49 | 2003年04月05日(土) | 衆知をあつめた学校経営 |
この度、私達の守口北・芦間には府下の数多くの学校から新たに26名の教職員をお迎えし、平成15年度がスタートしましたが、本年度は両校にとって、極めて意義深い一年になります。
昭和53年に創立された守口北高校は 本年度末で26年間の長い歴史に終止符を打ちます。一方、昨年創立された総合学科の芦間高校はいよいよ二年目を迎えます。
“美しい幕ひき”と“新しい総合学科の基盤づくり”という異なる課題を同時に達成していくためには、一人ひとりの教職員が持てる力をすべて出し切ると共に、お互いに連携し協力しあっていくことが大切です。
このための意思結集をはかるため、新しい方々に対するオリエンテーションを兼ねて4月3日に全教職員参加のもと、『学校経営方針発表会』を開催し、学校としての進むべきビジョンを明確にすると共にそれぞれの課題の共有化をはかりました。
新たに来られた方々が、これまでの学校で取り組まれていた良い点をどんどん提案していただくことによって、素晴らしい学校づくりができるのではないかと期待しています。
この一年間、衆知をあつめた学校経営≠推進していきたいと思っていますので、引き続き皆様の暖かいご支援を心よりお願いします。
50 | 2003年04月12日(土) | 新入生を迎えて |
本年度の新入生は府下70の中学校から集まった240名、数多くの受検生の中から選ばれて入学してきた子ども達です。
式辞の中で、私から三つのことをお話しました。
一つは 芦間高校生としての誇りを持って学校生活を送って欲しい。
二つは 入学を機に自分の将来に対する夢や目標を持ち、その実現に向けて日々、努力して欲しい。
三つは 当たり前のこと、簡単なこと(特に「ありがとう」という感謝の気持とコミュニケーションの始まりである挨拶)をしっかりやれる人間になって欲しい。
入学式の後、学年主任やクラス担任から更に具体的な学校生活についての話をしていただきました。そして、先輩の二年生が心を込めて準備した手づくりクッキー≠お渡ししました。それぞれのクッキーには先輩からの歓迎メッセージが添えられています。
これから三年後、子ども達が卒業する時に「芦間高校に来て良かったなあ」「自分は高校生活の中で随分成長したなあ」と心の底から言えるようになっていただきたいと願っています。
芦間高校は昨年四月に開設された新しい学校ですが、一人ひとりの生徒が自覚を持ってさまざまな活動を積極的に展開することにより、素晴らしい歴史や伝統が築きあげられていくことを確信しています。
51 | 2003年04月19日(土) | 信頼を築く |
私達の芦間高校(総合学科)は学区の制限がなく、大阪府下全域から生徒を受け入れています。今年は実に70の中学から240名の子ども達が集まってきてくれました。平均すると1中学から3名、中には一つの中学から1名というケースもあります。
スムーズに高校生活をスタートさせるためには、友達をつくり一日も早く学校に慣れることが必要です。
お互いのコミュニケーションをはかり、信頼を築くことを目的とした今回の研修には、先輩の二年生27名が休日返上で手伝ってくれました。
一方的な講話ではなくゲーム・クイズ・運動競技・歌・発表等バラエティーに富んだ内容でしたが、最後は校歌の三部合唱を行い、非常に和やかな雰囲気のうちに無事終了しました。
縁あって、芦間高校に集った生徒、教職員はひとつのファミリーであると思っています。この研修を機に生徒達が充実した高校生活を送ってくれることを期待しています。
52 | 2003年04月26日(土) | 待望のものづくり実習棟 |
この新学期から従来になかった選択科目としての電子機械工作、ビジュアルデザイン、陶芸基礎、木工基礎といった新しい授業がスタートしました。
これらの授業には設備の充実が欠かせませんが、待望のものづくり実習棟の完成により実現することができました。
この実習棟には、メディア表現室、プロダクト室、陶芸室、焼成室等素晴らしい設備があります。
芦間高校は昨年創設の新しい学校ですが、自分で将来の進路を決定し、進路に応じた科目選択をする≠ニいう総合学科の特色を最大限に発揮するために本年度、生徒の進路要望に応じた140の選択科目を開設しました。
厳しい財政状況の中で、ものづくり実習棟を建設していただいたことに心より感謝申し上げると共に、今後共大阪府における特色ある学校づくりのパイオニアとして、総力を結集して取り組んでいきたいと思っています。
53 | 2003年05月03日(土) | 新たなるチャレンジ 〜『チューター制度』 |
本校では 将来の自分の進むべき道を自分で見つけ出し、自ら目標を設定し、その目標の実現に向けて努力を積み重ねていくという考え方に立って生徒指導を行なっています。
その主なものを紹介しますと
1、「自然科学とテクノロジー」「文化と社会」「国際理解とコミュニケーション」「生活と健康」「造形とメディア」という5つの系列を設定
2、進路や目標を見つけ出すために、入学時より《産業社会と人間》という授業を通じて 社会で活躍されている方の講話や校外体験・見学・交流を積極的に推進
3、一人ひとりの生徒に対するきめ細かい進路ガイダンスを実施
4、それぞれの興味・関心や進路希望に応じた140におよぶ自由選択科目を開設 等です。
これらの内容を全教員が一丸となって実践していますが、一学年240名の生徒一人ひとりの進路実現のためには、更にきめ細かい個別指導が必要です。
このため、今回、新たな取り組みとして『チューター制』を導入することにしました。生徒の進路希望に沿って、より一層個別指導を徹底していくというものです。一人の先生が担当する生徒は最大4名。この制度の説明をしたところ56名の生徒が応募、今週の月曜日にオリエンテーションを実施しました。
私からは“チューター制度がメインではない、まず日常の授業をしっかりやること、受身の姿勢ではなく自主的にやること、日々努力を継続すること”等の話をし、認定書を手交しました。
この制度は、学校としても初めての取り組みです。府下の学校でもこういう取り組みはほとんどないと思います。生徒にとっても教職員にとっても新たなるチャレンジですが、強い信念、志を持って取り組んでいきたいと決意しています。
54 | 2003年05月10日(土) | トイレは学校の鏡 |
トイレは生徒用、教員用と分れていますが、私は通常生徒用のトイレを使うようにしています。
今、目に飛び込んでくるのは“みんなのトイレを美しく使おう”という手づくりポスター。本年度に入って生徒が張ってくれたもので、ユーモラスな絵が描かれています。また何人かの先生はトイレの美化の一環として観葉植物を置いてくれました。
私も会社生活の中で多くの企業や関係先を訪問してきましたが、トイレを見ると内部の状況がほぼ判るようになって来ました。家でも会社でもお店でも学校でも『きれいなトイレ』ということがポイントです。イエローハットの鍵山秀三郎相談役は事ある毎に掃除の大切さを訴えておられますが、トイレを磨くと心も磨かれるというのは事実だと思います。まさにトイレは心の鏡です。
二十一世紀は環境の時代であると言われ、環境教育の重要性がとりあげられています。しかし、汚いトイレ、ゴミの散らかっている廊下、電気の点けっぱなしの部屋を放置したままでの環境教育は無意味です。まず身近なことをしっかりやるという姿勢が何よりも大切です。これからも全員で美しい学校づくりを進めていくことにより、美しい心を育てていきたいと思っています。
55 | 2003年05月17日(土) | 志を持つ |
先日、上甲氏から《関西復権・大阪を元気にする》ことを目的としたラジオ番組『上甲晃の志ネットワーク』をスタートさせるという話があり、このたび対談させていただきました。
昨近 日本全体に明るさや元気が失われ自信喪失の状態になっており、多くの人が将来に対する不安を感じています。また自分のことだけを考える人が増え、“他人のために”“社会のために”“国のために”といった行動が失われつつあります。
そしてこれが子ども達にも少なからず影響を与えています。
今大切なことは、まず一人ひとりが自分の生き方を見つめ直し、志をもって行動していくことではないかと思っています。
一つひとつの志が集まることにより、大きなうねりとなって元気な大阪が復活することを切望しています。
56 | 2003年05月24日(土) | 利他の気持〜PTA総会を終えて |
守口北高校は本年度末で26年間の長い歴史に終止符を打ちますし、昨年創立された総合学科の芦間高校はいよいよ正念場の二年目を迎えます。
“美しい幕ひき”と“新しい総合学科の基盤づくり”という異なる課題を同時並行して達成していくためには両校の生徒は勿論のこと、教職員、保護者が互いに協力していかなければなりません。
本日、それぞれのPTA総会で新しい役員が選出された後、合同総会を開催しメンバー紹介と退任役員に対する記念品贈呈を行ないました。冒頭、私からも「人の縁(えにし)を大切に、相手の立場に立って物事を考え行動していただきたい。そうすれば素晴らしい学校づくりができるのではないか」という話をしました。昨今、日本の国全般にややもすると自己中心的で利害得失が前面に出る傾向があるように感じます。一人ひとりが「利他」の気持を持って行動することにより、心の絆が生まれ何事も円滑に進んでいくのではないかと思っています。今後両校のPTAがしっかりとした連携のもと活動してくれることを大いに期待しています。
57 | 2003年05月31日(土) | 河村文部科学副大臣との懇談会へ出席して |
金融・流通・メーカー等さまざまな分野で活躍された後、学校長に就任され、1年以上勤務されている方々です。これまでとは全く異なる教育という世界に飛び込んで現在取り組んでいること、率直に感じていること、文部科学省や各教育委員会に対する提言や要望も数多く出されましたが、何よりも一人ひとりが熱意を持って力強く学校改革に取り組まれている様子がヒシヒシと伝わってきました。
今、日本はバブル崩壊後の後遺症から完全に回復できない状況下にあり、政治・経済・環境・教育等全ての面でこれまでの見直しが必要になってきています。
昨今、世界各国でも教育改革の動きが次々と出てきていますが、“人を育てるのは国家百年の計”であり、教育問題が21世紀の日本における最大の課題のひとつであるのは言うまでもありません。そのためには行政のトップである文部科学省や教育委員会と現場の学校が大いにディスカッションをし、一体となって教育のあるべき姿を構築していかなければなりません。
また それぞれの学校においては『改革は現場から』という気持で、教職員、保護者が連携してたゆまざるチャレンジをはかっていかなければならないと強く感じました。
最後に、今回このような素晴らしい機会を設けていただいた河村文部科学副大臣はじめ文部科学省の皆様に心より感謝申し上げます。
58 | 2003年06月07日(土) | 未来へ翔ける虹の架け橋 |
今回で最後となる合同体育祭は、守口北高校の良き伝統を芦間高校に伝承すると共にそれぞれの学年の心の絆をしっかりと結ぶという意味で極めて大切な行事です。今年の体育祭のテーマは『〜守北から芦間へ〜 未来へ翔ける虹の架け橋』。
それぞれの学年を三つのグループに分け、1・2・3年合同の「赤」「青」「緑」の三つの団を結成しました。競技は、綱引き、騎馬戦、玉入れをはじめ台風の目、仮装リレー、3人4脚等盛り沢山な競技が設定され熱戦が展開されました。とりわけ応援合戦では、団毎に創意工夫がなされ、力強いチームワークのもと素晴らしい演技が披露されました。
最後に、三人の団長から心を打つ話しがあり、思わず涙ぐむ者も続出。感動の渦の中で合同体育祭が無事終了しました。
“感動が人生をつくる”と言っても過言ではありません。充実した人生を送るためにはどれだけ多くの感動ができるかだと思います。今回の体験を通して子ども達が一段と成長してくれることを期待しています。
最後に、この行事のために尽力していただいた皆様に心よりお礼を申し上げます。
59 | 2003年06月14日(土) | 桂こごろうさんとお会いして |
この度、縁があって“民間校長奮闘記”というテーマでこの番組に出演させていただくことになり、事前に桂こごろうさんと色々なお話をさせていただきました。その中で印象深かったのは、落語界においても《挨拶する》《礼儀正しくする》《相手の立場を尊重する》《心配り》をするといったことが基本であり、これができない人は大成しないということです。
そして、自分の学校生活の中で最も心に残っているのは、小学生の時算数の試験を途中で投げ出して、先生から「諦める」ということについて強く叱られたことであり、この言葉を今も胸に刻んで日々努力しているというお話でした。社会で活躍している人は、例外なく周りの人に対する心配りと自分自身に対する厳しさを併せ持っておられます。どの分野においても必要なのは単なる学力だけではないということを改めて痛感させていただいた一日でした。
桂こごろうさんの益々のご活躍を心よりお祈りします。
60 | 2003年06月21日(土) | 入口と出口を固める〜広報活動の充実 |
私も先日大阪市立文の里中学を訪問し紅谷校長先生から中学校の現状や高校に期待するもの、今後の教育のあり方等色々な話をお伺いしました。
また、今週水曜日には本校のシラバスを持参の上、大阪産業大学を訪れ瀬島学長と今後の高校・大学の連携についてお話させていただきました。
これからの学校経営にあたっては、カリキュラムや授業の充実(校内)をはかることは勿論のこと総合学科に向いた生徒の確保(入口)と一人ひとりの進路の確保(出口)が重要です。入口と出口をしっかり固めるために更に積極的な広報活動を展開していきたいと思っています。
61 | 2003年06月28日(土) | 新たなるチャレンジ 〜『塾対象説明会』 |
本校においては総合学科として取り組んでいることを多くの方に知っていただくために《広報活動》を最重点課題の一つに取り上げています。
国の方針としては『総合学科』を高校改革・特色づくりのパイオニアとして位置づけ、現在の186校(平成14年度末)を将来的には500校程度に増加させたい意向のようです。しかし、まだまだ一般的にはバラエティーに富んだ総合学科についての認知度は高くありません。また普通科総合選択制との違いも正しく理解されていないようです。
今回の説明会においては『上級の進学を目指す総合学科』を強く訴えると共に授業参観や実習棟等の施設見学を通じて、本校についての理解を深めていただきました。
これまで公立高校においては生徒の確保という点については必ずしも積極的ではなかったようですが、各校の特色づくりが進む中、学校のPRはますます重要になってくると思います。目的意識を持った個性豊かな子ども達に入学していただくために今後とも積極的に本校の取り組みを紹介していきたいと思っています。
最後に、ご多用中にもかかわらずご出席いただきました皆様に心よりお礼申し上げます。