吾は文庫本でもすぐに手に入ります。水上瀧太郎「大阪の宿」、冨士正晴「桂春団治」、有明夏夫「大浪花諸人往来のなにわの源蔵シリーズ」などは復刻版の文庫本が出ました。宇野浩二「十軒路地」、庄野潤三「プールサイド小景」、難波利三「てんのじ村」、上司小剣「鱧の皮」などは復刻版が出ないので、図書館で探しました。内容は大阪とは関係がありませんが直木三十五「南国太平記」も読みました。他にも大阪にゆかりのある謡曲「弱法師」「松虫」「蘆刈」「江口」などを原文で読んでみましたが、これはかなり難しかったというか、電車で読むにはちょっと難しかったですね。と書いていると昨年は小説をよく読んだのだなと思います。
もともと本は片っ端からジャンルを決めずに読む質で、ジャンルを決めて本を読んだ経験は初めてでした。今年はいままでのように見つけた本を手当たり次第に読んでいこうと思っています。またおもしろい本が見つかればこの欄でも紹介したいと思います。ちなみに昨年読んだ本の中で最もおもしろかったのは「大阪不案内:森まゆみ:ちくま文庫」でした。東京の人が書く大阪案内というのは、また視点が違っていておもしろいものです。
400 お雑煮のこと 2010年01月04日(月)
お正月の雑煮が地方によって違うというのは、よく知られています。大阪や京都では白味噌を使って、子芋(サトイモ)、大根、人参と丸モチが標準型です。白味噌は甘いので、あまり人気がないようです。本来はサトイモではなく、もっと大きなカシラ芋であったようです。モチというのは米からつくりますから、雑穀が主食で米がぜいたく品であった時代には、モチ入りの雑煮というのは、お正月やお祭など、ハレの日にしか食べることができない、かなり贅沢な食べ物であったのだろうと思います。関西風の味噌汁丸モチに対して、関東風は澄まし汁と角モチです。モチをついた後、棒状に成型して切って食べるので角モチになります。しかし最近は自分の家でモチをつくこともなくなり、スーパーでパックに入ったモチを買ってくるので、モチが丸いか四角いかという区別もなくなってきました。この関西風と関東風の境目は関が原にあるとよくいわれますが、これは滋賀(近江の国)までが京の都の影響が強い畿内であったためでしょう。関東と関西の境界が関が原なのではなくて、畿内とそれ以外の地域の境界の一つが関が原なのだろうと思います。例えば、三重県でも伊賀上野は関西風の雑煮ですが、亀山や伊勢は澄まし汁になるようで、おそらく鈴鹿峠や青山高原のあたりに文化圏の境界があるのだろうと思います。昔は「賃つき屋」という商売があって、各家を回ってモチをついてまわるというのがあったのですが、最近は全然見なくなりました。モチつきは珍しいので、この商売を復活させるとけっこう繁盛すると思うのですが・・・・・。
雑煮は他にもたくさんバリエーションがあって、香川のようにあんモチが入る雑煮や、鳥取のように雑煮といいながら、ぜんざいを食べる地域など、様々です。雑煮だけでなく、様々な食べ物の伝統を丹念に調べてみると、文化圏がわかっておもしろいと思います。私は大学生のときに「他人丼(牛丼の卵とじ)」を調べてみたことがありました。今は吉野家や松屋などの牛丼全国チェーンがあって、均質化してしまいましたが、むかしは京都から山陰線に乗って、降りた駅の駅前食堂で必ず他人丼を注文すると、「他人丼」は福知山まで行くと認識されなくなってきて、兵庫県にはいると全く認識されませんでした。「親子丼」は全国区ですが「他人丼」は京都や大阪だけの言い方なのだということがわかりました(ただしサンプルが少ないので非常に精度の低い調査ですが)。
お正月に雑煮を食べながら、文化圏を考えるというのもちょっとおもしろいかもしれません。
399 明けましておめでとうございます 2010年01月02日(土)
明けましておめでとうございます。今年も芦間高校をよろしくお願いします。お正月の朝から冬型の気圧配置で、かなり寒かったのですが今日になってやや緩んできたようです。大阪は元旦からおだやかなお正月です。このおだやかなままで、今年一年が過ごせたらいいのですが・・・。元旦の日の出は7時05分で、しかも生駒の山から出てくるまでしばらく時間がかかり、7時20分頃には初日の出が見られそうなので、早起きして見ようと思っていたのですが、残念ながら挫折しました。仕事がある時は当たり前に起きている時間ですが、気がついたら8時をまわっていました。お雑煮を食べて(白味噌、丸餅です)から、久宝寺寺内町の許麻神社へ初詣に行ったら、帰りに寒稽古の小中学生の集団に逢いました。何となく清々しくて気持ちのいいものです。ごろごろしながら、テレビを見てお餅を食べてというお正月が一番ゆったりします。テレビはあまりみたい番組がないのですが、2日のNHKハイビジョンで「蒼穹の昴」が始まります。清朝末の中国を舞台にした壮大な浅田次郎の小説ですが、それが日中合作のテレビドラマになるというのでちょっと期待しています。中国の紫禁城でのロケはできないので、巨大なセットを作ったそうです。
学校は年が明けるとすぐに入試の準備が始まります。特に本校は前期入試で、しかも今年から共生推進教室の入試も加わるので、準備を少し急がなくてはなりません。お正月休みが終わると忙しくなります。