331  新型インフルエンザが再流行  2009年08月31日(月)
 新型インフルエンザの再流行で府立高校でも学級休業や学年休業の学校が増え始めました。本校でも少しずつ新型インフルエンザの生徒が出ていますが、まだ学級や学年を休業する数ではありません。感染する生徒が増えないよう、予防にしっかり努めてほしいと思います。特に今週の土日は文化祭で、この2日間で一挙に感染が拡大しないように、生徒や外来者の方にもアルコール系の消毒薬を置いて、手を洗浄してもらう準備をしています。手の消毒というのが感染予防に最も効果があるようです。特に本校は体育館での取り組みに力を入れているので、体育館内での感染が心配です。ちょっと熱がある、くしゃみが多い、咳が出るというような症状の人は必ずお医者さんに行って、インフルエンザの検査をしてもらってください。インフルエンザであれば文化祭であっても休んでください。2学期は学校行事も多く、文化祭や修学旅行についても急激な増加がみられたら、その時点で中止(延期?)の判断をしなければならないと思います。生徒がどれだけ意識して感染を防ぐ努力をしてくれるかにかかっています。
 新型インフルエンザワクチンは国内では1700万人分しか生産できないそうで、あとは輸入するということらしいですが、誰から順にワクチンを投与するかを考えなければなりません。学校というところは非常に人口密度の高い場所で、急速に感染が広がりやすいので、できれば小中高校生から投与してほしいとも思います。また基礎疾患のある人は感染すると重篤化しやすいので、ワクチンの投与が必要だと思いますが、ワクチンの副作用を心配している人もあります。今のところ弱毒性のインフルエンザで、強毒型に変化したという情報はありませんので、寒くなっても弱毒性のままで収束してほしいと思います。(手洗いの絵はSARAYAさんのHPから借用しました)


330  高校へ進学する目的を考えよう  2009年08月28日(金)
 高校へ進学する目的を考えたことがあるでしょうか。「みんなが進学するから」という理由で特に大きな目的を持たずに進学する人も多いと思います。「社会へ出てから不利になるのでせめて高校ぐらいは卒業したい」という理由の人もいます。確かに、ほとんどの人が高校へ進学する時代ですから、高校の卒業というのはあたりまえの資格になっています。「大学へ進学したいから」という目的で高校へ進学する人もあります。大学への進学率がほぼ50%になり、約半数の人が大学や短大へ進学する時代ですからこれも当然の理由と言えます。
 「みんなが進学する」からとか、「せめて高校ぐらい」と考えて進学する人の中には、高校での勉強にあまり大きな意味を見出さない人がいると思います。「大学へ進学したいから」という理由で高校へ進学した人は、受験勉強という「勉強」に大きな意味を見出すかもしれませんが、受験勉強は一つの技術の修得であって、本来の「勉強」とは別のものです。大学へ進学したいなら、高校へ行かずに「高校卒業程度認定試験」を受けても進学可能です。17歳の飛び級受験を受け付ける大学も10校程度できました。
 すると、高校へ進学する目的は何でしょう。その答えは人によって違うと思います。私は私の答えを持っていますが、その答えは私の答えです。「その答えが明確であること」が高校での3年間の自分の生活と学習の充実度を決める大きな要素だと思います。高校での生活で、「教科の学習」だけに大きな意味を見出さなくてもかまいません。「友だちをつくる」「部活動をする」「学校行事に力を入れる」「集中力をつける」他にもあると思いますが、「目的を考える」という行為そのものも、とても重要な作業です。「考える」ということを飛ばして生活している人が増えているような気がします。「考える」を飛ばすと「感覚」が勝ります。感覚も重要なことですが、考えるということとのバランスが重要なのです。


329  今日は先輩がたくさん来て、話をしてくれました  2009年08月27日(木)
 今日は卒業した先輩にたくさん来てもらって、2年生は総合学習で2学期からはじめる「論文作成の体験談」講座、1年生は「ようこそ先輩」と題して大学での生活や、受験勉強などについて話をしてもらいました。1期生の大先輩から今年卒業した5期生まで全部で15名近くの先輩が集まってくれました。
 論文作成では各クラス2名ずつ、自分の今の大学での生活なども紹介しつつ話をしてくれました。私は今年卒業した生徒の高校時代しか知りませんが、久しぶりに会うと「大人になったな」と感じます。高校生の時より物腰にやや余裕が生まれた感じがします。「なんかあまり役に立たない話ばかりしていたのではないですか」と不安に思っている人もあったようですが、高校生にとっては大学へ行った先輩というのは、自分たちとは全然ちがう大人なのだから、あまり心配せずに、自分の思ったように話してくれることがきっと後輩の役に立ちます、と答えておきました。自分の決めた論文のテーマについて、なぜそのテーマにしたのか、アンケートをとったり、ネットで調べたり様々な方法で論文を作成したことを話してくれて、2年生はきっと役に立ったと思います。一生懸命みんなメモしていました。
 1年生にとっては大学生の先輩というのはずっと大人です。大学での勉強や生活のようす、自分の目標をもってほしいこと、高校生と違って大学生は常に主体性を持って、自分の責任で行動しなければいけないことなどを熱く話してくれました。
 20年前に比べてだんだん若者の精神年齢が低年齢化して、20年前の中学生が今の高校生で、20年前の高校生が今の大学生だという人もあります。たしかに、今の高校生はむかしに比べると、学習面だけでなく生活面でも至れりつくせりで主体性がなくなっていると感じることがあります。大学生も自分の行動に責任が持てずに、偏差値の高い大学に進学した人でも大麻所持でつかまったり、いじめがあったりと精神年齢の低さを実感することもあります。そういう人と比べると、今日来てくれた大学生の先輩はみんなしっかりしていました。自分の言いたいこと、伝えたいことをうまくまとめて15分程度で話してくれました。
 今日の話を自分の進路や論文の作成に役立ててほしいと思います。


328  中学校の先生対象の説明会を開催しました  2009年08月26日(水)
 今日は中学校の先生対象の学校説明会を開催しました。10時30分からカリキュラムの説明、進路の説明、入試についての説明、入試の小論文の説明、質疑応答、授業見学と12時30分頃まで行いました。約25名中学校の先生方が来られ、本校の教育内容を説明させていただきました。本校の最近の傾向として大阪市内の中学校からの受検者が増加してきています。その傾向を反映してか、大阪市内の中学校の先生に最もたくさん来ていただきました。今里筋線ができてから、東淀川区、鶴見区、城東区などからもかなり通いやすくなってきたのが大阪市内からの受検生が増加した原因だと分析しています。
総合学科というのは古い学校でも開設されてまだ十年少しですから、どのような学科なのかわかってもらうのには時間がかかります。最近は総合学科へ入学する生徒も増加し、ようやくたくさんの人に知ってもらえるようになって来ましたが、今でも「何かしっかりした目標がある人が進学する高校だ」と誤解している人も多いようです。たくさんの科目があるので、まだはっきり自分の目標が見えていない人が受検してくれても何の問題もありません。
質疑応答では部活動のこと、来年から始まる共生推進教室のことなどの質問がありました。部活動の本校の特徴は一昨日紹介したパソコン部をはじめ、文化部がよくがんばっていることです。運動部だけでなく文化部が育つ学校というのは生徒の力のある学校だというのが私の考え方で、非常にうれしいことだと思っています。加入率は昨年よりかなり上がって約70%になりました。共生推進教室についてはまだ具体的に決まっていないことも多く、あまり詳しい説明はできませんでしたが、また12月ごろに説明会を開催する旨を連絡しました。
大阪にある総合学科はやはり学校によってかなりコンセプトが違います。受検する前に必ずそれぞれの総合学科の中身を詳しく調べておくほうがよいと思います。芦間高校は母体校2校がいずれも普通科で、しかも大学進学をメインにしているので「普通科+専門学科のような学校だ」という説明をしています。理数科や国際教養科(英語科)の学校と遜色のない科目を選択することができます。


327  民家甲子園でパソコン部活躍  2009年08月24日(月)
前に紹介した「民家甲子園」について。芦間高校パソコン部が「民家甲子園」という大会の近畿予選で優勝し、全国大会へ出場するということを前に紹介しました(7月25日の記事)。その全国大会が昨日香川県丸亀市で行われ、パソコン部は「なごみ賞 4位」になりました。
 8月はじめに尾張一宮市で開催された情報処理技能競技会(日本語ワープロ競技会)にも出場して全国3位の成績を残し、今回の民家甲子園では4位と常に全国レベルの成績を残しています。
 民家甲子園は民家の写真を5枚撮影しそれを基にしてプレゼンする形式で、「写真」がメインの大会です。正式名称は『「民家の甲子園」全国高等学校対抗民家町並みフォトコンテスト』なので出場する人の多くは写真部の生徒で、パソコン部というのは全く畑違いなのですが、その中でよく健闘したと思います。予選のときの写真もなかなかしっかり撮れていたと思います。付き添いで行っていただいた先生の言ではプレゼンのうまさはどのチームよりも勝っていたということで、写真の大会でなければ優勝していたかもしれません。
 本校の生徒のプレゼンは先輩のプレゼンを見たり、発表の機会がたくさんあったりして、非常に楽しくわかりやすいことが多く、保健の発表会や総合学科発表会でもいつも好評です。研究成果をただ棒読みするのではなく、歌をつくったり、踊りをつけたり、寸劇を入れたり楽しく発表するというのが好評な理由だと思います。
 2年後半の総合学習で行われる論文作成のなかの優秀作品を選んで、3年の4月に論文発表会を開催しますが、その発表会も非常におもしろく非常によくわかる楽しい発表が数多くあります。プレゼンの力は進学しても社会へ出ても非常に重要な力です。どんどん磨いていってほしいものだと思います。

326  昨日はPTAの文化祭準備  2009年08月23日(日)
 昨日はPTAの環境保健委員会による花植えと、文化祭の展示物を作成する作業が行われました。昨年、今年の行事を中心に役員会及び各委員会で模造紙1枚の展示物を仕上げました。役員会は7月に大阪を船で巡るツアーを企画しました。なかなか人気があって、たくさんの方に参加していただき、PTAの親睦が図れました。文化祭では昨年と同じように各委員会の展示物を掲示し、舞台の様子をWEBカメラで中継する休憩室を運営します。環境保健委員会は大きな行事の前に必ず玄関前を花でいっぱいにしていただいています。教養推進委員会は1学期には陶芸教室を実施しました。秋には大阪市内の見学会を企画しておられます。生徒にまけずに、PTAの保護者の方々も活発に動いていていただいています。
 さて、21日の金曜日に決定したのですが、本校は来年度の入試から知的障がい生徒共生推進教室を開設することになりました。説明会や詳しい内容については、もう少し具体的になってからこの欄でも紹介していきます。

325  高校を選ぶ5  2009年08月21日(金)
部活動をしよう
 高校を選ぶ一つの要素として高校での部活動があります。高校はもちろん勉強も重要ですが、友だちをつくり学校の活動に参加することも重要な要素です。そのためにはぜひとも部活動にも加入してもらいたいものです。授業が終わるとすぐに誰もいなくなる学校より、たくさんの生徒が部活動で残っている学校のほうがきっと学校生活も充実したものになると思います。
 そのためにも、学校選びの時にどのような部活動があるか、部員はどれぐらいいるのかを確かめてほしいと思います。また部活動加入率も聞いてみるといいと思います。芦間は約70%です。多くの学校は文科系部より運動系の部員のほうが多いのですが、芦間は少し傾向が違っていて、運動部、文化部ほぼ同じ数です。オープンスクールなどで、部活動の体験等を用意している学校もたくさんあると思います。ぜひとも部活動の体験にも参加してほしいと思います。部活動をすることで高校生活は勉強だけの生活よりずっと充実したものになると思います。卒業してからも部活動の友人との交流がずっと続いている場合が多いと思います。
 芦間高校にはたくさんの部活動があります。今日の始業式でも吹奏楽部、美術部、パソコン部、ソフトボール部などが優秀な成績を残し、表彰しました。特にパソコン部は「民家甲子園」の近畿予選に優勝し、香川県で開催される全国大会に出場します。また全国パソコン技能競技会でも優秀な成績を残しました。ソフトボール部は昨年に続いて公立校大会準優勝でした。また、部活動ではありませんが個人で参加したテコンドーの大会で全国3位になり銅メダルを獲得した生徒もおり、たくさんの生徒ががんばってくれています。
 今年の夏休みには「これだけのことをした」といえるものが残った人は、充実した夏休みであったと思います。ただ漠然と時間に流されているのではなく、「今日は○○をする」としっかり意識して生活をしてください。芦間高校は今日から授業が始まりました。中学生の人ももうすぐ夏休みが終わることでしょう。2学期は「意識して時間を使う」ことを心がけてほしいと思います。
 夏になっても新型インフルエンザの猛威が止まりません。予防に最も効果のあるのは外から帰ったときの手洗いだそうです。インフルエンザに気をつけてください。


324  高校を選ぶ4  2009年08月20日(木)
生徒を伸ばせる高校とは?
 府立高校の偏差値は五ツ木書房と大阪進研から発表されるものがよく目にとまります。これらの偏差値は模試や高校へ進学した人のデータをもとに作成しています。模試で高い点を出した生徒が進学した高校は当然偏差値が高くなります。
ところで、高校の偏差値と高校の先生の力はまったく別のものです。大学へたくさん進学する偏差値の高い高校に優秀な先生がたくさんいると思っている人もあるようですが、それは違います。優秀な先生の定義はむずかしいですが、「教え方がうまい」「授業がよくわかる」という指標があります。このような先生は進学校だけにおられるわけではありません。ところが、どこの学校にどんな先生がいるかということは中学生にとって最もわかりにくい部分です。そこで情報集めです。一番いいのは先輩から情報を得ることです。「うちの学校の○○先生はよくわかる」「□□先生の授業はおもしろい」というような情報を色々な友人と手分けしてたくさん集めてみましょう。そのような先生情報がたくさん集まる学校は一つの候補です。
 しかし、授業のよくわかる先生が何人かいてもその学校が生徒を伸ばせる高校かどうかはわかりません。生徒を伸ばすことができる学校というのは「生徒のモチベーションを落とさないように、常に何かの仕掛けをしている学校」でしょう。1年に入学して新しい高校生活が始まって「さあがんばるぞ」というモチベーションはそれほど長くは続きません。それをできるだけ持続させるために、講習や行事やいろいろな仕掛けを効率よく配置している学校や生徒が活発で高校生活を楽しんでいる生徒が多い学校は、生徒が伸びていくことが多いと思います。それは必ずしも進学校だけではありません。学校が生徒のモチベーションを持続させるようにしている仕掛けを知るには個別の説明会で細かく聞いてみるとよいと思います。例えば@土曜日の使われ方を学年と月を追って聞いてみる。A夏休みや冬休みの講習の具体的な内容を聞いてみる。B学校行事やその行事への生徒のかかわり方を聞いてみるなど。そしてできるだけ学校を見学して、ふだんの学校のようすを見学してみることです。


323  高校を選ぶ3  2009年08月19日(水)
 受検する高校を選ぶにあたって最も重要なことは、自分がその高校へ進学してそこで卒業するまで充実した学校生活を送ることができるかどうかを見極めることです。例えば、自分の成績はこの程度だから、この成績に見合う学校を受検するというように高校を決めると失敗する場合がよくあります。高校で中退する原因としてよくみられるのが、その学校に合わないので進路変更をするというものです。
 そのようにならないように何を調べればよいでしょうか。まず、自分が受検したいと考えるいくつかの学校へ実際に足を運んでみることです。オープンスクールはほとんどの学校で実施していますからオープンスクールを利用するのが一番いいのですが、日程が重なって参加できない場合などは、例えば体育祭などの代休の日や行事で午後から授業がない日などを利用していくつかの学校に直接足を運んでみてください。うまく時間が合わなければ土曜日などでもいいと思います。事前に電話をして必ず予約をして訪ねてください。高校もそれぞれ予定がありますから、どうしても見学を受け付けることができない日もあります。必ず予約をしてください。
見学にいってみるとその学校のもっている雰囲気が伝わってきます。生徒のいる日であれば出会った生徒に学校のようすを質問してみるのもいいかもしれません。土曜日でも部活動で登校している人もいるし、ほとんど生徒がいなくても学校の持つ雰囲気は変わらないと思います。学校の持つオーラというか学校全体から湧き上がってくるような雰囲気というのはホームページやパンフレットではわかりません。ぜひ自分で感じてみてください。
 高校生の先輩に質問してみて、中学生に丁寧に応対してくれる生徒のいる学校はいいと思います。学校のことを説明してくれる先生も丁寧に、わかりやすく話をしてくれるかどうかを自分で採点してみてください。自分の中で合格点をつけることができる学校であれば、受検OKです。何校かの高校を訪問してみると、自然に自分に合うか合わないかの順序が決まります。もちろん、入学してから自分には合わないと感じる場合もありますが、偏差値などで学校を見ずに決めるよりはずっと間違いは少ないと思います。
 芦間高校では9月26日(土)と11月14日(土)の2回オープンスクール(写真は昨年のオープンスクールの模擬授業の風景です)を予定しています。また、その日に来ることができなかった人のために、12月13日(日)と1月17日(日)にもミニオープンスクール(学校の説明と案内だけで、模擬授業はありません)を開催します。たくさん参加してください。保護者の方も歓迎します。 


322  高校を選ぶ2  2009年08月18日(火)
総合学科はどんな学科?
大阪府には総合学科と普通科総合選択制があってその違いがよくわからないという意見をよく聞きます。また、高校で何をしたいか、社会へ出て何をしたいかという目的がはっきりしていなければ総合学科へ進学する意味がないという意見も聞きます。実際に総合学科では何をしているのかを少し紹介しましょう。
まず、総合学科と普通科総合選択制の違いですが、この違いは選択科目の数の違いだと思います。総合学科は選択科目が卒業に必要な単位の約半分ぐらいを占め、総合選択制の倍近くあります。もう一つの違いは総合選択制が「エリア」と呼ばれる一種のコース制をとっているのに対して、総合学科ではコースにあまり縛られない場合があるということです。例えば芦間高校には5つの「系(コース)」がありますが、実際に生徒はこの「系」をほとんど意識することなくかなり自由に自分の選択科目を選んでいます(これは学校によって違うので、よく調べてみてください)。
目的がはっきりしていないと総合学科へ進学できないというのは誤解です。中学生で、自分は将来こんな職業に就きたい、大学でこんな勉強がしたいというはっきりした目標をもっている人はほとんどいません。まだ、自分は何に向いているのかよくわかっていない人も多いだろうと思います。よくわからないから普通科にしておこうという人も多いと思います。そういう人こそ総合学科へ進学すればいいと思います。芦間高校では、1年生はほとんど共通科目です。2年になる前に科目を選択します。例えば国際教養科(英語科)に合格した生徒が入学してから高校の英語が自分には合っていないことに気がついて別の学科へ変わろうとしても簡単には変わることができません。ところが総合学科は入学する前にコースを決める必要がありません。1年生の間に自分の進路をゆっくり考える時間があるのです。英語が得意で、外国語系の大学へ進学したいので国際教養科と同じような授業を受けたいと考える人は2年生から英語を中心にした選択科目を選べばよいのです。数学や理科が得意なので理数系の大学へ進学したい人は理数科と同じような科目選択をすることができます。同様に、芸術系、看護・福祉系、国語などの人文系など自分に合った選択をすることができます。自分の適性をゆっくり見極める時間があり、普通科よりも選択科目が多いのが総合学科です。また、小論文、カウンセリング、手話(写真)、点字、和太鼓、中国語、韓国朝鮮語、コンピューターミュージック、CADなどあまり普通科では見られないような授業もたくさんあります。これらの授業を自分で組み合わせて選択するのが総合学科です。芦間高校は大学への進学をめざす総合学科です。小論文や面接指導などにも力を入れています。
総合学科の選択科目は学校によって大きく異なります。どのような選択科目があるのかは学校のパンフレットやホームページの他、各学校の作っている「シラバス」でも確認できます。シラバスは各学校へ問い合わせるか、あびこの大阪府教育センターの図書館に各校の最新のものがありますので参考にしてください。


321  高校を選ぶ1  2009年08月17日(月)
入試のシステムをしっかり確認しよう
 そろそろ受検する高校を選ぶ準備にかからねばならない時期がやってきました。多くの人はまず私学から受検校を決め、その後公立の前期、後期の受検校を決めていくことになると思います。
 公立高校の入試は前期と後期の2回行われます。前期は2月16日と17日に出願(音楽科はもっと早いです)、2月23日、24日に入試、3月2日が発表です。後期は3月8〜10日に出願、入試は3月16日、発表は3月23日の日程です。前期は専門学科の入試が中心で、総合学科や普通科総合選択制、工科高校などの入試も前期です。芦間高校は総合学科ですから前期入試です。前期入試に合格すると後期入試には出願できない(併願ではない)ことが重要なポイントです。また、前期入試の学校では学力検査だけでなく、小論文や面接、実技試験なども行われることに注意してください。専門学科と総合学科には学区はありません。
 「総合学科は何を勉強できるのだろう?」、「普通科総合選択制との違いは何?」、「専門学科高校の内容は?」、「将来の進路は?」など前期入試の高校は後期入試の普通科よりわかりにくいことが多いので各学校のホームページやパンフレットなどで詳しく調べてみてください。明日は、「総合学科とは何?」ということについて書きたいと思います。
 ところで、芦間高校は総合学科ですから2月23日が学力テストと小論文、24日が面接になります。学力テストは5科目(国数英理社)各50点満点で高得点の2科目の点数を2倍します。例えば国語25点、数学35点、英語40点、理科25点、社会40点であったとすると25+35+40×2+25+40×2=245点となります。小論文は100点満点です。特に総合学科を受検する場合は非常に配点の高い小論文がキーポイントになると思います。小論文は作文とは違うので、書き方をしっかり勉強しておいてください。24日の面接は5人(4人、6人の場合もあります)一組で約15分間行います。この学力検査の点数と、小論文の点数、中学校からの調査書(内申書)の点数に決められた倍率をかけた得点が総合点になります。この倍率は学校によって違い、2学期になったら発表されます。大阪府の入試では、この総合点の順位だけで合否が決まるのではなく、ボーダーゾーンという考え方がありますが、これについては長くなるのでまた後日に書きます。
 大阪府の入試のシステムは少しややこしいので、必ず確認しておいてください。高校選びの第一歩です。(写真は昨年の入試の初めの受検生の集合風景です)


320  奈良へ研修に行ってきました  2009年08月12日(水)
 お盆休みで、学校は生徒も先生もあまりいません。来週月曜からまた再び、学校に活気が戻ってきます。夏休みはどこの学校も非常に短くなってきています。
 ところで、今日は社会科研究会の研修で、奈良国立博物館で開催されている中国の寧波(ニンポー)と日本の仏教による交流をテーマにした展覧会と、東大寺から奈良公園を通って新薬師寺までの古代の東大寺絵図に沿って歩く巡検に参加してきました。
 中国の寧波という都市は上海の対岸、浙江省にある大都市ですが、かつては日本や朝鮮半島から東シナ海を越えてやってくる貿易船の玄関口でした。歴史の教科書にも必ず登場する鑑真(唐招提寺の開祖)、最澄(比叡山を開いた天台宗の祖)、栄西(臨済宗の祖)、道元(曹洞宗の祖)などの有名なお坊さんもこの港を起点に日中間を行き来していました。だから日本の天台宗や禅宗もこの都市と非常に深い関わりを持っています。展示を見学する前に、奈良国立博物館の学芸員の北澤先生からこの展覧会についてのお話を伺ったあとで見学しました。まず展示の概況を伺っているので、一つ一つの展示物を非常に興味を持って見学することができました。
 午後からは大阪大学大学院の奥村先生の案内で、東大寺の南大門前から古代の東大寺絵図にしたがって奈良の町を歩きました。古代の絵図とはいえ非常に正確に測量がなされていて、今の地図に当てはめても大きな狂いがありません。東大寺の築地塀の跡(と考えられるところ)、古代の瓦工場の跡(ここは今でも大量に古代の瓦が発掘されます)、古代に土でつくられた仏塔(頭塔=写真)などを約4時間かけて歩きました。説明を受けないと見過ごしてしまうポイントが多く、解説していただきながらの巡検というのは大変役に立ちます。奈良公園も今まで何度も行きましたが、あの芝生の下にこんなすごい古代の遺跡が眠っているのかと思うと、今更ながら知らないことの多さに恥ずかしくなってしまいます。最後に志賀直哉の旧宅にも立ち寄り、服のままでプールに飛び込んだように、汗でびしょびしょになりながら歩きましたが、非常に収穫の多い研修でした。
 お盆明けから校長だよりを再開しますが、中学生ももうそろそろ受検校を考えなければ行けない時期が近づいています。何日かにわたって「高校の選び方」というテーマで、この欄を書こうと思っています。
 

319  台風が近づいています  2009年08月10日(月)
 台風9号が近づいて非常に不安定な天気です。今年はエルニーニョの影響だそうですが、梅雨明けが遅れ、梅雨が明けてからも不順な天気が続いています。普通は「梅雨明け十日」といって、梅雨が明けると十日間ぐらいは暑くて安定した晴れの日が続くものなのですが今年はちょっとおかしいようです。昨年のように、毎日35度をこえ、夜でも28度近くあるような日がずっと続くのも困ったものですが、今年のように不順な天気が続くと野菜の値上がりや、米の不作などが心配になってきます。しかも、ここのところ毎年あることなのですが、時間雨量100mmなどというとんでもない豪雨があちこちで記録されています。昨日も四国各地で時間雨量が80mmをこえる豪雨を記録したところが5ヶ所もありました。東京の都心の大手町でも時間雨量が58.5mmという雨が記録されています。時間雨量50mmで、傘をさしても歩きにくい状態ですから、100mmとなると外へ出るのはまず無理でしょう。しかも、森林伐採や植林しても杉ばかり植えるので山の保水力が低下して土砂崩れや土石流、川の突然の増水などで昨日だけで10人以上の方が亡くなっています。
 日本の大都市は雨に弱く、雨水の排水が許容量をこえると道路が冠水したり、地下街が水浸しになったりすることがあります。特に大阪は上町台地を除いて低湿な沖積平野上にあり、生駒山地の麓の柏原市で標高10m少ししかありません。しかも道路がほとんど舗装されて雨水が地面にしみ込みませんから、大雨になるといつ洪水に襲われても不思議ではありません。これまでも1972年の大東水害をはじめ何度か洪水に見舞われてきました。大東水害は寝屋川の氾濫による水害ですが、最近の雨の降り方から見て、河川の氾濫だけでなく、急激に大量に降った雨が排水されないで洪水を起こす内水氾濫にも常に注意しなければならないと思います。
 昼間は暑くて晴れで、夜になると涼しくなって23度ぐらいに気温が下がるというような夏が理想的なのですが、最近はそんな都合の良い天気があまりありません。

318  大阪検定2級  2009年08月09日(日)
 大阪検定2級に合格しました。得点は89点でした。といっても合格率が70%ですからあまり自慢にはなりません。ただし、商工会議所の主催の検定試験ですので、大阪歴史博物館や東洋陶磁美術館、大阪企業家ミュージアムの無料入場券やグランヴィアホテルや帝国ホテルのレストラン10%割引券などの特典が付いているのでちょっとお得感があります。来年は1級を受けてみようと思いますが、1級は少し勉強をしないと難しいかもしれません。
2級で最も正解率が高かった問題は「・・・・・・鶴見緑地で1990年(平成2年)・・・(中略)・・・開催され、約2,300万人もの人が訪れた国際博覧会の略称は次の内どれでしょう?」という問題で、97%の正解率だったそうです。もちろん正解は「花の万博」です。逆に最も正解率の低かった問題は「・・・・・大和川はかつて洪水が頻発し、1704年(宝永元年)幕府令により河川の付け替え工事が着工されました。・・・(中略)・・・さて、この大和川の付け替え工事にかかった期間は次のうちどれでしょう?」という問題でした。正解率は19%だったそうです。@約1ヶ月、A約8ヶ月、B約4年、C約8年の選択肢ですが、@は常識で除外できるので実質三択です。正解はAの約8ヶ月です。今の柏原市国分から、大阪湾までの水路をわずか8ヶ月で開削したのですからとてつもない突貫工事であっただろうと思います。今日の大型の土木機械を用いても無理かもしれないという日数です。しかも、途中には羽曳野丘陵や、北へ流れる西除川や東除川などがある地域で、わざと北へ流路を湾曲させたり様々な工夫が施されています。この大土木工事を当時の人海戦術で僅か1年足らずで完成させたというのはすごいことだと思います。江戸時代というのはあまり知られていないことですが、意外に科学技術は進んでいたのです。この工事によって、水路に沈んだ村々や田畑もある反面、河内平野では洪水の被害が減り、綿花、菜種を中心にした大阪の市場を目的にした商品作物生産が拡大し、近郊農業地帯になっていきます。むかしの河内湖の名残である深野池や新開池が新田に生まれ変わったのもこの頃からです。また、それらの輸送のために柏原船、剣先舟などの川船の水運が盛んになり、川船は明治初年まで運航していました。この肥沃な沖積平野を大阪の後背地とする政策は成功して、大阪の経済力は大きく向上しました。
 現在の河内平野はほとんどが住宅地や住工混合地域です。しかも高度成長の時代に無秩序に、明確なビジョンをもたずに都市化した地域です。この無計画な都市化のつけはまだ精算しきれていません。

317  昨日は芦間カップ男子バスケットを開催しました  2009年08月06日(木)
 昨日は男子バスケットボールの芦間カップを開催しました。守口市立第二、第四、八雲、庭窪中学校、門真市立第七中学校、寝屋川市立第二中学校、大阪市立茨田、淀川中学校の合計8校に集まっていただきました。優勝は八雲中学校、準優勝は庭窪中学校でした。かなり暑い日でしたが、少し風があって蒸し風呂状態ではなかったので、熱中症や事故もなく無事終わりました。
 芦間高校は男子が少ない学校なのに、男子の運動クラブがバスケットボール、バレーボール、アメリカンフットボール、陸上、卓球、サッカーなどいくつもあるので、それぞれの部の部員数の少ないことが悩みの種です。男子バスケットボール部もはじめは人数が少なかったそうですが今は16人とかなり部員も増えて一生懸命活動しています。この春のインターハイ予選は残念ながら1回戦で三国丘高校に82対81の1点差で負けてしまいました。ほとんど力の差はなかったのですが、その勝った三国丘がベスト16まで進出していますから、勝っておれば芦間がベスト16になれる可能性もあったということで、惜しいことをしたと思います。秋の大阪総体の1次予選は8月30日桜宮高校の会場で大冠高校と対戦します。ぜひ勝ってほしいものです。私も時間が許せば応援に行こうと思います。私はバスケットボールは高校の授業以外ではしたことがありませんが、見るのは大好きです。
 昨日来てくれた中学校の人は、芦間高校のバスケットボール部はどんなクラブか少しはわかってもらえたでしょうか。3年生は来年2月、1,2年生はもう少し先になりますが、芦間高校を受検して、ぜひバスケットボールを続けてほしいと思います。
 たくさんの中学校に集まっていただいてありがとうございました。また来年も芦間カップを開催したいと思います。

8月3日の「看護実習が終わりました」に新しく文章をつけ加えました。写真も更新しました。戻ってご覧ください


316  高校生書道展を見に行きました  2009年08月05日(水)
 今日は枚方市立生涯学習市民センターのギャラリーで行われている第2回高校生書道展(枚方・北河内地区)を見てきました。午前中まとめる資料があって、午後1時にはお客さんが来られるのでその合間を縫って行ったので、ゆっくり見ることはできませんでしたが、芦間の生徒の作品(先生の作品も展示してあります)だけはゆっくり見てきました。カメラを忘れたので、残念ながら写真を撮ることができず、展示が終わってから作品の写真は掲載したいと思います。
 他校の生徒の作品と芦間の生徒の作品を比べてみると、芦間の生徒の作品が非常に優しい字が多いという印象を受けました。先生の指導の方法や女子生徒が多いということもあるのかもしれませんが、豪快な字が少ない印象を受けます。学校のもっている雰囲気がそうさせるのかもしれません。私は優しい字が好きです。
 私が一番気に入ったのは寝屋川支援学校の生徒の「海」という字でした。自分の感じたままに大きな海の雰囲気がよく伝わってくる字で、広くて堂々とした海のようすが字に表れていました。きっと元気のいい、自分のイメージを大きくふくらませる力のある生徒なのだろうと思います。
 私自身は筆で書く字はへたくそなので、練習していますが、このような書道展を見ると、上手とか下手というのではなくて書く人の感性なのだと思います。下手でも味わいのある字が書ければいいのですが、どうしても筆を握ると上手く書こうとして字が縮こまってしまい、なかなか味のある字が書けません。むずかしいものです。
 今日は朝からバスケットボールの芦間カップを実施中です。そのことについては明日。


315  看護実習が終了しました  2009年08月03日(月)
 先週の木曜と金曜(30日と31日)の二日間、看護Uを選択している生徒10名がお隣の松下記念病院で看護実習を行いました。看護というのは人の命を預かる仕事ですから、実習といっても気軽に参加するようなものではありません。10人の生徒(実際には1名が体調不良で早退したようですが)はまじめに2日間しっかり取り組んだようです。もちろん看護師の免許を持っているわけではありませんから、実習の内容は限定されますが、与えられた仕事にまじめに取り組んでいたようです。
 看護師の仕事というのはかなりハードだと聞きます。そのハードな仕事を体験して、自分の目でしっかり見て、それでも看護の仕事に就きたいと考える生徒がいるなら、その生徒の気持ちは本物だと思います。後はその目標を実現するために、大学や専門学校へ合格するために必要な勉強を怠りなく続けていくことだと思います。お忙しい中、看護実習を引き受けていただいた松下記念病院の方々には本当にありがとうございました。
近年キャリア教育の必要性が叫ばれだして、職場体験を実施している学校が増えてきました。職場体験も引き受けていただける事業所によって内容は様々で、仕事を見学するだけの場合から、実際にハードな仕事を体験して将来の自分の進路をしっかりとしたものにする場合まであります。今回の病院実習は後者になると思います。しかし職場体験にあたって最も重要なことは、参加する生徒の気持ちや態度だろうと思います。体験する職場の内容をどれだけ理解し、そこで働いている人にそして仕事の内容にどれだけ敬意を払えるかが問われています。いい加減な気持ちで参加するならそれは迷惑をかけるだけで何の意味もありません。職場体験で得たものがこれからの自分の将来に役立てることができるならば、大きな意味を持つことだろうと思います。
芦間では、この看護実習の他に高齢者通所施設「清徳デイサービスセンター」で実施する福祉体験実習(前期7月27~30日 3名参加 後期8月3日~6日 2名参加)、2学期末〜3学期に行うジョブクエスト(1年生全員)などのキャリア学習を通じて、生徒が真剣に自分の将来のことを考え、様々な職業というものについてしっかりとした敬意を持って望むことを支援していきたいと考えています。
病院自習に付き添っていただいた石井先生に書いていただいた文章を掲載します。
2日間の病院見学実習を終えて
 本校では選択科目看護Uの授業の一環として、7月30日(木)7月31日(金)の2日間、3年生10名が松下記念病院で病院見学実習を行いました。
病院実習の目的は、病院の施設・設備および看護を見学することにより、看護の学習効果を高めるとともに、今後の看護学習への理解を深める。また、看護内容について理解を深めることで将来の進路に繋げることです。
実習先は、内科病棟、外科病棟、整形外科病棟等の5病棟に分かれ実習をさせていただきました。また、産科病棟と小児科病棟は見学し、それぞれの特徴を説明して頂きました。
病院見学実習をするにあたっては、事前に7月13日(月)にオリエンテーション(病院は患者さんの命をあずかっていること。守秘義務を守ること。感染予防を厳重にすること)をしていただき臨みました。
当日は、緊張した中で、はじめて白衣を着用し、指導看護師さんが患者さんを援助している場面を見学実習させていただきました。その援助は、患者さんの状況をしっかり把握した上で看護判断し、実施されるものでした。
また、指導者の方と一緒に日常生活の援助(体位変換、車椅子移動、ベッドメーキング、血圧測定、清拭等)をさせていただきました。看護師さんが援助毎に患者さんに1つ1つ丁寧に説明されている姿がとても印象的で、コミュニケーションの大切さを再認識したとのことでした。
生徒は、看護師の仕事を実際に体験することで大変な仕事であるがやりがいのある仕事であることと、看護師への気持ちを新たにしたとのことです。このように1つ1つ体験したことが印象深く、生徒の心に多くのことが残った実習になりました。
松下記念病院の皆様には大変お世話になりありがとうございました。








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