209 | 2005年01月01日(土) | 心の豊かさを育てる |
この乙酉の年は過去の歴史から見ても、前年の問題の多い年とは異なり、新しい方向に向かって一歩一歩確実に前進していく年であると言われています。
六十年前は丁度太平洋戦争が終結した年。日本全体が焼野が原となり、衣食住が極端に欠乏する中で、全員が懸命な努力を続けてきました。そして日本は世界第2位のGDPを有する経済大国にまで発展してきました。確かに今、物は満ち溢れていますし、生活も見違えるほど便利になってきました。しかし、反面この間に失ったものもたくさんあります。その最も大きいものは人間としての心≠フ部分です。「忠恕」「感謝」「志」「使命感」「倫理観」「愛国心」等の欠如はいたるところで見られます。『21世紀は心の時代』、これからは国も地方も企業も家庭も個人もこれまでの取り組みを反省し、原点に戻って考え直していくことが必要なのではないでしょうか。当然のことながら教育が重要な位置づけにあるのは間違いありません。
心の豊かさ≠育てる教育を目指して、新たな一歩を踏み出す年にしていきたいと思っています。
210 | 2005年01月08日(土) | 広がる交流の輪 |
1月6日(水)泉鳥取高等学校の竹本校長先生以下8名の方がお越しになり約2時間にわたり色々なお話をさせていただきました。泉鳥取高校は和歌山県との県境に近い阪南市にあり、昭和51年(1976年)創立で来年が記念すべき30周年にあたります。来校された方は「将来構想委員会」のメンバーが中心で、これから新たな学校づくりを進めていきたいという意欲がひしひしと伝わってきました。竹本校長先生の社会性を育てる。社会生活を営む上で必要となる基本的な知識、態度・思いやり、努力・忍耐を身につける≠ニいう考え方には共感しました。また本校とは学区も異なるため、これまで交流することはほとんどありませんでしたが、地理的な条件や生徒指導面で随分とご苦労されている様子も感じとることができました。
現在、大阪府には約200の高校がありますが、学校が抱えている課題はさまざまです。課題解決のためには自分達の学校の弱みをいくら抽出しても何にもなりません。「弱みの裏には強みが」「強みの裏には弱みが」あります。自分達の強みを見つけ出し、「どのような学校をつくっていくのか」というビジョンを掲げ、他の学校にない特色を創り出すことが大切です。
本校も間もなく創立後三年が経過し、新しい課題が出てきています。これから次なる3年に向かっての計画づくりを策定していきたいと思っています。
211 | 2005年01月15日(土) | センター入試に臨む |
『人事を尽くして天命を待つ』という言葉がありますが、経験の少ない生徒達にとってはなかなかそういう心境にはなれないと思います。緊張のため食事も喉に通らない、十分な睡眠もとれない、といった独特の雰囲気の中での受験になることでしょう。まさに『艱難(かんなん)汝を玉にす』。このような経験を積み重ねて人間は成長していくものです。
全員がこれまでの日頃の研鑽の成果を遺憾なく発揮し、良い成果に結びつけて欲しいと切望しています。
212 | 2005年01月18日(火) | 校外の人との交流 |
その後、奈良県の教務研究協議会総会において『新しい視点に立った学校づくり』というテーマで講演を行い、教務部長の皆さんと意見交換しましたが、学校毎のさまざまな課題解決に向けて創意工夫を凝らしておられることがわかり大変勉強になりました。
学校は閉じられた社会であると多くの方から言われますが、教職員が学校以外の人と交流する機会が少ないことも一因であると感じています。私自身も教育界での生活が三年になりましたが、昨今企業で勤務していた時に比べ異質な体験を有する人や異なる分野の人との出会いは極端に少なくなってきています。
また教育界での交流も大阪府内や学区内の高校教育関係者が大半で、他府県や小学校・中学校・大学との交流は活発とは言えません。
自分達の枠の中で物事を考えていてもなかなか斬新な発想は出来ないものです。これからも自ら機会を見つけて積極的に校外の人との交流をはかっていきたいと思っています。
213 | 2005年01月23日(日) | 先輩からのメッセージ |
運動クラブ、文化クラブの代表からは「失敗の経験を乗り越えて欲しい。やりあげた時の充実感を味わって欲しい。」「部活動を通じて人間関係や礼儀を身につけて欲しい。」車座の代表からは「花見の会やサマーフェスティバルで一番やりたいことをやらせていただいた。他の人の立場に立つことが大切。動き出すと誰かが助けてくれることが分かった。」体育祭の応援団長からは「人をまとめることの難しさ、お互いに磨き磨かれることを知った。」文化祭の代表からは「やりきった後の達成感、舞台は一人では出来ない。一人では小さな夢だが、クラス全体では大きな夢につながる。」本校初の国立大学への進学が決まった生徒からは「自分のやりたいことを見つけることが大切。勉強を始めたきっかけはJICAの活動を通じ世界中の飢餓を救おうと思ったこと。」等々です。
最後に、前生徒会長からは「守口高校と守口北高校を合わせると106年の歴史になる。これを大切にし、芦間高校の第一歩を踏み出していきたい。芦間はまだまだ不完全なこともある。芦間をどういう学校にするのかを考えて一期生を超えて欲しい」というメッセージが届けられました。 これを受けて、二、三期生からは思い出をまとめたパワーポイントによるスライドが上映され、感謝の気持を込めて一人一人にメッセージ・カードが送られました。生徒達の心の絆がしっかりと結ばれていくのが感じられたすがすがしい一時でした。
214 | 2005年01月29日(土) | 桂 睦子さんをお迎えして |
1月13日(木)6時間目、3年生の課題研究の時間に、前茨木市会議員の桂睦子さんに講演をお願いしました。生徒達のこれからの「課題」として、「政治」に関心を持って、積極的に政治参加して欲しいという願いからでした。「政治」が議会のみでやられるものだけではなく、自分たちの日々の生活と密接に結びついているということを実感して欲しかったのです。
桂さんは8年前に28歳で市会議員になられたのですが、生徒達はまず、その若々しさとざっくばらんな語り口に魅せられたようでした。ストーブを入れた食堂で、桂さんを囲んだ温かな雰囲気の中で話は進みました。新体操ばかりに打ち込んでいた桂さんが、なぜ、議員になろうと思ったのか、そのきっかけとなったボランティア活動、祖母の介護などが、いきいきと語られました。生徒達は桂さんの行動力とまっすぐな情熱に、親しみを感じ自分達の近くに政治があるのだという印象を受けたようでした。また、フィリピンのスラムの話は、本校の修学旅行でもタイのスラムを回っていたので、それらが重なってより強い印象を持ったようでした。
生徒の希望で、「人間とは何か」「愛だの恋だの」の話も織り交ぜて、現実が一つの言葉には収まりきれない豊かなものだということや、議員になって初めて知った裏話も聞かせていただきました。多くの生徒からは1時間がアッという間だった。もっと色々な話を聞きたかったという感想が寄せられた充実した時間でした。
世の中のことをすべて学校で教えることは不可能ですが、これから子ども達が現実の社会で起こっているさまざまな出来事を自らの問題として考え行動してくれることを願っています。
215 | 2005年02月05日(土) | 進路実現までの日々 |
この生徒は地域で空手を教える中で、教えることの楽しさを感じ教師になることを目指して勉強を続けたようです。
「(前略)・・・合格するまでの日々は今となっては大切な日々であったと思います。小論文では1200字という今まで書いたことのない字数でした。小論文をあまり理解しておらず、何度書いてもうまくなりませんでした。そんな私をずっと教えてくださったのはチューターの先生でした。どうしたら私が理解できるかなど他の先生方の意見も聞いてくださいました。また、休みの日でも私のために学校に来て小論文を見てくださいました。ここまでしてくれた先生がいたからこそ私は途中で挫折することなく、最後まで小論文を書き続けることが出来たと思っています。そして面接についても何度も入退出の仕方、話し口調、姿勢など細かいところまで指導してくださったので本番ではあまり緊張することなく出来ました。これまで何度も悔し涙を流したから、本番ではドンとした気持で望めたからだと思います。今私がこうやって振り返ることが出来るのも、私を指導してくださった先生方や、心の支えとなった家族、友人がいたからだと思います。」
教育という仕事の素晴しさとやりがいを心の底から感じた一日でした。
216 | 2005年02月12日(土) | 「私には夢がある」〜英語暗唱大会〜 |
私もALTや学年代表の先生方と一緒に審査員として参加させていただきましたが、多くの中から選ばれただけあって甲乙つけがたい素晴しい出来映えでした。
今回の大会開催までには、三学期当初より全員にスピーチの暗唱部分を書くテストを行なって合格するまで何回もテストを実施、スピーチの意味確認や歴史的背景説明、音読練習、コーラス、リード&ルックアップ練習、ジェスチャー 、視線、早さなどの練習、暗記確認、ゆっくりと前に出て話す練習の後、学級ごとに生徒が審査員になり代表者を選抜するという何回ものステップがあったようです。
以下、中心になってこの企画を推進された英語科教員の感想です。
『…(前略)・・・生徒達は何回も何回も同級生の暗唱を聞くので、次第に内容を聞き取れるようになっていく。英語を発話したり、聴き取ったりする能力の基礎をつけるという点での効果が大きい。また、人前で話すことの難しさも体験できる。級友の上手な暗唱、上手な発音には生徒達も、しっかり聞き取って感嘆の声を上げていました。本当に最善を尽くして頑張る生徒、頑張れる生徒の素晴らしい暗唱を通じて、多くの生徒にやればできるんだ、やる気が大切なんだという事を伝えたい。「学業面での取り組み」で生徒達のモデルロールとなる「ヒーロー、ヒロイン的な生徒」達が活躍できる場面を、もっともっと行事に盛り込んでいきたい。そういう意味で、緊張やプレッシャーを乗り越えて努力を重ね、逃げずに最善を尽くしてくれた出場者6人は全員ヒーローだと思います。彼らのような生徒が芦間の授業を教師と一緒に創っていってくれる。大きな拍手を送りたい。』
この大会は英語科の教員はもとより会場設営や暖房の手配等多くの方々の協力で実現しました。このような機会を通じて子ども達が更に英語に興味を持ち語学力の向上に繋げていってくれることを期待しています。
217 | 2005年02月13日(日) | 卒業に向けて(T)〜美しい学校づくり〜 |
更に『花いっぱい運動』の一環として校庭にパンジーを植えつけましたが、昨年植えた水仙や百合の球根が一斉に芽を出し、桜の蕾も膨らみ始めています。これから卒業式に向けて美しい花をつけてくれることでしょう。
一方、間もなく巣立っていく三年生も自分達の手づくりの作品を後輩達に残そうと色々な取り組みを始めています。
送る者と送られる者が共に相手の気持ちを尊重しつつ何かを残していくという姿勢は実に大切であり本校の良き伝統にしていきたいと思っています。
218 | 2005年02月20日(日) | 地域へのメッセージ |
宇治市の小学校で児童が頭を斬りつけられ、千葉県の高校では事務職員が刺され、寝屋川市の小学校では教員の殺傷事件が起こりました。被害に遭われた方々には心からお悔やみ申し上げます。大阪教育大学付属池田小学校の事件以来、学校の危機管理の重要さが指摘されてきましたが、侵入方法も巧妙になってきています。この結果、今後ますます学校の門は固く閉ざされるようになっていかざるを得なくなり地域社会との隔絶が起こってくることが予想されます。
一方で学校と地域との連繋を強化して、地域に根ざした開かれた学校づくり≠フ必要性が叫ばれています。この相矛盾する二つのことを何とか解決していくためには、出来る限り学校の情報を地域社会に伝え理解を得つつ協力していただくことが必要です。本校ではこれまでホームページに教育活動や体育祭・文化祭・修学旅行といった行事、クラブ活動等の取り組みを紹介してきましたが、パソコン上だけでは不十分です。
このため2月17日(木)、正門横に屋外掲示板(ポスターケース)を設置し、学校のさまざまな取り組みを地域の方々にお知らせすることにしました。
安全管理のため通常は校門を閉ざしていますが、今年も桜花満開の季節には地域の皆様に花見を楽しんでいただこうということで、生徒有志が「桜祭り」を企画しています。
またこれからも地域の皆様と連携した多くの活動や快適で安全な地域社会づくりを目指して、努力を傾注してまいりますので、お気づきの点は忌憚なくご指摘いただきますようお願いします。
219 | 2005年02月23日(水) | 入学者選抜始まる |
志願者は地元の守口市をはじめ、寝屋川市、大阪市、枚方市、門真市を中心に府下89中学より、311人が受検してくれることになりました。定員は6クラス・240名のため、競争率は1.3倍となり、残念ながら全員が入学することはできません。
当然のことながら、選抜業務に当たってのミスは絶対に許されません。本校ではこれまで7回にわたる選抜委員会を行い、不測の事態に対応できるようマニュアルや各人の担当の見直しを行ってきました。また快適な環境下で、受検していただけるよう在校生の力を借りて校舎内の清掃を行い、暖房や照明の点検、放送設備の確認を行いました。更に昨日はインフルエンザ等で体調を崩して受検する生徒のために別室を確保、数名の教員が学校に泊り込む等万全の準備で臨みました。
お蔭様で、本日は一人の欠席者もなく全員が出席、また体調のすぐれない生徒も最後まで何とか別室で受検することができ無事に一日目が終了しました。明日は面接が予定されていますが、全員が最後まで全力を出し切って欲しいと願っています。
220 | 2005年02月27日(日) | 卒業に向けて(U)〜高い志が道を拓く〜 |
子ども達は最後の思い出づくりのために卒業前のフェスティバルの開催や卒業記念品のウッド・テーブル、校章入りのタオルの作成等色々と企画をしているようです。既に高校卒業後、四十年の歳月が過ぎ去りましたが、残念ながら当時何をしていたかは全く記憶にありません。これに比べると自分達の思いを持って取組んでいる本校の生徒達は素晴しいと思います。
来週の卒業式を控え話すことをまとめてみましたが、人の話がそのまま心に残ることはほとんどありません。このような反省に立って何とか子ども達に私の思いを伝えておきたいという思いでこの度高い志が道を拓く≠ニいう直筆の色紙を送ることにしました。
一人ひとりの名前を書いていると、三年間の思い出が次々と浮かんできます。
この間に生徒達は実に逞しく成長しましたが、これからの人生は決して平坦な道ばかりではないと思います。一回限りで後戻りの出来ない人生を高い志を持って生き抜くということが何よりも大切です。札幌農学校でのクラーク博士の少年よ、大志を抱け≠ニいう言葉はあまりにも有名ですが、高い志というのは大志に通じると思います。言い換えると自分なりの夢や目標をしっかりと設定し、その実現のために地道な努力を傾注していくことです。志とは単に「お金」や「利己的な満足」や「うたかたのように消える名誉や名声」を得るためのものではないということを胸に刻み込んでおいて欲しいものです。
子ども達が「人間として、世のため、人のため、将来のためになることを目指す」という姿勢を持ち続けてくれれば必ず道は拓けると確信しています。
221 | 2005年03月02日(水) | 四期生合格発表 |
「わぁー」「きゃー」という歓声が沸きあがった後、自分の番号を見つけて抱き合って喜ぶ者、携帯電話で家に連絡する者、逆にうつむいて泣きじゃくる者等さまざまな光景が見られました。
多くの子ども達にとって高校受検というのは初めての大きなチャレンジであったことでしょう。しかし、どんなことでもチャレンジすれば必ず成功するとは限りませんし、むしろ長い人生の中では自分の思いどおりにならない場合の方が多いかも知れません。チャレンジと失敗を繰り返して人は逞しく成長していくのです。今回、合格したものは今日の感動を忘れず気を引き締めて更なる努力を、残念ながら不合格になった者はこの悔しさを次なる飛躍のバネにして欲しいと願っています。
また合格された四期生の皆さんへの説明会は6日(日)を予定しています。
本日、ご自宅に関係書類を送付させていただきましたので、熟読の上ご来校下さい。
222 | 2005年03月07日(月) | 四期生・合格者説明会の開催 |
本校は総合学科ということで、府下全域から生徒募集を行なっていますが、今年は実に84の中学校から入学してくれることになりました。今年で4回目になりますが、年々出身中学の数が増えてきています。また、兄や姉に続いて本校にきてくれる生徒も数多く見られ、毎年の広報活動の結果が少しずつ出てきているのではないかと感じています。
冒頭、私から三つのことをお話しました。一つ目は、『人との出会い・縁を大切にする』ということです。人は人生において多くの人と出会いさまざまなことを学んでいきます。コミュニケーションをはかることが大切であり、そのためには「きっちりと挨拶すること」「しっかりと人の話を聴くこと」を心がけて欲しい。二つ目は、『初心を忘れず、力強いスタートを切る』ということです。合格の感激と今の決意を文章にして残しておく。そして入学までに万全の準備をしておいて欲しい。三つ目は、『芦間高校生としての自覚と誇りを持つ』ということです。皆さんひとり一人が学校を代表しているという気持で行動し、全員で歴史や伝統を築きあげて欲しい。
その後、各担当の先生からの説明や書類提出等の事務手続き、制服や教科書等の購入をしていただきました。
4月からはいよいよ新しい生活が始まりますが、中学と高校とでは生活環境が大きく変わります。そのためにも多くの面での切り替えが必要であり、この間の準備で高校生活が決まるといっても過言ではありません。
一ヶ月後、子ども達が明るく元気な姿で登校してくれることを願っています。
223 | 2005年03月07日(月) | 卒業に向けて(V)〜卒業記念品〜 |
今回の卒業にあたっても、自分達独自の卒業記念品を製作し学校に残したいということで色々と検討してきました。そして最終的には木材を使ったテーブルと椅子の製作ということになり、以前ログベンチづくりでお世話になった『和歌山県手づくりログハウス倶楽部』の玉置俊久会長はじめ県林務課や森林組合の皆様にお力添えをお願いしました。何とか卒業までに間に合わせたいということで大変なご無理を申し上げていましたが、先日その記念品が出来上がり、早速学校に届けていただきました。設置場所は色々と考えた結果、生徒達が集う一階の情報センターにさせていただきました。本格的な紀州材を使った素晴らしいテーブルと椅子です。木の温かみが感じられ校舎内が明るくなったように感じました。林務課の河野さんの話によると使えば使うほど味わいが深まってくるとのことです。これから末永く大切に使用していきたいものです。
また、今治市にある近藤繊維工業株式会社様には、校章入りの記念タオルを作っていただきました。これは生徒達が自分の思い出の品として考えたものですが、良い記念になったと思っています。
多くの皆様のご支援で生徒達の夢が次々と実現してきています。関係の皆様に心より感謝申し上げます。
224 | 2005年03月08日(火) | 第一回卒業式 |
私は式辞の中で一回限りで後戻りのできないかけがえのない人生を悔いのないよう全力で生き抜いて欲しい≠ニいうことを訴えました。
そのために三つのことをお話しました。一つ目は『高い志を持つ』、二つ目は『感謝の心を持つ』、三つ目は『継続する』、ということです。
これらはすべて本校の校訓に繋がります。第一の校訓である『自主・自立』は、ゆるぎない高邁な志を持って目標を設定し、その目標に向かって日々努力していくということです。第二の校訓である『共生』はいつも有難うという感謝の心を忘れず、常に相手の立場に立って物事を考え行動することです。第三の校訓である『創造』は常に当たり前のこと、簡単なことを継続することで、まずしっかりとした基盤を築く。そしてこれをベースに新たなものを創り出していくということです。
これからの世の中は情報化やグローバル化がますます進展し、日本も世界も大きく変わってきます。まさに変化はチャンス。子ども達が活躍する場はどんどん広がってきますが、単に「お金」や「利己的な満足」や「うたかたのように消える名誉や名声」に走るのではなく、人間として、世のため、人のため、未来のためになることを目指して素晴しい人生を歩んでくれることを切望しています。
本日卒業した一期生が社会で活躍する姿を見て後輩達が勇気づけられ後に続いていくことでしょう。そして、芦間高校の良き伝統が築き上げられていくことを心より願っています。
225 | 2005年03月11日(金) | 後輩からの暖かい祝福 |
本校の教訓のひとつは『共生』ですが、相手の立場を尊重するためのわかり易い行動として、私は日頃から自分のして欲しいと思うことを他人にしてあげる。逆に自分がされたら嫌なことを他人にしない≠ニいう事をいい続けています。この度在校生が卒業生に対して自主的に暖かい祝福のセレモニーを行なってくれる姿を目の当たりにして本当に嬉しく思いました。
一期生にとっては忘れえぬ思い出になったことは間違いありませんし、卒業式を通じて一期生から二期生、三期生への心の絆が一層強固に結ばれたことでしょう。一期生の諸君!どうかこの感激を忘れず、これからも芦間高校の卒業生という誇りを持って社会の多くの分野で活躍してください。
226 | 2005年03月12日(土) | 感動溢れる卒業生の言葉 |
檀上から来賓、保護者、先生、在校生に語りかけるというやり方で行いました。
卒業生の言葉の作成にあたっては更に二名のスタッフを加えた計五名が一か月以上かけて取り組んだようです。
既に進路が確定していたこともあって何度も構想を練り直し、細部にわたる修正を加え完成したのは卒業式の直前だったようです。
2002年に入学してからの高校生活の中での出来事を次々と紹介しましたが、それぞれに悩んだこと、苦しかったこと、嬉しかったこと、感動したことが盛り込まれており、こういった経験を通じて一人ひとりが逞しく成長してきた様子が全員にひしひしと伝わってきました。
特に最初の二年間は同一校舎内に二校が併存するという中で、制服も授業内容も全く異なるのに部活動や生徒会行事は合同で実施するという特別な状況の中で随分戸惑ったようです。しかし、“守北から芦間へ、未来に架ける虹の架け橋”のスローガンの下での学校行事を通じて両校の生徒が強い絆で結ばれることになりました。
また2004年からは、やっと芦間高校として三学年が揃うことになり、一期生は最上級生としての自覚のもと“芦間の芦間の第一歩”というスローガンを旗印に色々な取り組みを始めました。
最後に、事務職員、技師、食堂の従業員にいたるまですべての人に対してそれぞれ『ありがとう』という言葉で感謝の意を表しました。
最初から最後まですべてが“感動溢れる”言葉で綴られ、出席者全員の胸を打つ内容でした。これをベースに子ども達が更に大きく成長して欲しいと思っています。
227 | 2005年03月15日(火) | 終業式を終えて |
次いで「この一年間で成長したと思う人」「この一年間で学力が伸びたと思う人」は手を挙げてくださいと問いかけました。手を挙げた人は僅かです。そう思わない人はという質問に対してもあまり手は挙がりませんでした。この中には恥ずかしいという気持の人も、自信がないという人もあったと思います。
しかし、個々人にとって大きな差が出来たのは間違いのないことでしょう。私はいつも“高校は将来社会に出た時に役立つ力を育てるトレーニングの場”だと言い続けています。学力は三つの要素、つまり『本人の潜在能力』と『本人の努力』と『教える力』の掛け算だと思います。それぞれ10点満点であればトータルでは1000点になります。本人の努力が5点であれば500点、3点であれば300点にしかなりません。人間の脳細胞は140億個ありますが、その大半は使われていないという事実から見ても個人間の能力には大きな差はありません。本校の生徒達は全員が高い競争率を乗り越えて入学してきています。差がつくのは本人の努力によるところが大きいのは当然です。生徒と話していると「能力ないわ」とか「そんなん無理や」という言葉が返ってきますが、案外努力しないでこの言葉を発していることが多いように思います。
これから春休みに入りますが、この一年間の学校生活を反省して新たな気持で四月からの新学期を迎えてくれることを期待しています。
228 | 2005年03月21日(月) | 次年度に向けて |
本校は平成十四年に総合学科高校として創設以降、「入口を固める」「校内を固める」「出口を固める」という三つの方針でさまざまな取り組みを行なってきました。しかし、すべて順調に進んできた訳ではなく、むしろ反省すべき点の方が多かったかも知れません。大切なのはこの三年間の経験を次にどのような形で活かすことが出来るかですが、人間はややもするとうまくいったことに目を奪われがちになるものです。
『失敗は成功の母』という言葉がありますが、『失敗は失敗の母』でもあり、『成功は失敗の母』、『成功は成功の母』でもあるのです。いずれにしてもこれまでの取り組みを素直に反省して、真剣に次の対策を考え実行に移さなければ、貴重な経験が失敗の母になってしまいます。限られた時間で結論の出なかった課題については更に引き続いて討議し、次年度以降の教育活動計画に落とし込んでいきたいと思っています。
229 | 2005年03月27日(日) | 吹奏楽部三校合同演奏会 |