17  たった一人の遠距離通学  2006年05月31日(水)
 本校は総合学科の高等学校であるため、通学区域の制限がありません。大阪府内であればどこからでも志願することができます。5月29日、今年の卒業生が校長室に私を訪ねてきてくれました。私はこの4月に赴任しましたので、その人とは全く面識がなかったのですが、彼女のお母さんが私の教え子であったので、訪ねて来てくれたのでした。色々話をしている間に、出身中学の話になり、彼女が住吉区の中学の卒業生であることがわかりました。住吉区の中学生がなぜ本校を志望したのかと聞きますと、「将来福祉や医療の方面に進みたかったので、公立高校でその勉強ができる学校を探していたら偶然本校のパンフレットを見つけて、芦間高校を受けようと思った」そうです。そして見事合格されました。
 そこで次に、入学直後の気持ちについて訪ねてみました。「同じ中学からは誰一人一緒に入学した人がおらず、たった一人で高校生活が始まったのですが、心細くはなかったのか」と尋ねましたところ、「クラスで前の席に座っていた人が守口市の八雲中学の出身だったので、その人と親しくなれば、友達の輪がいっぺんに広がるのではないかと思い、自分から声かけをした」そうです。だからすぐに友達が増え、その心配は霧散したそうです。またクラブはバスケット部に入ったそうです。そして通学に1時間かかるため朝練のある日は眠たいので、地下鉄の中では睡眠時間を確保し、帰りは家に着くのが遅くなるので、できるだけ電車の中で勉強をしていたのだそうです。そしてこの春目標としていた学校に入学できました。
 このように、本来ならばマイナスの条件になる、「友達が誰もいない高校に入学し、さらに1時間もかかる遠距離通学」もうまく活用して、充実した高校生活を送ることができる工夫をした彼女の生き方に感心いたしました。
 このHPをご覧になっている守口から遠くの中学生の皆さん、たった一人の遠距離通学をこのように前向きに捉え、積極的に学校生活を送ることができることを知ってください。芦間高校はこのようなプラス思考のできる人にぴったりの学校なのです。志望校選びで通学条件で迷っている人、このように考えればその問題は解決できます。芦間高校はこんな元気な生徒がいっぱいいる楽しい学校です。
 近隣の皆様、毎日お騒がせしております。6月2日(金)の体育祭までお許しください。


16  社会科研究会  2006年05月29日(月)
 今回は大阪府立芦間高等学校の校長としてではなく、社会科教員としての稲田の立場から書かしていただきます。 私は昨年から大阪府高等学校社会科(地歴・公民)研究会の副会長を勤めています。この研究会は大阪の公立・私立の高等学校の社会科(地歴・公民)教員が、資質の向上と授業改善を目的として研鑽をするために作られた組織です。社会(倫理、政治経済)・地理・歴史(世界史、日本史)の5部会と教育課程・機関誌・見学会・視聴覚・標準問題・現代社会の6委員会から構成されています。私も30歳代からこの研究会に参加し、標準問題委員会や見学会委員会に所属し、活動を続けてきました。途中教頭をしていました時期は、校務が特に忙しかったため少し遠ざかっておりましたが、現在は積極的に関わっております。もちろん本校の社会科の教員も会員となっています。
 さて5月19日(金)に担当事務局があります高津高校で、本年度の理事総会が開催されました。昨年度の事業報告・会計報告、今年度の予算・事業計画が審議されました。しかしこの組織も現在の高等学校教育界の構造的問題である高齢化と、学校の多忙化の影響を受け、参加者の固定化と減少という厳しい問題に直面しています。かつては各種の活動に常時50人以上の参加者があり、特に会員見学会では用意した2台の貸し切りバスが満員になるほど参加者がありましたが、現在は大変苦しい状況になっています。しかし社会科教員としての資質の向上と授業の改善という高邁な目標に向かって、従来から行っている活動に加えて、新しい企画にも挑戦しています。中でもIT化の進行にあわせて、社会科教員の資質の向上と授業の改善をめざす研究として、平成16年度から文科省の「教育情報共有化推進モデル事業」に参加し、各教員が作成した教材や指導案などをコンピューターを通して共有化し、授業改善に役立てようとするプロジェクトを実施し、その成果をCDにまとめました。それと同時に、大阪府高等学校社会科(地歴・公民)研究会のHPも作成し、いち早くIT化に対応できるように努力しております。詳しくはhttp://oh-syaken.com/x/modules/myalbum/にアクセスしてみてください。
 学校は6月2日に開催される体育祭に向かって活発に活動しており、私としては雨が降らないことをただひたすら願っております。


15  PTA総会  2006年05月27日(土)
 5月27日(土)3時から本校のPTA総会が開催されました。74名のご出席をいただきました。そのうち実行委員さんが約20名おられますので、一般の会員さんは約50名参加していただきました。昨年度の事業報告・会計報告、本年度の事業計画、予算がそれぞれ承認され、本年度の役員、実行委員さんの自己紹介がありました。最後に私がご挨拶させていただきました。生徒諸君が非常に明るく前向きであること、教職員が大変よく働くことの2点を中心に、この4月に赴任して以来感じてきたことを少し話させていただきました。そして卒業式の後、生徒諸君がもう一度この学校で過ごしたいと思ってくれる学校作りを、教職員と一緒になって努力したいと述べました。またできるだけまめに「校長便り」を発信していきたいと申し上げました。
 これだけたくさんの一般会員さんが参加していただけるのなら、いわゆる総会の議事だけではなく、保護者の皆さんに役に立つ、あるいは楽しんでいただくイベントを同時に開催してもいいのではないかと思いました。お休みにもかかわらず総会に参加いただきました会員の皆様ありがとうございました。


14  途端に賑やかになりました。  2006年05月25日(木)
 今日で中間試験が終わりました。昨日まではあんなに静かであった学校に喧騒が戻ってきました。特に来月の2日に体育祭が開催されますので、その応援団の練習が活発になってきたのです。本校は女子が全体の8割を占めるため、応援団のリーダーも女子が多いのですが、カセットの音量を上げ、自分たちの考えた振り付けで練習に励んでいます。また校舎内ではチームの応援看板の制作も進んでおり、それぞれの生徒が得意の分野で、力一杯体育祭の準備に取り組んでいます。
 一方クラブ活動も再開され、各々のクラブがいつものように元気に活動を始めました。こうして学校は再び大変賑やかになりました。
 学校近隣の皆様には、この期間体育祭の練習のため、大きな音を出し大変ご迷惑をおかけいたしますが、お許しいただきますようお願い申し上げます。


13  試験中の午後の校舎  2006年05月24日(水)
 5月22日(月)から中間考査が行われているため、午後は学校が静かです。芥川高校、茨木高校で各3年計6年間教頭をしていましたので、下校前に校舎を巡回し、閉め忘れている窓を点検し、消し忘れている電灯を消灯する事が身にしみついています。今日も急に雨が降ってきたのと、仕事が一段落しましたので、校舎内を巡回して回りました。明日の試験勉強に励む生徒が少し教室に残っているほかは、静まりかえっています。その生徒たちに声かけをし、順番に教室を見て回りました。この静けさが私は好きです。かつて夜中に警備会社から連絡が入り、学校に駆けつけて校舎内を点検したことが何回かありましたので、夜の校舎はあまり好きではありません。試験中の午後の校舎が何となくほっとします。
 職員室では熱心に学年指導の打ち合わせをしている担任の教員、テストの採点に集中している教員など、授業はありませんが皆さん仕事に励んでいます。また就職を希望する生徒のために全教員で企業訪問をしていますので、日頃は時間がとれないので、試験中の午後に集中して会社訪問をしている教員もたくさんいます。
 私が駆け出しの頃は、まだまだ学校ものんびりしており、試験中の午後は、野球やバドミントンなどで汗を流したり、学年や教科の懇親会などをしていましたが、今の学校はほんとうに忙しくなり、そんな悠長なことをしている時間はほとんどありません。特に本校は選択科目も多く、生徒の進路も多彩であるため、その対応に没頭しています。でも一人一人の教員は明るく元気でパワーに溢れ、どうしたら生徒のためになるか一生懸命考え、前向きに走り回っています。


12  教職員研修  2006年05月23日(火)
 5月22日(月)中間試験の第1日目を利用して、午後から教職員研修を開催しました。内容は@「より良い科目選択に向けて」、A中学生向け広報活動について、B相互授業参観について の3つをテーマとしました。
 まず@の「より良い科目選択に向けて」については、本校は総合学科であるため、140科目におよぶ選択科目を用意していますが、2年生以降に生徒が自分の興味・関心や進路にあわせて間違いなく、適切に科目選択ができるように指導するための、原則や方法について研究しました。また多種多様な科目が開講されているため、それらの目標や内容、開講の趣旨を各教科代表者から説明を受けました。普通科と異なり定番の授業を一斉に履修させるのではなく、各人が自由に選択できる総合学科の利点を生かした履修をさせるために、教員一人ひとりが「本校の制度」と「授業内容の理解」が必要になってくるのです。そしてめまぐるしく変化する最新の入試システムと、それに対応するための誤りのない科目選択について、詳細に共通理解を深めました。
 次にA中学生向け広報活動についてては、本校の学校経営の重要な柱の一つである、「入口を固める 」つまり中学3年生に如何にして芦間高校を知ってもらい、志願してもらうかの戦略について協議しました。中学生に芦間高校を認知してもらい、受験してもらうために効果的な方法はどのようなものがあるが、どのように中学3年生に迫っていけばよいか考えました。
 最後にB相互授業参観については、「授業を磨く」をテーマに、4月後半から行ってきました授業公開について、授業を参観した教員からのコメントを確認し、教員としてより良い授業を行うために必要なことは何か、教員として「意欲と元気」を持って授業を展開するために必要なものは何かを参加者で話し合いました。
 以上のように、本校は歴史と伝統の少ない創立わずか5年目の新しい学校であるため、まだまだ整備しなければならない課題が山積していますが、それらの解決について、職員全員が真摯に、積極的に、前向きに取り組み、生徒諸君にどのように迫ればよいか、保護者や地域から信頼される学校になるにはどうすればよいかを日夜研究し、実践をしています。

11  人権教育映画鑑賞会  2006年05月19日(金)
 5月18日(木)午後1時30分から守口市民会館さつきホールで、全盲の中学教師・河合純一さんの半生を描いた映画「夢 追いかけて」を1、2、3年全員で鑑賞しました。中学3年で完全に失明し、絶望のどん底に落とされましたが、教師になるという目標を実現するため上京し、筑波大学付属盲学校に入学、さらに早稲田大学へ進学し、ついに静岡県の中学教員になられたという話でありました。と同時に彼は5才から始めた水泳でも非凡な才能を伸ばし、バルセロナ大会以来4回のパラリンピックで金・銀・銅あわせて18個のメダルを獲得されています。全編を通じて、夢を捨てず、高い目標を掲げ、それを達成するために努力を続けることの大切さと、その彼を取り巻く友人とのすがすがしい関係を描いた映画でした。
 本校の教育目標の一つである「共生」の意味と、高い目標を設定しひたむきに努力することの崇高さを、生徒諸君が理解し・共感してくれたものと思います。
 この映画鑑賞と同じ時刻に学校では、本年入学した視力障害のある生徒の教材を点訳していただいているボランティアグループの方々が、22日から実施される中間考査問題の点訳作業に来ていただきました。このグループの皆様のことは、5月10日の読売新聞夕刊のコラムにも掲載されましたが、学期はじめに教科書などの点訳で大変お世話になっており、本校教育を支えていただいき感謝しております。
 さらに同時刻に、現在府立高校で教鞭をとっておられるALTの皆さんのmeetingも行われました。
 この日はめまぐるしい一日でした。


10  論文発表大会の感想  2006年05月18日(木)
 5月11日に開催しました3期生の論文発表大会について、3期生諸君に感想を書いてもらいました。代表に選ばれた6人の発表が非常にすばらしかったことに共鳴した人や、自分が論文を作成できたということに、喜びを感じている人がたくさんいました。たとえば、『代表者6人と同じように、論文に真剣に取り組んだ芦間の3期生一人ひとりの貴重な経験が「形」として残った。自分の意見を形にすることは、文章に限ったことではないが、「言葉」はこんなにも人の心を揺さぶるものであると、改めて実感した』『ただ調べたことや自分の考えをまとめただけではなくて、論文を書いたことがその人にとって意味のあるものになっていることがわかりました』『私たちが1年の頃からクラスメイトの前で、色々な発表を繰り返し繰り返し行ってきた成果だと思います。いつも発表とか面倒だと思っていたけれど、今思えばそれは自分の力になっていることに気づきました』『みんなと一体になって聞いている感じがした。どれも本当に良くて、僕だったら引き分けにしてたと思うけど、誰が1番だったとかは関係なく、とてもこれから先の良い財産になるものを聞かせてもらったと思った』『私は私自身の意見を持つことができたし、興味がなかったものに改めて胸を打たれたりした。論文の内容についてみんなで話し合う機会もあったら楽しそうだなと思いました』このように、今まで経験したことのない論文作成という大きな「仕事」を成し遂げた達成感と、それぞれのテーマに対する同級生の意気込みを共感できたことが、生徒諸君の心と頭の中に、非常に大きな意味を与えたと思いました。ゼロから始めて、骨組みを作り、身をつけ、時間をかけて作品を創ると言う知的作業の重要さを、生徒諸君が充分理解してくれたと思います。


9  PTA実行委員会  2006年05月15日(月)
 5月13日土曜日にPTA実行委員会が開催されました。本校では保護者の皆様が参加していただきやすいよう、PTA関係の行事は土曜日に設定しています。当日は新役員さんの顔合わせ、17年度会計決算・18年度予算の審議、各学年・委員会の本年度の事業計画を策定し、27日の総会の準備をいたしました。言うまでもなく子どもの成長は保護者と学校が車の両輪となり、見守り、励ましていくものです。この考え方に立ち、今年も保護者の皆様と学校が協力して、生徒諸君の育成に努めて参ります。


8  3年生論文発表会  2006年05月11日(木)
 5月11日(木)5限に3年生の論文発表大会がありました。これは「総合的な学習の時間」の授業の一環として、昨年の秋以来、テーマ設定、資料収集、分析、考察を加え、「卒業論文」としてまとめたものです。各クラスで発表会を行い、最優秀であった論文が選ばれ、晴れの発表大会に出場・発表したものです。当日は「情報論」「安楽死を考える」「ドーマン法について」「日本の貨幣」「リラックスでα波」「クリック募金」の6本の発表がありました。いずれも内容が深く、聴衆として参加した生徒も大変熱心に聞いていました。今の若者はでは刹那的で軽薄なものしか関心がないように思われていますが、生徒たちは学術的な事象や社会現象の分析、健康・生命にかかわる重いテーマに正面から取り組んで研究を進めました。これも総合学科の大きな特色の一つであると思います。


7  避難訓練  2006年05月10日(水)
 5月9日(火)午後、本年度最初の避難訓練を実施しました。昨年と同じく、地震を想定しています。「地震の揺れが収まって安全が確認されました。只今より避難を始めてください」という放送で、全員が避難を開始しました。本校は総合学科の学校なので、授業は生徒の希望・興味・関心・進路にあわせて多くの選択科目を開講しており、同じクラスに在籍していても授業を受けている教室がそれぞれ異なります。全員が定められた最短の避難経路でグラウンドに集合し、クラス毎に整列、クラスの代表生徒が点呼し、順次担任・学年主任・教頭へ報告し、全員の避難完了が確認されました。地震はいつ起こるかわかりません。しかし、被害を最小限に止めるためには、今回のような訓練を重ねることが大切です。
訓練終了後、全校集合を実施し、前期生徒会役員の認証式をしました。体育祭・文化祭を支えて活躍してくれる生徒会役員です。まずはしっかり勉強して中間考査を終え、その後体育祭に向けて全力で取り組んでくれるものと期待しています。






大阪府立
芦間高等学校
歴代校長だより