101 | 2004年01月03日(土) | 年頭にあたって |
明けましておめでとうございます。
地震で被災された人々、不安定な治安の中で生活されている人々、飢餓で苦しんでいる人々がおられる中で、無事に新しい年を迎えることが出来たことに対し感謝と喜びを感じています。
21世紀は心の時代と言われていますが、今の世界の状況はまさに言葉だけが独り歩きしています。年初にいただいた年賀状の中にも心や愛・誠・忠恕(まごころや思いやり)・利他という文字が散見され私と同じ思いの方が多くおられるように感じました。
昨今は民主主義を履き違えややもすると自分さえ良ければ≠ニいう風潮がありますが、常に微笑みを絶やさず、他人に対して優しさと思いやりの気持で接していけば必ず世の中が明るくなっていくと確信しています。
今年は守口北・芦間両校にとっては極めて重要な年になります。
『守口北高校の美しい幕引き』と『芦間高校の強固な基盤づくり』という二つの課題解決に向けて力を合わせて取り組んでいきたいと思っていますので何卒宜しくお願いします。
102 | 2004年01月10日(土) | 心新たに“今日出発” |
大きな事故もなく全員が登校してくれたことは何よりの喜びです。
始業式では大リーグで活躍している松井秀喜選手とわが国経済界の重鎮である京セラミタの稲盛和夫名誉会長お二人のエピソードを取り上げ、志を持つこと≠ニ日々の努力を継続する≠アとの大切さを話しました。
また午後からは守口北・芦間両校のPTA保護者の皆さんと『学校美化・花いっぱい運動』の一環としてプランターに花の寄席植えを行ないました。
その後、両校合同のPTA実行委員会を開催し、守口北高校の閉校に向けて美しい幕引き≠ニいう言葉が独り歩きしないように全員で力を合わせて取り組んでいくので協力をお願いしたいということを訴えました。
守口北高校の最後の卒業式まであと二ヶ月。芦間高校の完成まで三ヶ月。
全員がそれぞれの新しい目標に向かって今日出発≠ニいう気持で力強い第一歩を踏み出して欲しいと思っています。
103 | 2004年01月17日(土) | 食の大切さを学ぶ |
献立は代表的な日常食の『鯖の味噌煮』『かきたま汁』とご飯。
こうして入学後初めての一年生の調理体験は和気藹々のうちに終了しました。
本校では食の大切さを知ってもらうために家庭科の授業の中に調理実習をとり入れています。子ども達は今回の実習に先立ち、一日に必要な食品の量やエネルギーを確認しカロリーを計算すると共に自ら調理をすることによって炊飯に必要な水の量、和風だしのとり方、汁物の基本の塩味等を学習しました。
現在世界の国々の中には多くの飢餓に苦しむ人達がいますが、わが国では食べ物が満ち溢れています。昔は材料を買って家で料理を作るのが当たり前でしたが、昨今は外食チェーンやコンビニが次々と生まれ、手軽なファーストフードで食事を済ませるという傾向が見られます。この結果栄養のバランスが崩れ、体調不良を訴える子ども達も増えてきています。
この調理実習の体験を通じて子ども達が食べ物についての関心を持ち、自分達の食生活を見直す機会にして欲しいと願っています。
104 | 2004年01月22日(木) | 谷井昭雄氏とお会いして |
現在数々の公職の他に私立高校の理事長や某国立大学の評議員等の教育関係の仕事にも就かれています。話の中で現在松下電器を退職された後教育界で活躍されている方が数多くおられることがわかり機会があれば情報交換しようということになりました。
先日その中の一人である幼稚園から高校までの一貫校に勤務されている森田和一氏を交えての懇談の場を持ち、その中で産業界と教育界の違い、お客様第一、経営理念、経営戦略、中期計画、マネジメント等についての話し合いを行ないました。
産業界と教育界は全く異なる世界ですが、どのような学校にするのかとかお客様第一の考え方等は共通であると痛感しました。わずか四時間弱の懇談でしたが、随分中身の濃い意見交換の場となり今後の学校経営において大いに参考になりました。
本校では学校の教育活動に対して忌憚のない意見・提言をしていただけるスクール・アドバイザー制度を取り入れています。
開かれた学校づくりのためには、形だけを整えても実効は上がりません。教職員一人ひとりが「開かれた個人」を目指し、多くの人からの積極的な意見を取り入れていくことが何よりも重要であると感じました。
105 | 2004年01月23日(金) | 紀(木)の国からの贈り物 |
和歌山県は昔紀(木)の国≠ニ言われており、県の産業振興の一環として『木に親しんでもらおう』というスローガンのもと林業に力を入れておられます。また同町にある天文台には東洋でも有数の天体望遠鏡が設置され美しい星空が眺められる一方で地上には蛍が飛び交う等素晴しい自然環境にも恵まれています。
現在、日本はあらゆる分野で見直しが必要になってきていますが、他力に頼ったり上からの指示を待つのではなく自ら改革していくという姿勢が何よりも重要です。改革は現場の志≠ェなければ実現しません。玉置さんのこのような活動を目の当りにし、本校としても学ぶべき点が多くあるように感じました。
106 | 2004年01月24日(土) | 千客万来 |
電話をいただいたのは九州大学大学院で勤務されている八尾坂修教授、現在国内のみならず広く国際的な視点から学校経営の調査・分析を実施され積極的な提言を行なっておられます。
1月22日(木)来校いただき学校経営や特色ある学校づくりについて3時間にわたり、意見交換させていただきました。
また、就業後には色々な特徴ある生徒指導を行なっておられる高槻市立第六中学校の田中義一校長がお越しになり、中学校の現状や課題についての生の声をお伺いすると共に本校に対する提言もいただきました。
学校経営にあたっては異なる分野におられる多くの方の力をお借りすることが何よりも重要です。そのためには自ら積極的に出かけてご意見をお伺いすることと気軽に来校していただける風土づくりが必要です。
人の集まるところに情報の宝あり≠アれからも開かれた学校づくりを更に推進していきたいと思っています。
107 | 2004年01月30日(金) | 警察学校卒業式に参加して |
今回の卒業生は長期(1年)と短期(6ヵ月)の厳しい研修を経て晴れの日を迎えた男子179名、女子31名計210名。この中に本校(守口北高校)の卒業生も含まれています。
式は開式の辞に続き君が代斉唱、卒業証書授与、赴任署への辞令交付、学校長の式辞、大阪府警本部長の訓示、在校生の送辞、卒業生の答辞等、まさに一糸乱れぬ≠ニいう表現にふさわしい規律ある厳粛な雰囲気の中で進められました。本部長や学校長も警察という自分達の立場に立つのではなく府民の立場に立って行動すること、昔に比べて治安が悪化している中にあって府民が安心して生活できるよう警察官としての誇りと使命感を持って日々取り組んで欲しい旨のことを強く訴えておられました。
卒業生代表による答辞も感激のあまり途中で声がつまり涙ながらのものになりましたが、現場に赴く警察官としての決意が溢れ聴く人の胸を打つ素晴しい内容でした。
最後は肩を組み合っての寮歌の合唱、涙また涙の中で幕を閉じました。
警察と学校、役割はまったく異なりますが、教育に携わる私達もゆるぎない志を持ち常に府民の立場に立って行動しなければならないと痛感しました。
108 | 2004年02月01日(日) | 『未来教育デザイナー』鈴木敏恵先生来る! |
芦間高校の1期生も間もなく三年生。総合学科の卒業論文とも言える「課題研究」という科目に取り組むことになります。この課題研究を通して、まず何よりも学びの原点である自分でテーマを持つことの大切さ≠ニそれを徹底的に探求することの楽しさ≠味わって欲しいという強い願いから今般そのオープニングの仕掛け人として先生をお呼びすることになりました。
生徒向け講演会のテーマは『夢の叶え方おしえます〜成功の秘訣はポートフォリオとプロジェクト〜』。江戸っ子の歯切れの良さと豊かなパフォーマンスからほとばしる熱い思いにあっけにとられたり深くうなずいたり、子ども達の心は激しく揺さぶられました。
続いて開催された教員向け講演会のテーマは『子どもが「考える力」をつける方法はこれだ!〜総合学習や教科でーポートフォリオ評価&プロジェクト学習&コーチング〜』。子どもを本気にさせるプログラム、調べ学習で終ってしまわない分析力・思考力が要求される質の高い“学び”が面白おかしい卑近な例や圧倒的な言葉の洪水の中からくっきりと浮かび上がってくる鈴木ワールドに多くの教員が大きく心を動かされ、自分もやってみよう≠ニ決心した時間でした。
子どもに意志ある学びを≠ニいう鈴木先生の講演の核は、総合学習に限らず、すべての学びの場に必要な学力の基本です。「フィンランドの学力世界一」は、そこから生まれたのです。今回の講演を機に授業を更に磨く≠ニいう視点に立って学校改革を進めていきたいと痛感しました。
109 | 2004年02月07日(土) | 学校協議会の開催 |
この協議会は開かれた学校づくりの一環として、社会の色々な分野の方々のご意見をお伺いして学校の教育活動に活かしていこうというもので昨年2月にスタートしました。
現在のメンバーは社会のそれぞれの分野で活躍しておられる地元企業の経営者、大手企業の人材育成部門の経営責任者、大学・中学の関係者、志をキイーワードに全国的な活動を推進されている方、さまざまな人権問題に取り組んでおられる方、PTAの代表の皆さん方です。
限られた時間内の会合となるため、教頭が事前にメンバーの方を訪問し芦間高校の現状と課題を説明させていただいた上で出席していただきました。
「総合学科としてどういう特色を出していくのか」「多様化する生徒一人ひとりの進路をどうするのか」「社会で役立つ考える力を育てるにはどうすれば良いのか」「これから教員として心がけていかなければならないことは何か」等多くの意見が出されました。
特に印象に残ったのは、『教育界の仕事の進め方が課題解決型になっていない』『個々人の能力は優れているが組織としての対応が弱い』『集中と選別が出来ていない』『忙しいのはどこも同じ、タイムマネジメントをどうするのかが重要である』といった指摘です。
改革のためには、「これまでのやり方は・・」「前例がない」「時間がない」
「人がいない」「カネがない」という言葉をなくさなければなりません。
芦間高校もいよいよ完成の年、現状を素直に見直し、原点に戻って取り組んでいかなければならないと思っています。
今回は急用等のため全員に出席いただくことは出来ませんでしたが、お忙しい中時間を割いてご出席いただいた皆さんに心より感謝申し上げます。
110 | 2004年02月14日(土) | 達人に聞く |
今回の講座に参加いただいたのは、インテリアデザイナー・、放送・映画関係のデザイナー、JICAと地方自治体とのパイプ役の国際協力推進員、旅行添乗員、保育士、小学校教諭、薬剤師、栄養士、美容師、声優といったさまざまな分野で活躍されている方々です。
生徒は自分の興味・関心、進路にあわせて、一つの講座を選択し受講しました。いくつかの講座を回りましたが、どの講座も新鮮な雰囲気に満ち、社会人としての緊張感が漂っていました。
授業の後、生徒達全員に感想文を書いてもらいましたが、仕事の詳しい内容がわかって参考になった∞自分が想像していたいたよりはるかに大変だと感じた∞失敗しても我慢してやり続けることが大切だと思った∞仕事に誇りを持って取り組まれておられる姿に感動した∞ますますその仕事に就きたいという気持が強くなった∞今日聞いた話を絶対に忘れないようにしたい∞勉強する意欲が湧いてきた%剔O向きな表現が見られました。
社会の多くの分野で働く人たちからお話を聞き、その中で自分なりに「考え」、「迷い」、そして「発見」するという事は将来自分の進路を選択する上で大いに役立つことでしょう。これからも機会ある毎にこのような取り組みを実施していきたいと思っています。
最後になりましたが、お忙しい中ご講演いただいた皆様に心より感謝申し上げると共に
子ども達が今回の授業を通じて一段と成長してくれることを願っています。
111 | 2004年02月15日(日) | 美しい幕引き |
このような状況の下で現在、“守口北高校の美しい幕引き”のためにやれるものはすぐに実行に移すという姿勢で全員が一丸となって様々な取り組みを行っています。
この一環として 2月11日、芦間高校の保護者の方からも提案をいただき卒業式の会場となる体育館のペンキ塗りを行いました。当日は約20名の方が参加しプロの方の指導をいただきながら慣れない手つきでローラーや刷毛を使って作業を行いました。
はじめは「色むらが出るのではないか」「高いところはどうするのか」等心配でしたが、二度塗りや梯子を使うことで見事に不安を解消。わずか数時間で壁は見違えるばかりに美しく生まれ変わりました。終了後は手や服は勿論、中には髪や顔まで飛び散ったペンキで真っ白という状態でしたが全員の表情にはやりあげた≠ニいう満足感が満ち溢れていました。
一方、この日は教員のお父さんにお願いして卒業生の作成した『記念タイル』を貼り付けていただきました。また美術の教員が廊下に絵画の額を飾り付けました。
これを機に全員が力を合わせて学校の環境づくりに取り組んでいきたいと思っています。
112 | 2004年02月16日(月) | 全国大会出場相次ぐ! |
このような毎日の努力の結果、子ども達は急速に力をつけてきているようです。
この度、空手道部の明尾真喜子さんが近畿高等学校空手道大会において『女子個人組み手の部』で見事第三位となり、宮城県で開催される全国の選抜大会に出場が決定しました。現在、空手道部はわずか3年前に部に昇格し、部員数は7名ですが技術面だけではなく精神面でも日々鍛錬しており今回の快挙となりました。
また、卓球部も現在6名の少人数ですが連日密度の高い練習に取り組んでおり、昨年の夏に実施された新人大会女子団体戦では見事大阪府ベスト8に入りました。
そして今回、久留由貴さんが大阪高体連卓球部の推薦を受け大阪国際招待選手権(全国オープン大会)ジュニアーの部に出場しました。
全国大会に出場することだけが部活動の最終目的ではありませんが、大きな目標を持ちそれに向かって努力していくことは大切なことではないでしょうか。
子ども達が部活動を通じて、体を鍛えると共に忍耐力・チームワーク・礼儀等将来社会で役立つ力を身につけてくれることを切望しています。
113 | 2004年02月21日(土) | 入学者選抜迫る |
いよいよ来週の24日(火)、25(水)には入学者選抜が実施されることになっており、この度出願受付を終了しました。
240名の定員に対し、応募者は385名。競争倍率は1,6倍です。
これを受けて、20(金)に第7回の選抜委員会を開催しました。当日は全職員がそれぞれの役割を受け持つことになりますが、不測の事態に備えて一人ひとりが細心の注意を払わなければなりません。今回初めてという意識を持って、完璧な選抜業務を行なう≠アととお客様をお迎えするという気持で取り組む≠アとをお互いに再確認しました。
併せて快適な環境下で受検していただけるよう、窓際の樹木の剪定、教室やトイレの掃除、照明や暖房のチェック、保健室の確認、警備体制の点検等を行ないました。
受検まであと数日しかありませんが、子ども達全員が万全の体調で受検に臨んでくれることを願っています。
114 | 2004年02月28日(土) | 守口北高校記念誌の発刊 |
間もなく守口北高校も26年間にわたる永い歴史の幕を閉じることになりますが、この度PTAの保護者を中心とした皆さんのご尽力により守口北高校の記念誌が出来上がりました。
約100頁にわたるそれぞれのページには守口北高校創設からの思い出が一杯。
歴代の校長や学年主任の先生方、PTAや同窓会の関係者をはじめ多くの方々の言葉が掲載されています。
改めて歴史と伝統を感じると共にこれまで本校の教育活動に携わってこられた関係者のご苦労がひしひしと伝わってきます。
バラック建ての校舎のそばに植えられていた桜の幼木も今ではしっかりと根を張り太い幹を持つ立派な木に育ってきました。
間もなく見事な花を咲かせ、私達の目を楽しませてくれることでしょう。
守口北高校の歴史を見守ってきた桜を万感の思いで見つめながら美しく幕を閉じたいと思っています。
今回の記念誌の発刊にあたり、ご協力いただいた皆さんに心より感謝申し上げます。
115 | 2004年03月05日(金) | すべての経験を飛躍のばねに! |
今回は240名の定員に対して大阪府下の93中学から385名の方に応募していただきました。
体調不良の人や選抜時の予期せぬ事態に備えて、万全の体制で臨みましたが、一人の欠席者、遅刻者もなく無事に終了することができました。
その後、最新の注意を払って厳正な採点を実施し、何回も見直し、合格者を決定しました。
張り出された受検番号を見て小躍りして喜ぶ人、抱き合って声を出して泣き出す人、がっくりと肩を落とす人等色々な光景が目に入り、複雑な気持になりました。
合格した人もそうでなかった人もそんなに大きな差があった訳ではありません。
実力は紙一重です。今回うまくいかなかったからと言って何も悲観することはありません。また、思い通りになったからと言って安心し、努力を怠っていてはすぐに挫折してしまうことになるでしょう。
人生は毎日が新しい経験の積み重ねです。今回の経験を自らの飛躍のばねにしていただきたいと思っています。
116 | 2004年03月06日(土) | 旅立ちを前に |
何グループかの有志バンドの後、上方お笑い大賞新人賞を受賞した 吉本興業若手漫才師の「麒麟」に登場していただきました。
漫才の後、生徒からの質問にユーモアたっぷりに答えていただき、生徒・保護者・教員と共に爆笑の渦の中で楽しい時間を過ごしました。
続いて、生徒の「よさこいソーラン」や「担任団のコーラス」等が披露され、全員にとって卒業前の素晴しい思い出をつくることが出来ました。
また3月4日(水)には、卒業式の予行と共に皆勤賞授賞式と卒業記念品贈呈式を実施しました。
この中で、私から生徒一人ひとりに今こそ出発≠ニいう手書きの色紙を手渡し、最後は卒業生を祝うために、芦間高校の生徒が和太鼓を披露してくれました。迫力満点の和太鼓の演奏に圧倒されながらも、響きわたる撥のリズムに全員が感動を覚えた一時でした。
卒業生にとっては、旅立ちを前に♂スよりの贈り物になったのではないかと思っています。
117 | 2004年03月07日(日) | 新たなる旅立ち |
式は国歌斉唱、校歌斉唱、卒業証書授与、学校長式辞、来賓祝辞、花束贈呈、在校生の送る言葉、卒業生の言葉 と流れるように進行し、卒業生の歌(さくら)を斉唱して終了しました。
卒業生の言葉では、感極まって泣き出す生徒が続出し、最後には先生も保護者もハンカチで瞼を押さえるという場面がいたるところで見られ、まさに守北最後にふさわしい感動の
卒業式になりました。
今回、卒業した196名は守北・芦間両校が併存する中で、最後の二年間の高校時代を過ごしましたが、部活動をはじめ合同体育祭、合同文化祭において先輩としてのリーダーシップを発揮し、素晴しい成果をあげてくれました。
私は式辞の中で、生徒達の高校時代における感動の取り組みを紹介すると共に、新しい門出にあたって二つのことをお願いしました。
一つは、『自分なりの夢や目標を持ち、その実現に向けて地道な努力を継続する』ということです。
これは私が大リーガーのイチロー選手や松井秀喜選手、柔道の田村亮子さん、キンキキッズの堂本光一さん等の例をあげ、機会ある毎に生徒達に話してきたことです。
二つは、『素直な心を持つ』ということです。雨が降れば傘をさすというのは当たり前のことですが、人生の中ではこの単純なことがなかなか出来ないものです。
各人はそれぞれ新しい道に旅立ちますが、一人ひとりが日々努力し反省し他人の良いところを取り入れることにより、自分の夢の実現をはかり充実した人生を送って欲しいと思っています。
118 | 2004年03月07日(日) | 校旗引継式を終えて |
昭和53年、地元の熱い思いで創設された守口北高校。当初はプレハブの仮校舎で決して恵まれた環境ではなかったようですが、先生達の燃え滾る情熱に生徒達も意欲的に応え活気に満ちた校風が形成されたようです。
草創期には12クラスもあった学年編成も少子化が進み生徒数が激減する中にあって見直しが必要になり、ついに平成12年11月には守口高校との統合再編整備計画が発表されました。プロジェクトチームによる様々な検討の後、現在の芦間高校が誕生。平成14年4月以降は、同一校舎内に両校が併存するという事になりました。
この二年間は『守口北高校の美しい幕引き』と『芦間高校の強固な基盤づくり』という二つの異なる課題解決に向けて、全員が一丸となって《守北から芦間へ 未来へ翔ける虹の架け橋》というスローガンのもと取り組みました。
筆舌に尽くしがたい苦労もありましたが、お蔭様で概ね順調に推移することが出来たと思っています。
現在、守北の卒業生は延べ1万名を超え、社会の様々な分野で恩返しを始めており、これからも誇りと名誉の灯火はいつまでも燃え続けることでしょう。
これから守口北高校の卒業生の母校は芦間高校になります。
いつでも気軽に学校に立ち寄っていただきたいと思っています。
守北の校旗と共に良き伝統や歴史をしっかりと引き継ぎ、芦間高校を発展させていく責任を痛切に感じました。
119 | 2004年03月09日(火) | 卒業式後記 |
守口北高校最後の卒業式は生徒ばかりでなく、先生方にも大きなインパクトがあったようです。特に学年主任やクラス担任にとっては、学業指導面は勿論、生活指導面においても言葉では言い表すことが出来ない数多くの苦労があったようです。生徒との我慢比べの三年間であったと言っても過言ではありません。
しかし、どちらかと言えば問題の多かった子ども達が、式の中で涙を流し、式後には「先生、三年間迷惑をかけてすみません」と頭を下げる姿に接し、正直なところ驚きを禁じえなかったようです。多くの先生がこれまで見せたことのない子ども達の態度を見て思わず目頭が熱くなったとの感想を述べられました。
また、話をしながらその時の光景が再び甦り、声を詰まらせる人、涙を流す人等が続出しました。最後に、学年主任が「この三年間は子ども達から本当に多くのことを学びました。本当に良い勉強をさせてもらいました。」と締めくくりました。
人を教育するということの難しさと喜び、奥深さを感じると共に教員としての重要な使命を再認識した一日でした。
120 | 2004年03月12日(金) | 合格者説明会の開催 |
冒頭の挨拶で、私から簡単に出来ることから順番に三つのことについてお話しました。
一つ目は『コミュニケーション』をしっかりやるということ。
保護者も含めて約500名の方に話ししているが、1対500と思わないで欲しい。1対1のコミュニケーションであるという気持で私の話を聞いていただきたい。そのために必要であればメモをとって欲しい。
二つ目は『高校生への気持の切り替えをはかって欲しい』ということ。
これから入学までの一ヶ月は中学生から高校生への気持の切り替えをはかる上で極めて重要である。親や周りの人に甘えるのではなく、自立した生活習慣をつけて欲しい。
三つ目は『夢や目標を持つ』ということ。
将来、社会で役立つ仕事をするためには、まず自分なりのしっかりした夢や目標を持つ。その上でその実現に向けて地道な努力を継続して欲しい。
今年で、芦間高校は三学年が揃い、新設校として文字通りの正式スタートになります。一人ひとりの子ども達が自覚を持って行動してくれることを心より願っています。
121 | 2004年03月14日(日) | 万感の思い |
暖かい春の日差しに包まれる中、『守口北高校の校章』と『人』という文字を組み合わせたモニュメントが姿を見せると期せずして全員から拍手が沸き起こり、写真撮影の後、昆布茶をいただきながらしばらくの間歓談しました。
また、午後6時からは守口北高校に所縁(ゆかり)のある方に集まっていただき、
メモリアル・パーティーを開催しました。
参加者は実に133名、照明が消されると同時に 創設当初授業の初めと終わりのベル代わりに使用していたお豆腐やさんの小さな鐘でスタート。スピーチ、ビデオによる「学校の思い出紹介」「先生や生徒へのインタビュー」、本校に関するクイズ等趣向を凝らした内容で大いに盛り上がりました。
久しぶりに会われた方も多く、いたるところで懐かしい話題に花が咲き写真のフラッシュがたかれ旧交が温められました。
あっという間に予定の3時間は過ぎ、最後に全員で守口北高校の校歌を大きな声で合唱し閉幕しました。各人にとって様々な思い出が湧出し、万感胸に迫るパーティーになったのではないかと思っています。
今般の守口北高校閉校に伴い様々な記念事業を実施しましたが、記念誌の作成、記念碑の設置、パーティーの開催のためにご尽力いただいた皆様に心よりお礼を申し上げます。
122 | 2004年03月15日(月) | 初心に戻る |
私は式辞の中で二つのことをお話しました。
一つ目は「皆さん一人ひとりが芦間高校を代表している。芦間高校生としての自覚と誇りを持って行動して欲しい。」ということ。
二つ目は「初心を忘れず頑張って欲しい。」ということです。
このことについてはそれぞれ2年前、1年前の皆さんはどういう気持だったのか、そして今の気持はどうなのか∞この間にどれだけ成長しているか≠ニいう事を問いかけました。
入学前には、例外なしに全員が高校生活に対する夢や希望に胸を膨らませていた筈です。現在、一人ひとりの生徒を見ていると、身体つきは確かに背も伸び逞しくなってきています。
しかし、学力面で行き詰まりを感じている人、キッチリした生活習慣が身についていない人、挨拶や整理整頓といった簡単なことができていない人等が散見されます。人生においては自分の思いどおりに物事が進むことはほとんどありません。常に理想と現実とのギャップがあるのが当たり前であり、諦めず努力を継続することで目標に近づいていくのです。
この休みは『初心』に戻って自分自身を見直す絶好のチャンスです。
子ども達が新たな気持で新学年を迎えて欲しいと願っています。
123 | 2004年03月20日(土) | 二つの歴史と伝統 |
芦間高校は大阪府立高校の特色づくり・再編整備の一環として守口高校と守口北高校の2校を統合することにより平成14年に創設されました。
守口北高校と同様守口高校も今年で閉校されることになり、今月6日には最後の卒業式と芦間高校への校旗引継式が行われました。
昨年末に体調を崩されていた佐藤校長が無理を押してご出席になり、厳粛な内にも感動溢れる式典になりましたが、残念なことに三日後ご逝去されました。
最後の力を振り絞って、素晴しい閉校行事を見事に完遂された佐藤校長の御霊に衷心より哀悼の意を表したいと思います。
守口高校は大正12年私立京阪商業学校として設立され、その後私立松下工業学校、守口市立京阪高等学校(後に府立)、大阪府立守口高等学校に改称される等幾多の変遷を経て80年の歴史に幕を引きました。
現在、守口高校の卒業生は二万人超、守口北高校は一万人超。両校の卒業生は社会の様々な分野で活躍しておられます。校名は消えても両校の卒業生の誇りと名誉の灯火(ともしび)はいつまでも燃え続けることでしょう。
この度芦間高校では両校の閉校にあたり、歴史や伝統を綴る種々の物品を納める『記念室』を設置すると共に、守口高校からの備品や記念碑、記念樹を受けとりました。
これから二校の歴史と伝統を引き継ぎ、芦間高校は新たなスタートを切ることになります。両校の卒業生の皆さん、暖かいご支援をお願いします。
124 | 2004年03月27日(土) | 異動は飛躍のチャンス |
本校も守口北高校の閉校に伴い、教諭・実習助手・事務職員・技師等20数名が転出、芦間高校には同様に20名を超える方が転入されます。
私は常々異動には三つのメリットがあると思っています。一つは新しい職場で新たな経験をすることによって自分自身が成長する。二つは新しい人との出会いによって人との交流の場が広がる。三つはその職場に新風を吹き込むことによって風土の活性化がはかれる。
芦間高校はこの四月からやっと三学年が揃い、総合学科としての本格的な活動を再スタートさせることになります。
今回、縁あって本校にお越しいただくことになった方々には新しい発想やノウハウを是非教えていただき、学校づくりに貢献していただきたいと思っています。
また、本校から転出される方は、新しい学校でこれまで培ったものを大いに発揮し活躍していただきたいと願っています。
まさに異動は個人にとっても学校にとっても飛躍のための最大のチャンス。
今回の異動を通じて大阪府の教育が更に向上することを期待しています。