162  期末テスト1週間前になりました  2008年11月28日(金)
 テスト1週間前になって、部活動はしばらくお休みです。授業が終われば早く帰って、テスト勉強に集中してほしいと思います。テスト勉強は毎日コツコツと積み上げていくタイプの人もあるし、短時間に集中してやるという人もあります。でも多くの人はいわゆる一夜漬けという自転車操業タイプの試験勉強をしてきたのではないかと思います。むかし「あがきの山も 今宵かぎり(試験最終日前夜)」という国定忠治の名せりふのよくできたパロディがありましたが、まさに一夜漬けで間に合わなくなって、あがいて山をかけるという人もいるのではないかと思います。高校のときの先生に「『山をかける』ということばがあるが、君たちのかけるのは『山』ではなくて『島』だ。すべての試験範囲を一通りやって、その中でここは出そうだというところを集中して補強するのが『山』だ。君たちはここが出そうというところだけしかしていない、外れれば海へ落ちて溺れてしまう。だからそういうのを『島をかける』というのだ」といわれたことがありますが、まさにそのとおりでしょう。
 しかし、一夜漬けであろうと、毎日コツコツやろうと、集中して机に向かうということは非常に重要なことです。特に短時間でもいいから毎日自分の家の机に向かうという習慣があるかないかでその人の集中力は違ってくると思います。勉強ができるかできないかという差は、毎日家で机に向かうかどうかの差によって決まるといっても過言ではないと思います。
 本校は前期入試なので、3月のはじめには合格者が決まります。入学式は4月になってからです。この3月の1ヶ月間で「合格した!!! 受験勉強から開放された 遊ぶぞ!!!」と遊んで、せっかく受験勉強で身につけた知識をすっかり失ってしまう人がたくさんいます。受験のための勉強しかしていないからこうなるのです。惜しいことです。中学校の知識は必ず高校になってからも生きてくるのですから、本当は「合格した!!! さあ勉強するぞ!!!」となってほしいのですが。
これは大学でも同じことです。大学は早い推薦入試なら、10月の上旬には合格が決まります。もう11月ですから本校でも続々と合格者が誕生しています。ところが合格後から卒業までの数ヶ月間、遊んでしまう人も多くて、その間に「アホ」になってしまう人も多いのです。この期間に、レポートや宿題を課す大学も増えてきています。
高校へ行くのも、大学へ行くのも「勉強するために行くのだ」ということを忘れないようにしてほしいと思います。けっこうお金がかかるのですから。


161  大阪を元気にする・・・!?  2008年11月27日(木)
 12月20日(日)午後12時30分から、飛鳥人権文化センター(阪急京都線崇禅寺駅前、地下鉄堺筋線柴島駅から徒歩約5分、新大阪駅からも歩けます)で大阪府立の総合学科高等学校の合同発表会を開催します。先日のオープンスクールに来ていただいた方には案内のリーフレットをお渡ししましたが、興味のある人は見に来てください。「大阪を元気にする提案」というメインテーマでどの学校も約10分程度の発表をします。本校は、「大阪の歴史と文化」という授業を選択している生徒が発表します。大阪を元気にする歌を考えていて、当日発表することになります。もちろん歌だけでなく、「こうしたら大阪が元気になるんとちゃうか?!」という提案も考えています。
 芦間の生徒はのりのよい生徒が多いので、こういうことになったらすぐに色々な企画を考えます。何でも楽しくやってしまおうという精神は大好きなので、当日どんな発表になるか楽しみにしています。他の学校はきっともっとまじめな発表になるのだと思いますが・・・・・・。
 ところで、「大阪を元気にする」ということをテーマにしなければならないほど、大阪は元気がないのでしょうか。大阪はもともと中小企業が中心の産業構造で、好不況の波に弱いという体質があります。しかも経済、文化などのあらゆる機能が東京圏に一極集中しています。名古屋圏は大阪より中小企業の比率が小さく、トヨタをはじめ大規模な優良企業が多いので大阪より工業生産額が高くなっています。経済的な面で大阪に元気がないことが倒産件数の増加や本社機能の流出や工業生産額の低迷などという面だけでなく教育や文化的な側面にも影響しているようです。
 経済面は中央官庁がある東京中心のシステムを変えることは簡単ではありません。ところが文化の面での地方分権を始めることはできるかもしれません。経済だけでなく実は日本の文化も東京中心のメディアによって完全に均質化してしまっています。この均質化した文化(テレビ番組も本も映画も芸能もファッションもことばも)とはちがう、それぞれの地域がもっている文化に地元の人が投資すべきときなのでしょう。大阪へ来なければ見られないものがある、京都でないと経験できないものがあるというように探すと、それぞれの地方に必ずそれぞれの地方でしか出会えない文化があるはずなのです。それを地域で支えていく方法があるはずです。大阪を元気にする一つの方法として、大阪のもっている独自の文化を保存、研究、育成していくしっかりした枠組みをつくることが必要なのではないかと思っています。


160  広報活動について聞き取り調査がありました  2008年11月26日(水)
 今日は午前中に国際大学の豊福先生が来られました。豊福先生は文部科学省からの委託で学校広報活動に関するモデル化とマニュアル作成を進めておられます。本校のホームページがかなり早い時期から非常に更新率が高く、またヒットの件数も高いことから、ホームページを使った学校広報の一つのかたちとして注目されておられたようです。ホームページが生まれた経緯や、現在のホームページへの教員のかかわり方、保護者や生徒、地域などのかかわりなどについて1時間あまり話を聞いて行かれました。本校のホームページがこのように注目されることは大変うれしいことです。芦間のホームページはけっこう他の都道府県でも注目されているのだそうです。
本校のホームページの最大の特徴は、職員であれば誰でも更新できることで、学年、分掌、クラブ活動など、外部へ発信できる内容を常に誰かが発信していることです。しかも更新の方法が難しくないこともたくさんの職員が更新に関与できる大きな条件です。もう一つの特徴はできるだけ目で見てわかるホームページになっていることだと思います。ホームページには「見る」などの動詞を使うことが多いですが、これに対しては紙媒体の本は「読む」という動詞を使います。つまり、ホームページはあまり集中して「読む」ということをしないメディアだと思います。だから目で見て芦間のことがわかるホームページであるという点が重要なのだと思います。「今日の一枚」をはじめ「学年だより」「クラブだより」「PTAだより」「動画ニュース」など、どこにでも写真や画像が入っています。行事があると必ず誰かがデジタルカメラで写真を撮影して、職員共有のフォルダにアップしています。この写真を使って、書き加えた内容をよりわかりやすくできる環境が整っているのです。あとは、ホームページに生徒の文章や意見をもっと反映させることを考える必要があるなと思っています。
ホームページや全職員が関わった広報活動のおかげで芦間高校の名前は京阪沿線や大阪市内の東北部、旧2学区の一部では広く知られるようになってきました。しかし、少し離れて大阪市内の南部、北摂や近鉄沿線ではどこにあるのかも知らない人がたくさんおられます。通学圏内の地域には学校の名前と内容を何とか知らせたいと思っています。広報について今私が考えていることは2つあって、1つはテレビコマーシャルのように「知らないうちに『芦間』という名前が頭に残る」広報の方法がないかということです。もちろんあまりお金を使わないで広く名前を知らせる方法はないかを考えています。もう1つは元気で芦間が好きな生徒にもっと広報活動を担ってもらうことです。教員が「元気な学校です」というより、生徒が「学校が楽しい」といってくれるほうがずっと効果があると思います。
そして、何より大切なことは「広報の内容が嘘ではない」ことです。どんないいいことを話して宣伝しても、入学した生徒をがっかりさせたのでは「食品偽装」と同じになってしまいます。そうならないように、学校全体が「生徒のために」なっていることが最も重要なことでしょう。


159  三連休が終わりました  2008年11月25日(火)
 三連休が終わりましたが、連休中も学校は動いています。運動部をはじめ連休中も活動している部活動はたくさんあります。パソコン部は23日、24日の2日間、愛媛大学で行われたプログラミングの大会に大学チームに混ざって出場してきました。また、22日にはPTA主催のパソコン講習会が開かれ、たくさんの保護者の方が集まっていただいて、年賀状づくりをしました(写真)。学校が休みの日は先生も休みなのだと思っている人も多いようですが、クラブを指導している先生や講習を担当している先生など、休みの日でもけっこうたくさんの先生が学校に出てきて働いています。もちろん先生方は全く休みなしに働いているというわけではありませんが、土日や連休が完全にオフという先生は意外に少ないものなのです。
 私は23日に社会科研究会の市民公開巡検で、柏原・八尾方面を1日案内してきました。大和川付替え地点から柏原市内、八尾、久宝寺の寺内町を歩きましたが、普段はあまり見ることができない柏原市に残る江戸時代の商家である「三田家住宅」の中の見学や、八尾にある河内木綿の染色技術を復元、保存、研究しておられる工房を見学させてもらうことができて、なかなかおもしろい巡検でした。30人近い方に参加していただきました。
私は不思議な人種で、何かを教えたり説明したりすることが好きなのでしょうか。むかしから授業だけでなく部活動で生徒を指導したり、知っている場所を案内したりしていると休みが少なくても、あまり疲れたとは感じないことが多いのです。私だけでなく、先生の中にはそんな人がけっこう多い気がします。
学校説明会が一段落して、これからは土日の出勤がこれまでほどは多くはなくなりますが、いろいろな行事で土日も仕事ということは何度もあります。土日でも学校に出てきているときには、できるだけこの「校長だより」は更新したいと思います。よろしく。


158  球技大会がありました  2008年11月22日(土)
 11月になって、木曜日のホームルームが3回ありましたが、3年、1年、2年の順に球技大会をしました。ソフトボールやドッヂボール、サッカー、キックベースボール、バスケットボールなど学年によって種目は違いますが、どのクラスも燃えていました。20日は2年生の球技大会で、男子はグランドでソフトボールを、女子は淀川の河川敷グランドでドッヂボールをしました。芦間の生徒は、こういうに行事なるとみんなものすごくがんばります。何日も前からグランドでソフトボールの朝練をしていたクラスもありました。
 秋はスポーツの秋であったり読書の秋であったり、天高く馬肥ゆる秋であったりキャッチフレーズがつくことが多い季節ですが、まだ温かく、しかも乾燥している一番過しやすい季節だからでしょう。近年は地球温暖化の影響からか、紅葉が遅れて11月の下旬になりますが、錦秋という言葉もあるように、紅葉の美しい季節でもあります。本校も桜の木が紅葉して赤く染まっています。都会の中にあってもイチョウやケヤキや桜などの落葉する木があるのは、季節が感じられて楽しいものです。
 三連休が始まりました。天気もよく、温かいので部活に、そして勉強にと有効に過ごしてほしいものです。


157  授業見学も終わりに近づきました  2008年11月20日(木)
 授業見学も終わりに近づきました。私の予定と時間の合わなかった数人の先生を残すのみです。これまで見学してきた授業はどの授業も大変興味深いものでした。それぞれの先生に工夫があって、50分という時間があっという間に終わってしまった印象です。私にとっても非常に充実した時間でした。
 昨日は5〜6限目の「小論文」の授業を見学しましたが、これがなかなかおもしろくて、出張の予定があったのですが、出発時間ぎりぎりまで6限目も続いて見学させてもらいました。生徒は「少子化の原因と対策」「児童虐待の背景と対策」「介護」「高齢社会の問題と対策」の4つのテーマから1つを選んで800字程度の小論文をすでに提出しています。その中から担当の先生がピックアップした5本の論文を使って、それぞれグループになって「最優秀賞」を決定し、その理由も発表するという授業でした。どの論文もとてもよくできていて、しっかり形式も踏んでいるし、論旨も明快で自分の考える結論もしっかりかけているものばかりです。これを読むだけでも楽しかったのですが、その論文についてそれぞれのグループで批評していることが、的を射ていることが多いのです。つまり、どの生徒もしっかり読めているということです。一人で批評するならこのようにはいかないと思います。ところがグループで読むと、色々な意見が出て、その意見をまとめていくうちに、だんだん的を射た批評ができ上がっていくのです。最後の発表まで見学しましたが、例えば「母親の児童虐待」について述べた論文に対して、児童虐待は母親だけがしているのではない、虐待は家族の問題としてもとらえないといけないなどの批評が出てきました。こうして様々なテーマについて考え、批評する中から自分自身の意見がしっかり生まれてくるのだと思います。いわゆるAufhebenです。
 高校生は「教えてもらわないとわからない」生徒が増えてきていますが、「自分で考える」力をもっています。その力を引き出す術を知らないだけかもしれません。その「術」の一端を今日の授業で見つけたような気がします。生徒の前で話す機会に、「知的好奇心をもって、様々なことを自分で考える。一人でだめなら何人かで考える。」努力をしてほしいという話をしようと思います。芦間の生徒にはきっとできるような気がします。


156  守口小、下島小に陸上部が行きました  2008年11月19日(水)
 先日本校の陸上競技部が、お隣の守口小学校の駅伝の指導に行ってきました。先週の土曜日には下島小学校へも出かけています。下島小学校には昨年も行かせていただいたそうです。小学校の生徒にすると、高校生はとても大きなお兄ちゃんやお姉ちゃんなのだろうと思います。かっこいいと思ってくれたでしょうか?走り方の指導を中心に色々なことを教えてきたそうです。高校生にとっても、自分よりも年下の人にものを教えることは大変役立つことです。頭でわかっていることでも、教えるとなると少し違います。どれだけわかりやすく、自分の言いたいことを伝えるかということができているか、わかりやすく言ったつもりでも、本当に伝わっているか、そういうことを確認しながら話さなければなりません。きっと話しているときに、高校生の頭は良く回転していただろうと思います。この頭の回転こそが大事なことなのです。
ところで、前にも書いたことがあるかもしれませんが、話すことは非常に大切なことです。声に出してしゃべることが脳を活性化させます。本も黙読するよりは音読する方がずっと頭の刺激にはいいのだといわれています。国語の授業などで、本の読みが当たっても小さい声でぼそぼそと読む生徒も多いのですが、大きな声で文の意味を考えながら読むことで頭が回転し、前頭葉が刺激されて脳の活性化につながるのだそうです。脳トレのDSソフトが売れていますが、脳トレを買わなくても、本を声に出して読むことで十分脳トレはできています。
 守口小学校、下島小学校の皆さん。高校生のお兄ちゃん、お姉ちゃんの話しはわかりやすかったでしょうか?

155  大阪市立大へ行きました  2008年11月18日(火)
 今日の午前中は校長会の進学指導委員会で大阪市立大学を見学し、中村圭爾副学長、矢野裕敏大学教育研究センター副所長のお話を伺ってきました。大阪市立大にいくのは久しぶりでしたが、単独の大学図書館としては日本最大の規模を誇る学術情報センターを見学させていただきました。地上10階、地下3階の巨大な図書館で300万冊にものぼる書籍を所蔵しています。学生が自由に利用できるパソコンルームやたくさんのビデオやDVDがそろったメディア室など非常にすばらしい施設でした。3~4階の開架図書室では各階10万冊の蔵書を利用しやすいように開架にしているのですが、ふつうの図書館のように閲覧用の椅子があるだけでなく、カーペットを敷いた部屋もあり、寝転んで本も読めるようになっているというのがおもしろい施設でした。どの部屋でも学生がまじめにパソコンに向かったり、机に向かって勉強していたりしていて、一般の図書館と違って私語でやかましいなどということとは無縁の空間でした。
 矢野副所長は現在の高大連携の現状についてのお話でした。コンソーシアム大阪という大阪の国公私立大学の連合体では、来年の夏も「大学フェア大阪」を開催される予定だそうです。
中村副学長のお話では、大学教育で重要なことは「学士力」をつけるということだそうです。学士力とは、学生は卒業すると例えば経済学部なら「経済学士」の称号を得ることになりますが、大学への進学率が上がり誰でもが学生になることのできる今日、「学士」という称号を得るにふさわしい力をつけることが必要だということです。学士力は学力だけでなく、コミュニケーション力などの人と接する力、誰に教えてもらうのではなく、自分で問題を見つけ、自分で学習し解決する力などの総合力です。大学生でも「教えてもらう」ことに慣れてしまっている人があって、学士力をつけることが大阪市大の課題だということでした。
高校でも同じことで、教えてもらうということから「自分で学ぶ」という力を身につけさせなければいけないと感じています。そのために必要なことは「知的好奇心」だと思っています。色々なことに興味を持ってわからないことは自分で調べるという訓練を常にしておくことが、将来大学へ行ってもきっと役に立つだろうと思います。本校からも大阪市立大には合格者を出しています。たくさんの芦間生が大阪市大に入学してくれればいいなと思いながら、お話を聞いていました。
最後に文学部の社会学専攻の学生の方にお話を伺いましたが、自信を持って自分の卒業論文のテーマや自分で大阪市大を選んだ理由などについて話してくれたのが印象的でした。高校生は3年生のほうが1年生よりかなりしっかりしていますが、大学4回生にもなるとしっかり自分をもって研究しているなという印象でした。


154  第2回オープンスクールがありました  2008年11月17日(月)
 先週の土曜日(11月15日)は第2回目のオープンスクールでした。中学生は313名、保護者の方は72名と多数の方にお越しいただきました。ありがとうございました。その場でも話しましたが、学校選びというのは、必ずいくつかの学校に足を運んで、その学校の持っている雰囲気や力、元気などオーラをぜひ感じてから決めてほしいのです。パンフレットやホームページ、説明会ではわからないことが、実際に行って初めてわかるということがあるのです。土曜日に来ていただいた方は、芦間高校のオーラはどんなものだったでしょうか?私は本校の生徒や教員個人々々ではなく、学校全体から出てくるオーラの大きさには自信があります。きっと来ていただいた方は「楽しそうな学校だな」「元気な学校だな」「一生懸命な学校だな」と感じていただけたと思います。
 中学校への説明会も先週でほぼ一段落しました。オープンスクールの全体会と、15時からの保護者説明会の間に、八雲中学の説明会にも行かせていただき、本校の説明をしてきました。このごろはどの高校も説明会ではパソコンモニターを使って、映像で説明することが多くなりました。本校も映像で説明するコンテンツは作っていますが、どうも映像はその場限りで忘れてしまいそうで、また目立たなくなってきたこともあって何かもっと目立つ説明方法はないものかと頭をひねっています。
 この後は12月14日(日)と1月25日(日)の2回、午後2時からミニオープンスクール(学校の説明と校内の案内のみ)を開催します。まだ一度も本校に来ていない方はぜひともお越しください。受付は電話でもしています。


153  討論形式の国語の授業  2008年11月14日(金)
 今日の3年生の国語の時間は、教材である夏目漱石の「こころ」を読んで、登場人物であるKの遺書の続き(追伸)を書く、Kが自殺した理由を考えるという授業でした。これまでにずっと「こころ」を読んできて、登場人物の人となりはみんなが理解していますから、グループで考えようという授業でした。
 その授業を見ていて、芦間高校の生徒のすごいところはまず5〜6人のグループができると必ず誰かそのグループを中心になって仕切る人がいること、その人を中心にじっと黙っていないで、それぞれが意見を言い、「それはちがうやろ」とか「なるほどそうか」とか必ず討論の形になることだろうなと思いました。グループ討論というかたちは、みんなが何も言わなければまったく退屈で何の実りもないものなのですが、今日の国語の授業では決められた時間をオーバーして話が白熱している班もあって、見ていて楽しい授業でした。
 最後にそれぞれの班でKの遺書の追伸と、Kが自殺した理由を考えた結果を発表するのですが、追伸の文章は漱石の文章に似せて書こうという意図がはっきりして、しっかり書けた文章が多かったようです。また自殺の理由の考察もなかなか深く読み込んで発表している班もあって、みんながなるほどとうなずくプレゼンや、逆に「それはないやろ」と反発を食らうプレゼンもあって内容の濃い授業になりました。
私も生徒に意見を求められましたが、私はおそらく高校生の時に「こころ」は読んだとは思うのですが、漱石になんとなく付きまとっている暗さがあまり好きではなくて、ほとんど覚えていないのです。だから発言はできませんでした。こんな定番の小説を覚えていないなど、ちょっと恥ずかしいですね。
この討論授業で芦間高校の生徒の力がよくわかりました。人と討論する力は、これから大学へ進学しても社会に出てもきっと役に立つことだと思います。
(写真は撮影できなかったのでふつうの授業風景の写真を入れます)


152  数学の授業見学  2008年11月13日(木)
 今日は1限に数学の授業を見学しました。これまでも何人かの先生の数学の授業を見学させてもらいましたが、どの先生の授業も非常に丁寧なそしてわかりやすい授業です。今日の授業はベクトルの授業でしたが、ふつうは省略するような式も省かずに板書されています。記号のつけ方についても、丁寧に説明されていました。それで生徒は一層わかりやすくなるのです。わたしは高校生のときはベクトルが苦手でよくわからなかったのですが、今日のベクトルの授業で非常によくわかりました。
図形の証明も、幾何で証明するとかなり難しい問題も、ベクトルを使えば容易に証明できるということが、生徒にもよくわかったと思います。
 問題はここからです。授業ではよくわかっていて、例題も解けた。ところが「わかった」ことと「自分のものになった」こととは別なのです。今日の授業でよくわかったことを、どれだけ自分のものにするか、どんな問題に出会っても今日わかったことを応用できるかという問題が待ち受けているのです。ここが大事なところです。今日わかったことを何度も繰り返して自分のものにするのは、生徒自身の仕事です。そこを怠ると、授業でわかったことが何の意味もなくなってしまうのです。
 最近の高校生は論理的思考が苦手だとよく言われます。目で見て、感覚で捕らえるのはうまいけれど、筋道を立てて理解するというのは不得手な人が多いのです。だから実体のない抽象的なものの考え方に弱いといわれます。私は論理的な思考、抽象的な思考というのは訓練だと思います。論理的にものを考える訓練ができていないだけで、苦手なのかどうかはわからないと思います。その意味では数学というのは、論理的にものを考える格好の材料だと思います。考えの道筋がわかれば数学は非常にわかりやすくなります。様々なことを論理的に考える生徒がもっと増えてくれればいいなと思いながら授業を見学していました。


151  11月1日に花を植えました  2008年11月12日(水)
 この欄に書くのが遅くなりましたが、11月1日の土曜日に今年3回目のPTAの花植えがありました。私は残念ながら大阪にいませんでしたので参加することができませんでした。お天気も良く、たくさんの方に集まっていただいて玄関の前に花を植えていただきました。今週のオープンスクールの頃にはちょうど土に定着して、本校へ来た中学生の目を楽しませてくれることだろうと思います。キンモクセイも終わって、学校の中には今はあまり花がありません。この季節に咲く花木や紅葉する木を植えたいと思うのですが、スペースがありません。本校は一棟式の学校で中庭がないので、緑がいっぱいの中庭をもつ学校がちょっとうらやましい今日この頃です。
 本校のPTAは、この花植えをはじめ、朝の登校時に立っていただいたり、陶芸教室、パソコン教室、模擬試験の主催、文化祭の取り組みなど様々な活動をしていただいています。PTAが元気な学校は生徒も元気だといいます。やはり家庭での保護者の力が子どもを成長させる最も大きな力だということだと思います。
 PTAを通じてたくさんの方と知り合いになり、色々な情報が得られてよかったといわれる保護者の方がたくさんおられます。今後も、来年度もPTAの行事に是非ともたくさんの保護者の方がお集まりいただきますよう、お願いします。


150  授業見学が続いています  2008年11月11日(火)
 授業見学を続けています。どの先生の授業もそれぞれに工夫があり大変おもしろいのですが、英語の授業が最も私のイメージと違っています。私が高校生の時の英語の授業は教科書の長文を一文ずつ訳していくというもので、予習がちゃんとできなくて当てられた時など、答えられなくて悲惨なものでした。一文ずつ訳すので、その文章全体の意味などはあまり考えなかったので、今思うと、どんな文章が教科書にあったのかなど全く思い出せません。和訳もたとえば、The news made us happy.という文章があったら、今なら「その知らせを聞いて私たちは喜びました」とでも訳しますが、高校の時は「そのニュースは我々をして幸せにせしめた」と文語文で訳す先生があって、今の高校生にとっては日本語の訳そのものがわからないのではないでしょうか(当時の高校生はどういうわけか文語文を理解していたようです)。また、英語の文そのものを声を出して読んだという記憶もあまりありません。
 その英語の授業が私が高校生の時とは大きく様変わりしています。たとえば、ただ文章を逐語訳するのではなく、二人がペアになって、一人が読む、一人がその部分の訳をするというような、声に出して読む、耳で聞いて理解する授業や、まず最初に一文ずつの訳をするのではなく、最初に一つの段落の意味を大づかみにするなどの方法が取り入れられています。その単元に関係した事項、私が見せてもらった授業では、報道写真についての英文を扱った単元では、沢田教一のピュリッツアー賞をとったベトナム戦争の報道写真とそれに関する文章を用いた説明や水俣病についての写真をみながら水俣病についての説明があるなど、英文の内容と関連した事柄を説明してから授業にはいるなど、様々な工夫がなされています。
 あと一週間ぐらいで、ほぼ全員の先生の授業見学が終わります。むかしのようにまた授業がしたくなっています。

149  情報があふれています  2008年11月10日(月)
 今週の土曜日、11月15日に第2回目のオープンスクールを開催します。現在の申し込みは260名ぐらいあるようです。今日も電話での問い合わせが相次いでいます。おそらく300名程度になるのではないかと思います。11月15日に参加できない人も、12月、1月にもオープンスクールのミニ版を実施しますのでホームページからご確認ください。オープンスクールと同じ日に八雲中学校の説明会もあるので、私はそちらにも行かせていただきます。
 それにしても、私が高校生の時には公立高校が学校説明会をすることなど考えられないことでした。高校を受ける前にその高校を見学に行くこともあまりありませんでした。それに比べると今は公立も私学も様々な説明会をして情報があふれています。それだけ情報の取捨選択が難しくなったということです。
 インターネットで情報検索ができる人は何でもよいから検索してみてください。たくさんの情報がヒットします。ある調査によると検索情報の上位に来る情報だけが取り出される確立が極めて高く、下位に来る情報はほとんど見られていないそうです。たとえば「高校」と入力して、yahooで検索してみてください。約450,000,000件もヒットします。それを一つずつ確認することなどは不可能なことでしょう。だから検索情報の上位に来るようなホームページをつくる会社も存在するほどです。「高校」と入力してその上位5番目ぐらいまでに「芦間高校」のホームページがヒットしたら、芦間高校のホームページの訪問者はおそらく今の10倍以上に増えるはずです(現在芦間のホームページの訪問者は10月1ヶ月間で全国8位、昨日1日では全国7位でした)。
 ところが検索上位に来ることと情報の正確さには何の関係ありません。この頃の大学のレポートではネットで検索した情報をただコピーしただけというものが多いようですが、これは情報のまちがった使い方です。情報というのは、様々な情報を比較し、検討してそこから正しいものを取り出してはじめて意味のあるものなのです。どのように情報を利用するか、情報の正しい使い方が問われている時代なのです。
 芦間高校のホームページには嘘はありませんが、ホームページだけではわからないことはたくさんあります。是非とも学校を見学に来て、学校のもっている空気を感じてください。学校のもつ空気感というのも学校選びには重要な要素です。また中学校からのご要望があれば、生徒に対して、保護者の方に対して、先生に対しての説明にいつでも伺います。(今日は家で更新したので、写真がありません。明日学校で写真を貼り付けます)

148  守口市立大久保中学校におじゃましました  2008年11月09日(日)
 今日は守口市立大久保中学校(写真)の説明会に出席しました。大久保中学校では今日が参観日で、そのあと保護者の方を対象に、守口東高校、淀川工科高校と本校の3校の説明でした。
 工業や商業、あるいは理数科、国際教養(英語)科に比べて総合学科というのはわかりにくいようなので、その部分に重点を置いて説明しました。理数科、国際教養科などをすべて含んだ学科が総合学科で、専門学科と大きく異なる点はそれぞれの専門で受験をするのではなく、総合学科として受験し、2年生から自分に合わせた科目を選択して、最終的には専門学科と同じぐらいの教科を学習することができるということです。選択科目はたくさんあるので、自分にあった科目を選ぶことで十分大学受験対策もできるという学科です。入試の時から専門を決めないので、ゆっくり自分にあった科目を選ぶことができるので、まだ自分の目標が決まっていない人にとっても有利な学科だと思います。・・・・・・というお話をしてきました。
 15〜20分の説明というのは言いたいことがたくさんあって、話しをコンパクトにまとめるのがむずかしく、どの中学校へおじゃましても話し足りなかったなと思ってしまいます。もっとたくさん説明することはありますので、本校に興味を持っていただけたら、11月15日の説明会や、12月、1月にも説明会がありますのでぜひお越しください。保護者の方も非常に熱心に聞いていただき、どうもありがとうございました。
 ところで、私は地理の教師で、よく大阪を案内します。門真市周辺の輪中地帯や古川の流域はたまに歩くのですが、京阪電車より北側はあまり土地勘がなく寝屋川、守口市境付近は初めて歩くことができました。大久保中学校の帰りに、江戸時代の庄屋である中西家住宅を復元保存した守口歴史館を訪問しましたが、長屋門から庭に至るまで見事に復元してあり、江戸時代の豪農の屋敷の様子がよくわかる、立派な資料館でした。
 もう明日が〆切になりますが、11月23日には柏原市の大和川付け替え地点や八尾市の河内木綿染色工房、久宝寺寺内町方面を案内します。大阪府高等学校社会科研究会のホームページをご覧ください。興味がおありでしたら急いでお申し込みください。

147  語学研修と学費についての説明会  2008年11月08日(土)
 今日は海外語学研修説明会と2年生の保護者集会の二本立てでした。海外語学研修は来年の3月に15日間の日程でオーストラリアのアデレード、ハミルトン高校へ行くことになっています。今年は14名の応募がありました。今からパスポートやビザ、アプリケーションフォームの用意をする必要があるので、まだ4ヶ月先ですが今日説明会を開催しました。今は円高でオーストラリアドルも1ドル66円ぐらいのレートになっていますので、昨年よりは少しは安く行けそうですが、相変わらず原油高で航空機の燃油サーチャージが高くなっています。海外旅行が高くなって、今年から修学旅行も国内(北海道道東、来年は沖縄宮古島)になりました。高校生の間に海外に行って見聞を広め、英語も話せるようになる機会はこの語学研修だけなので、是非とも意義のある研修にしてもらいたいと思います。宿泊もすべてホームステイなので、英語以外にはコミュニケーションの手段はありませんので、きっと英語がうまくしゃべれるようになって帰ってきてくれると思います。
 2年生の保護者集会は受験生援護センターのファイナンシャルプランナー石原さんから進学のためのお金についての話を伺いました。上級学校への進学には受験料、入学金、授業料等かなりのお金が必要です。どれぐらいのお金の準備が必要なのか、奨学金の制度はどうなっているのかなど、学資について今から保護者の方にもわかってもらっておく必要があるので今日の企画となりました。特に日本学生支援機構(旧日本育英会)奨学金は3年生の春に予約奨学生を申し込んでおく必要があります。しかも、有利子の第二種奨学金はほとんど採用されますが、無利子の第一種奨学金は成績の条項、家計収入の条項がありなかなか採用されません。成績条項をクリアするためには、まだこれから成績を上げる余地があるこの時期に説明しておく必要があります。生徒にはすでに奨学金などの説明はしてありますので、保護者の方も今日話しを聞かれて、家で子どもと大学進学についての話しをしていただきたいものだと思います。

146  ジョブクエストのこと  2008年11月07日(金)
 今1年生はそれぞれで、自分の興味のある仕事について知るために、その仕事について教えていただけるところへ電話をかけてアポを取っています。産業社会と人間の授業で、生徒の勤労観、職業観の育成、自分の生き方を自分で考えることを目標にして、興味のある仕事について調べ、その職業に就いておられる方からお話を伺うという授業を実施しています。「ジョブクエスト」と名づけています。
お仕事に就かれている人に失礼のないようにアポが取れ、お会いしてちゃんとした応対ができるように、先日マナー講座(写真)も開催しました。生徒が訪問するのは12月15日(月)〜19日(金)のいずれかの日の午後になります。
自分は教師になりたいので、教育委員会の仕事が知りたいということで、大阪府教育委員会へ電話をした男子生徒がありました。今日の午後に、窓口になっていただいた教育委員会の指導主事の先生が別件で本校へ来られたので、帰られる前にその生徒と会っていただいて、具体的な内容についての打ち合わせをしていただきました。校長室で話したので彼はかなり緊張していたようですが、しっかり自分の考えていることを答えていました。質問したい項目をいくつか挙げてFAXするように指示があり、委員会でもその内容をみて答えの準備をしていただくことになりました。また日程も後日連絡があるそうです。
生徒は自分でアポを取るというのは初めてという人が多いだろうと思います。まず、電話の趣旨を伝え、日程調整をすることは簡単なことのようでかなりむずかしいものです。相手があることですから、一方的にこちらのことだけを話すのではなく、相手のことを考えながら話さなければなりませんし、敬語も間違いなく使わないといけません。むずかしいですが、この経験はきっと将来に生きてくるだろうと思います。
もし、芦間高校1年生の生徒から電話があって、上記のような趣旨を伝えたら、お忙しいとは思いますが、何とか生徒の学習をサポートしてやっていただきますようにお願いいたします。


145  台湾からお客さんが多数来られました  2008年11月06日(木)
 今日は午後から台湾高雄市立中正高級工業職業学校の生徒、先生合わせて60名ほどの訪問がありました。修学旅行で関西に来られて、本校で学校間交流をすることになり、来られたものです。修学旅行の日程表を見せていただきましたが、日本の修学旅行とは少し違ってなかなか興味深いものです。例えばセントレアに到着して京都へ移動する途中で見学する「MIHO美術館」信楽にある美術館ですが、大阪や京都に住んでいる人でも、見学したことがない人も多いと思います。京都でも金閣寺や清水寺、保津峡のトロッコ列車は定番ですが、安倍清明神社の見学が入っているのがちょっと異色です。大阪では大阪城の見学のあと本校へ来られて、その後は心斎橋、道頓堀、アメリカ村へ行かれるようです。最も大阪らしいところかもしれません。昨日は南港ATCのグリーンエコプラザを見学されたようで、さすがに工業高校の修学旅行です。明日は終日USJだそうです。思い切り楽しんでください。
 午後1時ごろ到着されて、食堂で昼食をとってもらった後、視聴覚室で歓迎式を行いました。どの生徒も礼儀正しく、きちんと挨拶してくれるし、私の最初の歓迎の挨拶のときでもまったく私語もなく非常に好感の持てる高校生たちでした。歓迎式典の後は2年生のホームルームに入って、クラス別にビンゴゲームをしたり、フルーツバスケットをしたり、たこ焼きをつくったりと、みんな思い切り楽しんでいました。この中正工業高校では海外修学旅行を初めて企画したということで、先生方はうまく交流できるかどうか心配されていたようですが、そんな心配もまったく関係なく、生徒たちはそれぞれのクラスでの交流を楽しんでいました。6限後は、太極拳のパフォーマンス、こちらからは軽音部の演奏があり、その後はクラブ活動に参加してもらいました。これも時間をオーバーして交流するクラブもあってどちらの生徒も楽しそうでした。先生が心配するより、生徒同士は自然に仲良くなるものなのです。案ずるより生むが安しです。最後の生徒会の挨拶の後、みんなで記念写真、もうそのときには仲良くなってふつうに話している生徒同士や、いっしょにカメラに収まっている生徒もいて和気藹々といったムードになっていました。海外の学校との交流などがあるといつも感じることですが、高校生より大人のほうがずっと言葉や文化の壁が高いようです。帰りのバスでも、バスから手を出して握手している生徒、何かお土産を渡している生徒など、つい1〜2時間前に出会ったとは思えないような仲のよい生徒もあって、彼ら彼女らのパワーはすごいなと感じてしまいました。忙しい日でしたが、楽しい経験をさせてもらった日でした。写真は最後の記念写真です。後ろの歓迎のポスターは、軽音部がつくったものです。


144  エスペランサを聴きました  2008年11月05日(水)
 今日は午後から、守口さつきホールで人権学習でした。今日の人権学習はエスペランサというフルート(オカリナ)とベースのご夫婦のデュオのトーク&コンサートを聴きました。エスペランサは一度8チャンネルの「奇跡体験アンビリーバボー」でも紹介されたことがあります。フルートを演奏される奥さんの方がクローン病という内臓系の難病を克服されて、現在は年100回近くのコンサートをされています。今でも完治したわけではなく病気と戦っておられ、その自分の体験を元にしたトークと演奏をされるグループです。フルートを始めた経緯、音楽大学で優秀な成績であったときに突然襲ってきた病気、病気の苦しみの中からたくさんの人に励まし、支えられて再び立ち上がったようすなどをお話されながら、フルート(オカリナ)とベースでたくさんの曲を演奏していただきました。ホルストの「木星」、バッハの「G線上のアリア」などのクラシックの他、コブクロの「蕾」、葉加瀬太郎の「情熱大陸」、井上陽水の「少年時代」などどの曲もさすがに一流のプレイヤーだけあって、すごい演奏でした。また、お話もご自分の体験を元にしていますから、絶望の中から再び新しい夢を持てるようになるまでの自分の心の動きや、自分の生き方、周りの人々とのつながりなど、生徒が聞いて夢と希望を得ることができるものでした。きっと感動した生徒も多かったのではないかと思います。「病気を持って大変ですね、がんばってください」という感想ではなく、「自分自身のこれからの生き方の姿勢」を生徒が考えてくれれば、今日の人権学習は成功だったのではないかと思います。
 人は一人では生きていけないということは、誰でもわかっていて、誰でも口にすることばですが、自分に辛いことや悩みがあるときなど「自分だけが不幸なんだ」と思ってしまいます。自分のことにだけ関わってしまうと、周りの人々の支えが見えないこともよくあることです。生徒にはそういう時に今日のコンサートを思い出してほしいと思います。孫悟空の元気玉はみんなから少しずつ元気を分けてもらってできるものです。誰でも元気玉をつくることができるのです。


143  サンフェアに行ってきました  2008年11月04日(火)
 昨日は朝から南港ATCをメイン会場にして開催されていたサンフェア2008に行ってきました。サンフェアというのは全国産業教育フェアのことで、全国から工業、農業、水産などの学科をもつ高等学校や支援学校、総合学科などが一堂に集まる大会で、今年は大阪で開催されました。11月2日(日)、3日(祝)の開催で、2日間で10万人を超える人が見学に訪れ、大盛会でした。ATCの最寄り駅のトレードセンター前駅はいつもは人の乗り降りの少ない駅なのですが、この2日間は全国から集まる高校生や先生、一般の人たちであふれかえっていました。本校は総合学科ですが、母体校の守口高校、守口北高校が両方とも普通科高校であったのでサンフェアには参加していません。
 各高校のブースでは、ロボットを展示している学校があったり、学校でつくったジャムを販売している学校があったり、それぞれの学校の特徴を生かした展示が行われていて大変楽しい企画でした。ATCは南港にあるので、学校の練習船の船内見学を企画した水産高校もあって盛りだくさんの企画でした。私は京都すばる高校の生徒がプログラムしたテトリスと五目並べを合体させたようなゲームを体験させてもらいましたが、なかなかおもしろいゲームで、女子生徒が一生懸命説明してくれました。将来はコンピュータ関係の仕事をしたいそうで、是非とも高校で学んだ知識を将来に生かしてほしいと思います。
 いくつかのホールではパネルディスカッションや講演も行われており、その一つのキャリア教育についてのパネルディスカッションも見学させてもらいました。大阪の工業高校や商業高校、農業高校の卒業生で現在は社会に出てがんばっている人たちの話を聞くことができました。様々な体験談などを聞かせてもらいましたが、やはり社会に出て重要なのは人と人をつなぐコミュニケーション力だというお話しに、なるほどと思います。社会へ出れば人と対話をして物事を進めていくことが重要になってきます。人との接し方、ことばの選び方、相手への思いやり、自分の意見の主張の方法などのコミュニケーションを今の生徒は子どもの頃からの体験として学んでいないので、自分のことばかりに関わって相手の身になって考えるコミュニケーションが下手な生徒が多いように感じます。また今の高校はむかしと違って様々な教育が用意されていますが、コミュニケーションの力をつける教育というのはあまりできていないように思います。
 本校の「産業社会と人間」や「総合学習」などの科目を利用してコミュニケーション力をつける教育にもっと力を入れなければいけないなと感じたパネルディスカッションでした。





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